2015年09月12日

2015年8月度 ベスト&ワースト

“アホ”って単語に手足が生えたかのような小6になるウチの長男。ただ、アホならではの吸収力でみるみる上達したブラスバンドでのスネアを叩く姿が良いせいか、運良く両親のどっちにも似なかった顔立ちのせいか、稀に女子にモテる。
先日もなかなか可愛い女子に「今度ふたりで遊びに行こう♪」と誘われたそうだが、キャッチボールする二人の間でボールを追いかけ「ぎゃははぎゃはは」するような遊びしか知らないアホだけに、ちゃんと遊べるのかお父さん不安。まぁ、すぐにアホなのがばれて振られるんでしょうけど。勝手に惚れられ勝手に振られる息子の人生。
そんなわけで8月度のランキングを。

ベスト
@ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
Aプリデスティネーション
Bヘンゼル&グレーテル

トム・クルーズ濃度こそ控えめで個人的には少々肩透かしではありましたけど、スパイ映画ならではの面白さがより一層増してた@がやはりダントツ。にしても、本家ジェームズ・ボンドの新作が公開される年にスパイ映画の原点的な作品が集中するってのは、やっぱりちょっと辛気臭くなっちゃった現ボンドへの不満が?
下手に捻ったり細かなルールに縛られたりせずネタそのものの面白さで引っ張ったAや、どっしりとした土台の上で思う存分ワンパクするBなども好きだったなぁと。

ワースト
@ジュラシック・ワールド
Aビデオゲーム THE MOVIE
Bクラウン

期待値からの落差で考えるとこんな感じ。グラフィックが向上しただけで、表現力やら何やらは劣化しちゃってた@。4度目ならではの題材に対する突っ込み方など、工夫がないのも残念で。Aはドキュメンタリー風宣伝映画。Bは子供を襲うモンスターなのに子供を中心たした恐怖表現がないってのはどうかと。

そんなこんなの8月でしたよーって感じで、では!

【2015年8月度 全鑑賞リスト】
プリデスティネーション ★★★★
フッテージ ★★★
ジュラシック・ワールド ★★
ヘンゼル&グレーテル ★★★
クラウン ★★
ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション ★★★★
ヘラクレス ★★★
ビデオゲーム THE MOVIE ★★
ハード・ウェイ(再鑑賞) ★★★
ベイマックス ★★★

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2015年09月11日

アメリカン・スナイパー (American Sniper)

監督 クリント・イーストウッド 主演 ブラッドリー・クーパー
2014年 アメリカ映画 133分 ドラマ 採点★★★★

戦争映画なんか観てると、大抵の戦闘シーンは目視できる敵兵に対し射撃し、撃った弾が当たって死ぬまでをもその目で見てますよねぇ。まさに“殺し合い”って感じ。ただ、たまに目にするヘッドカム映像なんかの実際の戦闘の様子を見ると、大体の位置関係以外は何処に居るのかサッパリ分からない敵兵に向かって一斉に制圧射撃してたりも。当然、当たったかどうかもよく見えず。でもそういう近代戦においても、スナイパーってのは敵の姿からその死までをもその目で見つめてるんですよねぇ。キツいなぁ。

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【ストーリー】
2001年の同時多発テロを目にしたカイルは強い愛国心から軍に入隊、精鋭部隊ネイビー・シールズの狙撃手として過酷な訓練を受ける。イラクへと向かったカイルはその類稀なる狙撃の才を発揮し多くの仲間を救い、レジェンドとして称賛を浴びていく。帰国し愛する妻と子供らと平穏な生活を送るカイルであったが、戦場での体験は静かに彼の心を蝕んでいき…。

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イラク戦線で160人以上の敵兵を殺害した伝説の狙撃手クリス・カイルの回顧録を、『人生の特等席』のクリント・イーストウッドが映画化した実録戦争ドラマ。主演に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のブラッドリー・クーパー、共演に『フォックスキャッチャー』のシエナ・ミラーらが。
公開から随分と経ち内外の評価が出揃った印象もある本作ですが、それらをざっと見てみると“愛国的英雄譚”と捉える方もおられれば“反戦映画”として捉える方もいる。また、“アメリカ至上主義のアラブ蔑視映画”と捉える人もいるかと思えば、“戦意高揚映画”として観る方も。まるでリトマス試験紙のように、観る人の思想傾向を反映するかのような様々な意見が。そんなことを頭に入れながら鑑賞してみたが、なるほどこれは分かれるわけだ。
9.11の追悼式典でのイーストウッドのスピーチを真に受けるのであれば、彼自身テロリストへの報復に対しては肯定的だ。これまでの作品を観る限り、愛国心に関しても揺ぎ無い。だが一方で、如何なる理由であっても“殺人は罪である”という考えも。本作にはその二つの考えがクッキリと表れている。

