2015年11月28日

息子、デートに行く

ブラスバンドでのスネアドラム姿がたまたまカッコいいのか、両親の個性的な顔のパーツを奇跡的に回避したポワンとした顔立ちがたまたま可愛く見えるのかは分かりませんけど、なんか息子最近モテモテ。女子の間で話題の的。お父さん、悔しいぞ

それはさて置き、本日息子がデートに出かけやがった。ブラスバンド内でも可愛いと噂の女子二人と、息子を連れだす口実に使われた不憫な男子一人の計四人で。実質三人の微妙なトライアングル。
それを聞いた私と女房は前の晩から大はしゃぎだったんですけど、当の本人は「カラオケ行っても歌うのないしぃ…DS持ってってダメかなぁ?」と、“女子とお出かけ”の意味を全く理解してないアホっぷり。「小遣い残ってるの?」の問いにも「400円くらいあるから余裕!」の珍回答。お父さん、黙って千円渡したよ。

で、本番の今日。微妙な寝ぐせのまま待ち合わせ場所に母親に送ってもらうってのはどうかと思いましたが、無事合流しカラオケへ。
夕方に帰って来た息子に、「ん?ん?で、どうだった?ん?ん?」と聞いてみるも、「ナンコツの唐揚げとポテト美味かったよ!」と、また珍回答。ゴメンな、女子。見た目に中身が伴うまであと数年は掛かりそうだから、それまで待っててもらえないかい?

なにはともあれ、今日が息子の初デート記念日だってのを記憶と記録に残し、ついでに記事にしちゃおうと。後ろで息子が「えー、書かないでよぅ。デートじゃないし」と抗議してるのを無視しつつ。では!

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タグ:雑記
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ウルフクリーク 猟奇殺人谷 (Wolf Creek)

監督 グレッグ・マクリーン 主演 ジョン・ジャラット
2005年 オーストラリア映画 99分 ホラー 採点★★★

通り魔や強盗など勝手に向こうから悪意がやって来るものはアレですけど、基本的には犯罪を起こしそうな人達と関わらない、テリトリーに入り込まないってのが犯罪に巻き込まれない一番の防御法だと思ってる私。まぁ、知らない内にそのテリトリーに迷い込んでしまうってのも困りものなんですが。

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【ストーリー】
オーストラリア横断旅行を楽しむイギリス人のリズとクリスティ、そしてオーストラリア人のベン。しかし、彼らの車がウルフクリークの国立公園で故障してしまい足止めを食らってしまう。そこへ現れたミックという男に助けられた彼らだったが、目を覚ますと自分たちが拘束されてしまってることに気づき…。

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自分なりにもうちょっと分かりやすい表現はないかと思案するも、結局巷で言われる“オージー版悪魔のいけにえ”ってのが一番シックリくるカンガルー・ホラー。『レッド・ヒル』で製作総指揮を務めていたグレッグ・マクリーンが、オーストラリアで実際に発生したいくつかの殺人事件をベースに映画化。
男ひとり女ふたりの微妙な関係が生み出す仄かな恋模様や友情物語から一転、こちらの常識が一つも通用しない男によっての容赦も救いもない殺戮が繰り広げられる世界へと叩き落とされる落差が激しい本作。その落差が愛も友情も歯が立たない底知れぬ恐怖を生み出している。また、そこかしこに武器があるにもかかわらず手にせず、ようやく手にした銃は瞬く間に落とし、倒した敵にはとどめを刺さないなど、こちらのフラストレーションを溜めまくる行動の数々も、正常な判断能力を失わせるだけの極限状況に陥ってる様を巧みに表現。
ミック・テイラーに殺戮者としてのカリスマ性が少々足りない感もあるが、その辺もまた“荒野だったらどこにでもいそうな男”という特定しにくい怖さを生み出しているのかと。なによりも、見渡す限り何もないオーストラリアならではの景観が、助けなんか全く期待できない恐ろしさを。“ウルフクリーク”って地名からして怖そうですし。途中にある“エミュークリーク”はなんかちょっと可愛いですけど。

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悲鳴なんて絶対届かない

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2015年11月25日

エンド・オブ・ホワイトハウス (Olympus Has Fallen)

