1992年 アメリカ映画 87分 コメディ 採点★★★
親にとって子供ってのは何歳になっても子供のままなんですよねぇ。年齢的にはもういい加減大人過ぎる私が親に意見をしても、「あら〜、末っ子がなんか大人っぽいこと言ってる〜」で終わりですし。前々からそういう親にはならないようにしようと決めてたんですが、たぶんうちの子供が成長してバイトなんか始めたら、間違いなく一度は見に行くんでしょうねぇ。で、「『いらっしゃいませ〜」なんて言ってる〜」とか大爆笑するんでしょうねぇ。
【ストーリー】
仕事は凄腕だがそれ以外は無頓着な中年刑事ジョー。不器用で気持ちを素直に表せない性格から、恋人で上司のグウェンとの仲もギクシャク。そんなある日、故郷から母親のトゥティがやって来る。いつまで経っても過剰なまでに子供扱いで、誰彼構わず子供時代の話をしまくるトゥティに振り回されるジョー。そんな折、ある殺人事件の現場をトゥティが目撃してしまい…。
『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』のロジャー・スポティスウッドがメガホンを握り、『キンダガートン・コップ』のアイヴァン・ライトマンらが製作を務めた“親子あるある”アクション・コメディ。
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のシルヴェスター・スタローン自身が“最悪の映画”と公言し、ファンの間でも散々な評判である本作だが、公開当時から久々に観直した今に至るまで私自身は嫌いになったことのない一本。
コメディのイメージがないスターを笑いの世界に放り込む、その違和感やギャップを楽しむよくあるジャンルの一つである本作。子供や動物といった、一緒に居ると似合わない相方をあてがわれることも多々。その一方で、違和感を楽しむ作品故に演者が無理して笑いを取ろうとコミカルな演技をすると、逆に大惨事になることも。
そういう意味では、いつも通りのスタローンが老人相手にテンヤワンヤする本作は十分に合格点。そもそもスタローンは“筋肉をまとった人情派俳優”という認識を個人的に持ってるので、ジャンル特有の大きなギャップ抜きでも成立する、いつでも楽しめる小品に仕上がってたのかと。
そんなスタローンを筆頭に、嫌味のない美人っぷりに魅了された『ポルターガイスト』のジョベス・ウィリアムズや、まだまだ駆け出しだった『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のヴィング・レイムスなんかも出演しているが、やはり見どころはママ役のエステル・ゲティかと。子供を愛するが故の悪意ない行動が子供にとっては悪夢でしかない、とはいっても嫌悪感や殺意を抱くまででもないこの絶妙なバランスと、いくつになっても母親に頭の上がらないイタリア人気質が出てたスタローンの組合せは抜群だったなぁと。
そう言えば、この当時スタローンとシュワルツェネッガーが互いを強く意識してライバル視してたのは有名な話で。筋肉映画が飽きられ始めネタ扱いとなってきた80年代後半、『ツインズ』で先にコメディ映画で成功を収めたシュワを追うようにコメディ色の強い『デッドフォール』やジョン・ランディスと組んだ『オスカー』に出演するも、到底成功したとは言えず。そこに転がり込んできた本作の企画。脚本家も製作者もシュワの『ツインズ』組。ただ、前回の失敗もありスタが出演を渋ってると、シュワが手を挙げ「じゃぁオレが!」と。負けてられんとスタが「じゃぁオレも!」と手を挙げるとシュワが「どうぞどうぞ!」と手を降ろす、なんかもうダチョウ倶楽部のネタみたいなやり取りの末に本作は作られたとか。政治家よのぅ、シュワ。
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