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家族を愛し国を愛するカイルは善人だ。そして母国とそこに住む人々の命を守るためにイラクへと出向き、仲間の命を救うために敵兵を葬ってきた彼は英雄でもある。しかし、仲間を救うためとはいえ、彼の行った行為は“殺人”でしかない。そこには“イラク人から見たら”という但し書きもいらない
生ある者がそれを失うまでをスコープを通して見つめるカイル。生かすか殺すかは彼自身の選択で、そしてそれは指先一つで決定される。繰り返される善なる理由付けをされた殺人の中で、静かに少しずつ病んでいくカイルの心。その一方で、彼の才能が最も輝き、多くの仲間たちに囲まれ英雄として称賛される戦場を欲するカイル。その心の動きを、イーストウッドはいつも通り静かにフラットに見つめているが、その静かさとは裏腹に激しい動きが手に取るように分かるドラマチックな描き方をしている。もちろん、“ドラマチック=過剰”ではなし。

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どこか撮り急いでいるかのような印象もある昨今のイーストウッド作品には、題材選びにちょっと疑問を感じる作品も少なくないんですが、本作はまさにイーストウッドらしい題材。英雄として数多くの極悪人を葬り去る一方で、殺人の罪の重さを見つめてきたイーストウッドだからこそ描けたともいえる一本。
異なる思想を持つ者同士の議論は、双方が都合の悪い部分を隠し聞こえの良い部分のみで争いがち。そのやり方だと、一方にとってはカイルは完全なる英雄で、一方にとっては愛国心を利用された殺人者に過ぎなくなる。しかしイーストウッドは、それらのど真ん中に立ってカイルを見つめている。もちろん私の思想なり考え方が反映しているんでしょうが、本作のカイルは紛うことなく英雄である。しかし、殺人という行為も肯定していない。その重すぎる罪を背負っている。守るべきものは守らねばならない。しかしながら、如何なる理由であっても殺人と言う罪は肯定されないし、してはいけないという現実をありのままにまざまざと描きだした一本で。

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右や左からじゃなく、真上から見た現実

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posted by たお at 16:43 | Comment(10) | TrackBack(67) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月09日

ワイルド・スピード SKY MISSION (Furious Seven)

監督 ジェームズ・ワン 主演 ヴィン・ディーゼル
2015年 アメリカ/日本映画 140分 アクション 採点★★★

どうやってもポール・ウォーカーの死について避けて書くことが出来ないので、冒頭に触れさせてもらおうかと。その死がファンに与えた衝撃や悲しみは未だ記憶に新しく、まずは追悼の意を。でも、「コイツ、また何を言い出してんだ?」と思われるかも知れませんが、ポール・ウォーカーは死んじゃいけなかったんですよね。避けられない不慮の事故や病気なら仕方がないかもしれませんが、スターは最低限製作期間中は生きていてもらわないとダメなんです。完全な形での完成を心待ちにしていたファンを失望させちゃいけないのはもちろんのこと、本来なら心の底から楽しめるはずの作品に死の記憶が刻み込まれ、今後も出るであろう新作を観るたびに「あぁ、ポールがいてくれたら…」とファンを悲しませ続けるのだから。だからこそ、ポール・ウォーカーは死んじゃダメだっただと。

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【ストーリー】
オーウェン・ショウ率いる国際犯罪組織を壊滅させたドミニクと仲間たちは、ロサンゼルスに戻り平穏な日々を送っていた。しかし、弟オーウェンの復讐に燃える元特殊部隊の暗殺者デッカードが、手始めに東京にいたハンを殺害してドミニクらに宣戦布告。神出鬼没のデッカードによる容赦ない攻撃に窮地に陥ったドミニクらだったが…。