監督 アントワーン・フークア 主演 ジェラルド・バトラー
2013年 アメリカ映画 119分 アクション 採点★★★

ハリウッド映画って、その時々の社会に潜む不安や不満を巧みに題材に盛り込みますよねぇ。タカ派が幅を利かせてる時にはリベラル的な作品が、リベラル政権の時は国威発揚的な作品が作られるみたいに。どっちか一方に傾き過ぎないよう自然発生的に表れるこのバランス感覚って、やっぱり一方に傾きっぱなしで他方の見識が重用されない国からすればはるかに健全だなぁと。

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【ストーリー】
朝鮮半島統一を目論むテロリスト集団に襲撃され、大統領を人質に占拠されてしまったホワイトハウス。そこに、、かつては大統領付きのシークレットサービスだったが、交通事故から大統領を救うも大統領夫人を救えなかった故に職務を外され、デスクワークに回されていたマイク・バニングが居合わせていた。大統領を救うため単身でテロリスト集団に立ち向かうマイクだったが…。

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イコライザー』のアントワーン・フークアによる、テロリスト集団に一人で立ち向かう男の姿を描いたアクション。ザックリと言えば、トム・クランシー原作による『ダイ・ハード6』みたいな感じ
アメリカの中枢中の中枢であるホワイトハウスが襲撃されるっていう、米国民にとっては大きな衝撃を受けると共にある種のカタルシスを味わってたのかなぁとも思える題材を描いた本作。平和と幸せからの落差が大きいオープニングと、ド派手でありながらも緻密そうに見える襲撃作戦が描かれる序盤が見事。
ただそれ以降は、韓国政府団にテロリスト集団が混ざってるザルさ加減や、知らん内に米軍秘密兵器が盗まれてたりと大雑把で大味な描写の連続となってしまうのだが、この辺の大雑把さがかつてジョエル・シルヴァーなんかが幅を利かせていた時代のアクション映画を思い起こさせ、懐かしさと共になんとも嫌いにはなれず。徹底的にホワイトハウスを破壊する情け容赦ないテロリストに対し、主人公も結構容赦ないってのも好みでしたし。
本来なら外国行ってあんなことしてる場合じゃなかったジョン・マクレーンや、衝突中の列車から文字通り一糸乱れぬ姿で脱出したケイシー・ライバックなんかが最終的に到達しなければならなかった場所でありながらも、それが描かれぬまま年月ばかりが経ってしまいモヤモヤが残ってる私のようなアクション映画ファンであれば、ある程度の欲求が満たされる一本なのかと。ロンドンが徹底的に破壊されるっぽい次回作『London Has Fallen』もちょいと楽しみに。

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基本顔がずっと怒ってる主人公に扮したのは、『完全なる報復』『300 <スリーハンドレッド>』のジェラルド・バトラー。“ブレない”とか“思いつめてる”とか“怒ってる”ってのが似合う役者なだけあって、悪者に対し嫌がらせにも近い圧倒的な強さを誇る主人公に不自然さを感じさせない好演。ラッセル・クロウの居たポジションにスポっとハマって波に乗るかと思いきや、最近ちょっと元気がない感もあったので、シリーズ化も期待できるこういうキャラを見れたのは嬉しい。
その他、『世界侵略:ロサンゼルス決戦』のアーロン・エッカートや、“こういう役でお馴染み”って紹介で済みそうな『オブリビオン』のモーガン・フリーマン、50を過ぎてまた美しさに磨きがかかったようだった『キンダガートン・コップ』のアンジェラ・バセット、『クレイジーズ』のラダ・ミッチェルに、『スティーブン・キング 血の儀式』のディラン・マクダーモットらといった、アクション大作らしい顔触れが揃ってるのも嬉しい。
そんな中でも、気品と親しみやすさを兼ね備えた、惚れ惚れしてしまう美しさに全くの変わりがなかった『妖精ファイター』のアシュレイ・ジャッドを短い時間ながらも見れたってのが一番嬉しかったかなぁと。

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「テロリストには負けません!」と言いたいのか、ホワイトハウスを壊したいだけなのか

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2015年11月24日

ライフ・アフター・ベス (Life After Beth)

監督 ジェフ・ベイナ 主演 オーブリー・プラザ
2014年 アメリカ映画 89分 コメディ 採点★★

気持ちに変化が現れた女性って、男からするとまるで別人になったかのように見えることが。付き合う直前や付き合ってる最中の自分が好きだった女性とは思えぬ、なんか知らない人って感じ。たぶんそれって女性が持つ特有の技みたいなもんなんでしょうけど、その技に対し男はただただうろたえることしか出来ないんですよねぇ。

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【ストーリー】
別れを考えていた矢先に、恋人ベスを不慮の事故で失ってしまったザック。深い悲しみに暮れるも、数日後ベスが墓から蘇って来る。これを機にベスとやり直そうとするザックだったが、どんどんゾンビ化が進むベスにザックはついていけず…。

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『ハッカビーズ』の脚本を手掛けたジェフ・ベイナが監督・脚本を務めた、ゾンビ・ラブコメディ。
“彼女がゾンビで大変”ってのを、独特のテンポとユーモアで描いた本作。「死んだ彼女が戻ってきた!嬉しい!でも臭い!」と、異様な状況に翻弄される男の様がなんとも悲しく可笑しい一本。
ただ、男には理解できない女性の心の変化をモンスター化したわけでも、特殊な状況下で恋愛の本質を描いたわけでもなく、ただ“彼女がゾンビ”って特異なネタに乗っかりっきりで、それをモノにして消化しきれてるとは言い切れない浅さが気になる所でも。ある程度の記憶を保ってるので普通に会話できたり、かつての家に帰って来て現住人とひと悶着起こしたり、地面に埋められてたのが相当嫌だったのか、可能な限り高い場所をねぐらにしたがるなど良いアイディアが垣間見られるゾンビ描写なのに、それを膨らませず掃討して終わらせちゃう荒っぽさも然り。他のゾンビにそういう描写がなくベスだけが人を襲うのも、“ザックがゾンビ呼ばわりする→ゾンビって人食べるよね→じゃ、私も”と読み取ることも可能なだけに、その辺の雑な扱いが残念。
また、過剰に感傷に浸る彼氏とワガママ彼女、別れたい彼氏に別れたくない彼女であるベスとザックを、若干感情移入しづらい突放し気味の視線で描いてるようでいて、急に愛の深さを物語るかのようなシーンをクライマックスに持ち込み、でもラストは都合のいい新規の彼女をザックにあてがうという、視点とペース配分のチグハグさもアレだった一本で。

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自分がゾンビであるってことの切なさをもうちょっと描いて欲しかったベスに扮したのは、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』のオーブリー・プラザ。ゾンビ化したことで本質が現れたのか、彼氏が作った愛の歌をキレ気味に酷評する素直さが素敵。
また、一家の中で一番取扱いが面倒くさそうなザックには、『デビルズ・ノット』のデイン・デハーンが。このザックの行動や見た目がどうにも生理的に受け付けなかったのが、本作に心が入り込まなかった一番の要因だったのかと。なんかもう、ただただイヤ
ただ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジョン・C・ライリーや、『エバン・オールマイティ』のモリー・シャノン、『セッション』のポール・ライザーといった好みの面々が、そんな不満を少しばかり解消してくれるのが救いだったかと。
そう言えば、妙に都合のいい新規彼女役として『ピッチ・パーフェクト』のアナ・ケンドリックが。扱い的にはスペシャルゲストなんですけど、あんな中身のない役柄を何故受けたのかは少々ナゾで。

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“彼女がゾンビ”ってのも嫌だけど、“彼女が臭い”ってのも嫌だ

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2015年11月23日

デヴィッド・ボウイ/ブラックスター (David Bowie / Blackstar)