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欠かすことの出来ない主演スターの死を乗り越え完成した、“ワイルド・スピード”シリーズ第7弾。シリーズ復活の立役者であるジャスティン・リンに代わってメガホンを握ったのは、『狼の死刑宣告』以来の非ホラー作品となるジェームズ・ワン。劇場公開版よりちょいと長いエクステンデッド版とやらで鑑賞。
前作『ワイルド・スピード EURO MISSION』から連続する物語で描かれる本作。『ワイルド・スピード MEGA MAX』から顕著になった、一歩間違うと笑いになってしまう境界線ギリギリまで、と言うか軽くその線を踏んだやぶれかぶれなやり過ぎアクションが満載。もう車に対する偏愛も、そもそも車である必要すらなくなっているのに、それでいて“ワイルド・スピード”らしさってのが出ている一本。
手を広げ過ぎてまとまり付かなくなってる印象も強いし、せっかく『マッハ!無限大』のトニー・ジャーや『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のロンダ・ラウジーが出てるのに、変な工夫を凝らされた撮り方や素材の活かせなさが肉体アクションを台無しにしちゃってる感も大きいのだが、これまでの主要キャストが勢ぞろいしてファミリーを前面に押し出してくる、気軽に楽しめる不良映画としてのシリーズの持ち味を殺す所まではいってないのは流石だなと。

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なんかもうマンガのような登場の仕方が圧巻だった『ワイルドカード』のジェイソン・ステイサムを筆頭に、生ターミネーターと化してた『ヘラクレス』のドウェイン・ジョンソン、ちょっとご無沙汰な気がする『デス・プルーフ in グラインドハウス』のカート・ラッセルら、ツルんとしてるか車の運転が上手そうか若しくはその両方っていう豪華スターが、各々主演スター時の強さのまんまで登場する、真の対決映画として楽しめる本作。まぁ、大見栄切るシーンがそれぞれにあるおかげでとっ散らかってる印象が強くなってるし、その存在感の故に肝心のヴィン・ディーゼルがミシェル・ロドリゲスとイチャイチャしてばっかりの印象となっちゃってるんですが。
ヴィン・ディーゼル自身も第10弾まで作ることを示唆しているし、現に第8弾の製作準備に入っているってアナウンスも。ジェイソン・ステイサムとドウェイン・ジョンソンの続投が決定し、ブライアンの弟役としてポール・ウォーカーの弟コディ・ウォーカーの出演も噂されてますが、大物ゲストの出演ってのが楽しみの一つとなったこのシリーズだけに、次なる大物は誰になるのか期待が膨らむところで。ツルんとしてるか運転の上手そうな大物スターっていうと、あと誰がいますかねぇ?ニコラス・ケイジ?

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案外今のシリーズはこの人ありきなんだろうなぁ

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2015年09月08日

クーデター (No Escape)

監督 ジョン・エリック・ドゥードル 主演 オーウェン・ウィルソン
2015年 アメリカ映画 103分 サスペンス 採点★★★

政情不安な国での暴動やクーデターのニュースを見ると、生活レベルの面で関わりのない国ってのもあって他人事として受け止めがちな私。表向きの原因や、それに至るまでの根深い過去なんてものへの好奇心よりも、「この人たちっていっつも怒ってるなぁ」「平日の昼間っからオッサンたちがいっつも店先をブラブラしてるよなぁ」という、見たまんまへの驚きの方が先にきちゃうんですよねぇ。きっと私がこんなんだから、うちの息子もアホなんでしょうねぇ。子供の「なんでこの人たちはこんなに怒ってるの?」の問いに、「暑いからじゃね?」としか答えてないですし。

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【ストーリー】
妻と二人の娘と共に東南アジアの某国へ赴任したジャック。初めての海外生活に戸惑いながらもホテルの到着した彼らだったが、程なく欧米企業の経済的支配に反発する大規模なクーデターに巻き込まれてしまう。身を守るためにホテルの屋上に籠城するジャックらだったが、外国人をターゲットとする暴徒がなだれ込んできて…。