先日もちょろりと触れた、来年のボウイ生誕記念日に発売予定されているデヴィッド・ボウイ待望のニューアルバム“ブラックスター”(日本版タイトルは“★”なのか?)。その同名曲のPVが発表されてたんで、「ひゃっほーい!!!!」としながらペタリと。
雰囲気としては前作『スー(オア・イン・ア・シーズン・オブ・クライム)』にも似たフリージャズ傾向の感じられる曲なんですけど、“世界を売った男”に収録されてる『円軌道の幅』を超える10分弱の大作に。これがもう、ダレないダレない。私が既にボウイ中毒末期にあるからかも知れませんが、この中毒性の高さたるや
この1曲だけでアルバムを想像するのは、前作“The Next Day”が第一弾シングル『ホエア・アー・ウィー・ナウ?』から想像されるお爺ちゃんイメージとは真逆のロックアルバムだったってこともあるので難しいんですけど、ほぼほぼ間違いなく2016年を通して聴き続けるアルバムになるんだろうなぁと。
あ、PVに出てくる宇宙飛行士の亡骸は「きっとトム少佐に違いない!」と世界中のファンが真っ先に思うことを、私も思っちゃってることを最後に。
あ、ボウイトリビュートビデオの中でも最高傑作と言える、“"Bowie" (Sandeman & Mennomail mix - A tribute to David Bowie in Sound & Vision) ”をついでにペタリと。万が一ボウイになんかあったら、毎日号泣しながら観るんだろうなぁと、最後の最後に。

【David Bowie - Blackstar】


【"Bowie" (Sandeman & Mennomail mix - A tribute to David Bowie in Sound & Vision) 】


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タグ:音楽
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2015年11月21日

シグナル (The Signal)

監督 ウィリアム・ユーバンク 主演 ブレントン・スウェイツ
2014年 アメリカ映画 97分 SF 採点★★

独占レンタルって、なんか気分悪いね!」と感情的には感じながらも、この厳しい時代に競合他社との差別化を図るビジネス的な意味合いでは理解も出来る私。これで、顔触れが地味だからとか配給会社が売り方を思いつかなかったとかの理由でお蔵入りした隠れた名品なんかを中心にリリースしてくれたら、映画ファンとしては嬉しいものなんですけど、結構な割合で在庫処分的な作品が多かったりするんですよねぇ。

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【ストーリー】
謎のハッカー“ノーマッド”を追いネバダ州にある廃墟へと辿り着いた、MITの学生ニックとジョナ、そしてニックの恋人であるヘイリーの三人。しかし、彼らはそこで不可解な現象に遭遇して意識を失い、目を覚ますと政府機関の隔離施設に監禁されていた。デイモンと名乗る責任者とおぼしき人物に、地球外生命体に接触した為に何かに感染してしまったと告げられたニックは…。

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『地球、最後の男』のウィリアム・ユーバンクによる、異星人と接触した若者たちの顛末を描いたSF。主演には『オキュラス/怨霊鏡』のブレントン・スウェイツが。
たぶん監督の頭の中に浮かんだ“UFOキャッチャーの中に囚われた人間”ってイメージを、好きな作品なのであろう数々のSF映画のモチーフを拝借しながら映像にまとめたって感じの本作。「これ、なんか○○っぽいよね?」って展開を、如何にもサンダンスっぽいセンス良さげな映像で飾り立てた“ぽいぽいづくし”な作品で。
深いテーマを持ってそうな雰囲気だけを楽しむ分にはまぁよいが、ちゃんと話を追おうとするとその支離滅裂さに頭が痛くなってくる本作。『未知との遭遇』みたいにシグナルを受け取った人間が「お分かり頂けたであろうか?」みたいに映り込む異星人と接触し、ちょいと改造されちゃうってのはまぁ良し。足に障害のある主人公がスーパー足を手に入れるってのは、もう一人の男の改造理由が不明ってのと、彼女がどうなってるのかさっぱり分からないってのはさて置いて、なんとも粋な計らいですし。で、それを理由に監禁されるのも、脱走しちゃうのも納得。
ただ、そっから突然『ダークシティ』になられちゃうと、さすがにわけが分からない。作品に重みを与えるためだけに存在する、『コンテイジョン』のローレンス・フィッシュバーンが扮していたデイモンの言ってること全部辻褄合わなくなるし、そもそも嘘をつく必要も監禁する必要もないですし。もう、この宇宙人と分かりあえる気がしない
この支離滅裂さが計算のうえでなら付き合えるんですけど、なんか「雰囲気だよ!」と開き直っちゃってる感がちょいと嫌だったなぁと。「ボク、こんなことが出来ます!」っていう10分程度のPR映像なら傑作になり得るが、映画となると考えものの重厚な空っぽ映画で。まぁ、やっぱり宇宙人は牛に興味があるってとこは面白かったですけど。

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やっぱり牛が好き

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タグ:★★ SF
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2015年11月20日

スティーブン・キング 血の儀式 (Mercy)

監督 ピーター・コーンウェル 主演 チャンドラー・リッグス
2014年 アメリカ映画 79分 ホラー 採点★★★

両親が何かと忙しかったため、日中ほとんどの時間を祖父母と過ごしていた子供時代の私。常に穏やかだった祖母と、寡黙で孫と戯れてる姿を見られるのは少々気恥かしいと思ってるカッコつけしいのくせに、私の運動会にはコッソリと必ず観に来ていた祖父。私の名付け親であり、あれこれあって私の出産を諦めていた母をひと押ししてくれた存在でもあるそんな祖父母を、亡くなって久しいまでも大好きな私。ただまぁ、激動の時代を生きてきたはずなのに、若い頃の話ってほとんど知らないんですよねぇ。祖父は泳ぎが得意だったから河童って呼ばれてたとかいう、どうでもいいエピソードばかりが記憶に。

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【ストーリー】
養護施設を退所させられる祖母マーシーの世話をするために祖母の古い屋敷へとやってきた、お婆ちゃんっ子の少年ジョージに母と兄の3人。やがてジョージは、マーシーの悲惨な過去と一族にまつわる因縁、そして土地に潜む邪悪な存在のことを知り…。

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スティーブン・キングによる、ブクブクと太って呪文みたいな意味不明の言葉ばかり発する婆さんが怖くてしょうがない少年が、婆さんの中に潜んでいた邪悪な存在に乗っ取られるっていう後味悪い短編“おばあちゃん”を、『エクトプラズム 怨霊の棲む家』のピーター・コーンウェルが映像化したDVDストレートのホラー。“ウォーキング・デッド”のチャンドラー・リッグスが主演し、共演には『ゴースト・ハウス』のディラン・マクダーモット、『モール・コップ ラスベガスも俺が守る!』のシャーリー・ナイトらが。また、製作者の中には『チャーリーズ・エンジェル』のマックGの名も。
古の時代から存在する土着の邪悪な存在や、一族にまつわる因縁、少年にしか見えない善なる存在や家族愛など、原作とは異なる展開ながらもキングらしさってのがそこかしこに描かれていたのが嬉しい本作。大きな愛が生み出した悪に対し、やはり大きな愛が生み出す善で立ち向かうという、愛の両面性を描いているのも興味深い。
ただ、演出にあまりにもメリハリがないせいか、その因果関係や邪悪な存在の目的に立ち位置など、肝心な事柄がモヤモヤしてなんとも分かりづらい。理解不能な恐怖を演出する為に何がどうなってるのか分からないなら良いのだが、どうにも意図的とは思えない混沌っぷり。60年代の回想から幕を開けるが、映画の終盤にパソコンが現れるまでその回想がダラダラと続いているかのような印象も。“婆さんが怖い”ってだけのネタからの膨らませ方が悪くないだけに、この平坦過ぎる演出が惜しい。
まぁ、プレイする度に私を号泣させた名作ゲーム“ラスト・オブ・アス”でサラ役だったハナ・ヘイズが、主人公だけに見える“隣の家の少女”という思いのほか重要な役柄で出ていた嬉しさもあったので、採点は甘めに。

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身内のダークサイドって、わざわざ語り継いだりしないよなぁ

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2015年11月19日

デッド・ハンティング (Preservation)

監督 クリストファー・デナム 主演 レン・シュミット
2014年 アメリカ映画 90分 ホラー 採点★★

緻密に作り込まれた箱庭世界の中を、犯罪者として自由気ままに行動できるっていう大人気ゲームのオンライン版でよく遊んでいる私。他のプレーヤーも大勢その世界に居るんですけど、“自由”ってのをモラルとスタイルからの解放と解釈したのか、単に実社会での鬱憤を晴らしたいだけなのか、憎悪や暴力性を剥き出しにしたかのように攻撃してくる輩も多々。私なんかは映画好きが影響しちゃったのか、自分のキャラクターの背景を勝手に想像して、それに沿った行動や服装、車選びなんかをして世界観を作ってるんですけど、派手なスーパーカーで通行人を撥ねまくり、戦闘機で人々を攻撃するそういう輩って、どういう世界観を持ってるのか疑問に思ったりも。