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右も左もわからない外国でクーデターに巻き込まれたアメリカ人家族の逃避行を描く、『デビル』のジョン・エリック・ドゥードルによるサスペンス・アクション。
どこか上から目線の欧米人が途上国でしっぺ返しを食らうという、成立する程度の作品数はあるジャンルに属する本作。何もかにもが違う海外生活の不安や驚き、平穏な生活を送ってきた男が家族のために命懸けで戦う様など定番ネタを、最後までテンションが緩むことなく突き進むノンストップぶりで楽しませてくれた一本で。
一般家庭人の目線で進んでるとは言え、暴徒がただの蛮人の集団にしか見えない描き方にはちょいと首を傾げてしまったが、その怒りの原因をしっかりと描いているってのは好印象。支援事業という表向きには善意である行為で経済的に支配していく、武力を使わない侵略のカラクリも非常に興味深く。カギを握るのがかつて散々なことをしたベトナムってのも、ちょいと面白いヒネリと皮肉で。
十分に楽しませてくれはするが小粒感も否めない、同時上映の併映だったらとっても嬉しくなる“めっけもん”的な作品だったかなぁと。

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インターンシップ』のオーウェン・ウィルソンがクーデターに巻き込まれる新鮮味がミソになる作品なのかなぁと思いきや、案外いつも通りのオーウェンだった本作。フワフワ特に何も考えずに流されていながら、妙な所で頑固になったり大胆になったりする、アホちゃんで可愛いいつものオーウェン。アワワアワワと走り回ってた『エネミー・ライン』とだいたい一緒。危機は常に誰かの助けで脱する他力本願な主人公でもありましたが、こんなオーウェンだからこそ助けたくなるってもので。
そんなオーウェンを助けっぱなしだった謎のイギリス人に扮したのが、『スパイ・レジェンド』のピアース・ブロスナン。これがもう、登場から退場までの全てがカッコいい。どんな国にでもすんなりと溶け込み、いかなる時でもユーモアと女性に対する気遣いを忘れず、しかも強い。で、ハンサム。「やっぱ、ブロスナンのボンドの方が良かったなぁ…」って声なき声を反映したかのような好キャスティング&好演。ジェームズ・ボンドの交代劇でいつも“若返り”ってのがテーマに上がりますけど、このピアース・ブロスナンを見てしまうと、50歳を超えてからがボンド適齢期なんじゃないのかなぁと思わされたりも。このブロスナンを観るだけでも価値ある一本で。

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「イギリスのCIAみたいなやつ?」って台詞がアホっぽくて可愛かったなぁ

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2015年09月06日

ババドック 〜暗闇の魔物〜 (The Babadook)

監督 ジェニファー・ケント 主演 エシー・デイヴィス
2014年 オーストラリア/カナダ映画 93分 ホラー 採点★★★★

児童虐待が直接的な原因となってる場合のみならず、育児放棄や子供に対する無関心さが遠因となっている痛ましい事件ってのが後を絶たないですよねぇ。そんな事件が起こると、決まって「親が悪い!」「子供に対する愛情が足りない!」「子供を最優先にすべき!」といった声があがりますが、それらがこれからの事件を抑止する効果につながるかってことに関しては大きな疑問を。確かに私も親になる前はそう考えてた人間だったんですけど、それなりの問題を抱えた子の親となった今では、そんな声や考え方が逆に親を追い詰めて悪い方向へと進めてしまうんじゃないかなぁと思うように。もちろん子供と向き合うのも大切ですけど、自分と向き合うのも大切。耐えられない時は、逃げてもサボってもいいと思うんですよねぇ。

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【ストーリー】
出産を迎え病院へと車を走らせている道中での悲惨な事故により、最愛の夫を失ってしまったアメリア。それ以降、彼女はシングルマザーとして一人息子のサミュエルと二人で暮らしていた。しかし、小学校や親類にも煙たがられるほど言動に問題の多いサミュエルに手を焼いていたアメリアは周囲から孤立し、精神的にも追い詰められていく。そんなある夜、見覚えのない“ババドック”という絵本を見つけたサミュエルにせがまれ読み聞かせをすると、その夜を境に本の内容通りの奇怪な出来事が起こり始め…。