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【ストーリー】
閉鎖された山奥の森林公園へ狩りを目的としたキャンプにやってきた、ウィトと夫のマイク、そして夫の兄ショーン。しかし、夜が明け目を覚ますと彼らの荷物は全て奪われ、彼らの額には標的マークが印されていた。ただのイタズラと考えていた彼らであったが、そこへ人間狩りを目的とした謎の集団が現れ…。

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アルゴ』などに出演していたクリストファー・デナムが脚本と監督を務めたサバイバルアクションホラー。
公園に行ってまで頭を突き合わせ携帯ゲーム機で遊んでる子供らを見て「いまどきの若者は!」と憤る年配の愚痴を、そのまんま映像化したみたいな本作。ボール遊びすれば「こっちに飛んできたら危ない!」と怒り、走りまわれば「うるさい!」と怒鳴っておきながら何を言ってるんだか。それはさて置き、匿名を良いことに好き放題やってるネット社会を揶揄するかのように、覆面に無言の子供らが襲い来る様に恐怖を演出した本作。友人同士の会話は全てラインを通し、家出は良い子でもゲーム内では殺戮者である子供らの姿は非常に分かりやすく描かれているし、理由なき剥き出しの暴力性にはそれなりの恐怖感を演出出来ていたのかと。
ただまぁ、なんとも展開がかったるい。物語が進めばあっさり犯行グループの素性が分かるってのに、前半たっぷりと時間を掛け夫婦と兄のワケあり風の様を描いてミスリードを試み、いざ佳境に入っても如何せん登場人物数が少な過ぎるのでキモとなる殺戮シーンが間延びし過ぎ。その少ないシーンですら工夫のない変わり映えの無さで、“倒す→油断する→倒される”の繰り返しでしかないので違うシーンのはずなのに「まだやってんの?」と思ってしまうこと多々。この手の映画はまず見栄えのする殺戮シーンの工夫が大事なのに、中途半端にメッセージを載せようとした生真面目さが裏目に出たのか。結果、地味な顔触れが地味な舞台で地味に殺し合いをする、なんとも地味なホラーになっちゃった一本で。

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自分も子供だったってことを忘れた大人の視点とも

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2015年11月18日

リピーテッド (Before I Go to Sleep)

監督 ローワン・ジョフィ 主演 ニコール・キッドマン
2014年 イギリス/アメリカ/フランス/スウェーデン映画 92分 サスペンス 採点★★★

ウチの子供らが話す“小さい頃の思い出話”を聞いてると、結構な割合で私ら親が話した「あんたの小さい頃〜」の話が本人の記憶にすり替わってたりするんですよねぇ。仕舞いには「覚えてる?」とまで言われますが、覚えてるも何も、それ話したの私だし。時折、記録よりも記憶を重視してしまう風潮を感じてしまうこともありますが、記憶なんてものは容易に編集改竄出来るものなんだよなぁと、子供らの様を見て改めて感じた今日この頃。

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【ストーリー】
彼女は朝目覚めると前日までの記憶を全て失ってしまう記憶障害に悩まされるクリスティーン。彼女を献身的に支える夫のベンのことも、記憶障害の原因となった事故のことも思い出せない困惑と混乱の日々を送っていた。そんな彼女は担当医の勧めでビデオ日誌をつけ始めるが、それにより医師と夫の言い分の食い違いに気づいてしまう。誰を信用していいのか分からなくなった彼女は…。

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そこそこネタバレしますよ
S・J・ワトソンによるベストセラーミステリー『わたしが眠りにつく前に』を、『28週後...』『ラスト・ターゲット』の脚本を手掛けたローワン・ジョフィが映画化したサスペンスミステリー。製作総指揮にリドリー・スコットも。
都合の良い記憶を植え付けることが可能なだけにミスリードし放題な本作。ただ、それだけミスリードを試みるってことは、一番疑いにくい人物がクロだってことを言ってるようなものなので、真相は至って想定内の安心設計。まぁ、意外な真相でビックリさせるタイプの作品ではなく、混乱の中から少しずつ真相に近付いていく主人公の姿を描いている作品なのでネタの安易さには然程不満はないものの、困惑描写以外にこれといって見どころがないのは少々物足りず。
また、道端でたまたま見掛けた主人公を親身に診療する医師や、毎朝面倒くさい説明業務をこなし続けてまでもそばに居続けようとする“夫”など、状況設計のためとはいえ不自然と言わざる得ない人物描写にも難ありかと。この不自然さをスパーンと解消するだけの説得力が締めになくフワっと軟着陸してしまったのも、ネタは良いんだけど調理がイマイチって印象を感じた要因では。まぁ、“優しくハンサムな夫”“その夫に似てハンサムな息子”と散々ハードルを上げておきながら、出てきたのが妙に甘ったるいチンチクリン夫とボヤっとした息子だったってインパクトは強烈でしたが。

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宵越しの記憶を持たないクリスティーンに扮したのは、『ウソツキは結婚のはじまり』『奥さまは魔女』のニコール・キッドマン。以前は常に惚れ惚れさせられる大好きな女優の一人だったんですけど、少々お直しが過ぎてしまってからは主演作を観る気にならなかったんでずいぶんと久しぶりに観た印象があるんですけど、薄化粧に緊張した困惑顔で始終映ってからか、記憶にあるニコール・キッドマンとほぼ一致。冷静に考えれば浮気ばっかりしている役柄に、それなりの気品ってのを感じさせたのは流石かなと。
また、些細なことで異常なまでにキレるくせに妙な所では辛抱強い“夫ベン”に扮したのが、『キングスマン』のコリン・ファース。表裏を巧みに演じ分けられる役者だけに適役ではあったんですけど、最近ちょっと苦虫を噛み潰したような顔ばっかしてる印象も。
そんなコリン・ファースとは『キングスマン』でも共演している『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のマーク・ストロングも、持ち前の胡散臭さを発揮した好演を。

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自分は嘘つかないってのが大前提

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2015年11月17日

2015年10月度 ベスト&ワースト

デヴィッド・ボウイが前作“The Next Day”同様、自身の誕生日である2016年1月8日に待望のニューアルバムを発売するとアナウンスしたり、うちの長男が所属するブラスバンドが2年連続となる全国大会進出を果たしたりと嬉しいニュース続きでスッカリ忘れておりましたが、恒例の月間ランキングを。にしても、嬉しい限りで

ベスト
@イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
Aジョン・ウィック
B劇場版 テレクラキャノンボール2013
Cウォーリアー

ちょいと興味はあったがアンテナが然程反応しなかったのでなんとなくスルーしていた作品を中心に鑑賞した10月。まぁ、「チキショー!観ておけばよかった!」って作品に出会ったわけでもなく、スルーしてたのも分からなくない作品ばかりではありましたが。で、結局ベスト入りはほぼ新作中心に。
事実関係をなぞって後は主演俳優のモノマネ力量に頼りきった伝記映画が多い中、スパイアクションとしても人間ドラマとしてもサスペンスとしても一級品の面白さを持ちつつ、しっかりと歴史の裏側をえぐった@がダントツの面白さを。こればっかりは予告編にそそられず劇場スルーしていたことを後悔。Aは“如何にキアヌをカッコ良く撮るか”を主眼に作られた作品ですけど、その狙いがしっかりと実現されてたんで満足しきり。品やモラルを捨てるとバラエティは抜群に面白くなることを実証したBや、口下手なトム・ハーディの可愛らしさが際立っていたCも忘れ難し。

ワースト
該当なし

スルー作品を中心に鑑賞した結果、特別面白いわけでもないけどつまらないわけでもないって作品ばかりになっちゃったので、今月はワースト該当なしで。

そんなこんなだった10月。今月はまぁいつも通りではありますが、来月はいよいよ息子の全国大会。去年果たせなかった金賞獲得に向けて頑張れなと、直接言わずにここに書くお父さんですよ。では!

【2015年10月度 全鑑賞リスト】
トム・クルーズ/栄光の彼方に(再鑑賞) ★★★
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) ★★★
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 ★★★★
呪われたジェシカ ★★★
ウォーリアー ★★★★
ウォリアーズ(再鑑賞) ★★★★
48時間(再鑑賞) ★★★★
ハートブルー(再鑑賞) ★★★
オーバードライヴ ★★★
THE GREY 凍える太陽 ★★★
ジョン・ウィック ★★★★
劇場版 テレクラキャノンボール2013 ★★★★
ゼロ・ダーク・サーティ ★★★
LEGO(R)ムービー ★★★
凶悪 ★★★

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