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女優として『ベイブ/都会へ行く』などにも出演していたジェニファー・ケントが、自身の短編“Monster”を長編化して劇映画デビューを果たした、各国の映画祭で話題をさらったホラー作品。
問題を抱えた息子の育児に日々疲弊していくアメリア。「母一人子一人だからこそちゃんとしなければ」「特殊な子だからこそ私が受け止めなければ」という生真面目さが彼女を精神的に追い詰め、発散できないストレスを肥大させていく。助けの声を上げることも、誰かに甘えることも、外に逃げ出すこともその生真面目さゆえに出来ず、そのストレスが言葉の中にトゲを生み出して更に周囲から孤立していくアメリア。
サミュエルの誕生と共に夫を失ったアメリアにとって、息子の誕生日は同時に夫の命日。本来なら子供の成長を喜ぶ日になるはずなのだが、アメリアにとっては悲しい記憶が蘇る日にすぎない。「この子さえいなければ…」、そんな思いが心の隙間に入り込む。息子の奇行が原因で小学校から追い出され、妹とも疎遠に。仕事で疲れ果て家に戻ると、待っているのは何かにつけ感情を爆発させる息子との二人きりの時間。息子の過剰なまでの母親に対する愛情表現と爆発する感情に、心身ともに追い込まれていくアメリア。この子さえいなければ…。

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そんな肉体的にも精神的にも追い詰められた母親の心に入り込んだ“”を、“a bad book”のアナグラムであるババドックという魔物の姿を借りて描いた本作。ほんの小さな“魔”でしかなかった心の闇がどんどん肥大してコントロール出来なくなる様を、女性でしか描きえないディテール細かな描写で描き切っていたのが見事。本来なら愛情を強く感じるはずの後ろから抱きついてくる幼い息子に対し、ふと嫌悪感を感じてとっさにその手を振り払ってしまう様や、怒りと後悔が交互に襲い来る様など、子を持つ親であればハッとしてしまう描写も多く、その生々しさと身近さに魔物として登場するババドック以上の怖さを。自分が生み出してしまった心の闇を消し去ったり全否定したりせず、正面から向き合うことで心のバランスを保とうとする締めくくりも上手い。
もちろん単なるモンスター映画としても完成度は低くなく、ババドックの造形や絵本の不気味さ、アメリアの心の中を象徴するかのように闇が多くがらんどうな家の描写など、本能的な恐怖を感じる見どころも多かった一本で。

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たまにはぜーんぶサボって

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2015年09月04日

ビッグムービー (Bowfinger)

監督 フランク・オズ 主演 スティーヴ・マーティン
1999年 アメリカ映画 97分 コメディ 採点★★★★

物心ついた頃には既に重度の映画好きだった私ですが、これまで一度たりとも「映画を作りたい!出たい!」と思ったことはなし。学生の時に一度だけ映研の知り合いが作った自主製作映画用に音楽を作ったことがありますけど、それは映画作りに携わるってのよりも映像に合わせた音楽を作る試みって意味合いが私にあったので、映画作りに参加したって感覚でもなし。そもそも、物語を作ったり映像で語ったりする才能ってのを、全く持ち合わせてないと思ってるんですよねぇ。もう、映画は観るものと決めちゃってる。でもまぁ、そんな才能のあるなしで尻込みなんかせず、“好きだから作る!”って姿勢も大切なんだろうなぁ。

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【ストーリー】
弱小映画会社の映画監督ボーフィンガーは、会社の経理担当の手掛けたSF映画の脚本が大ヒット映画になることを確信。大スターのキット・ラムジーに主演を依頼するも全く相手にされないボーフィンガーだったが、「アクションスターが走ってるシーンがあればいい!」とばかりにキットを隠し撮りすることで製作を敢行。キットと瓜二つのど素人ジフや、田舎から出てきたばかりの女優デイジーらと撮影を続けるボーフィンガーだったが…。

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ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』のスティーヴ・マーティンが自ら脚本を手掛けた、ハリウッドの外側に住む“ハリウッド・アウトサイダー”の悲喜こもごもを描いたコメディ。メガホンを握ったのはマペット文化の生みの親の一人であり、スティーヴ・マーティンとの仕事も多い『ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ』のフランク・オズ。
脚本の出だしと結末しか読まないハリウッドの所謂“プレイヤー”や、エゴの肥大したスター、そのスターに寄生するサイエントロジーなどの怪しげな団体といったハリウッドの姿を、そのど真ん中で狂ったふりをしながら冷静に見つめてきたスティーヴ・マーティンならではの冷たい毒気を含んだ視線で描きつつも、ビジネスだけではない映画作りの夢や希望ってのをたっぷりと映し出した映画愛に溢れた本作。主人公の嘘を発端とした嘘にまみれた物語なのだが、それを“映画そのものが人を幸せにする嘘”ってのに繋げている構成も上手い。これで登場人物が“才能はあるが機会のない人間”で、作り上げた作品が稀にみる傑作だったりするとアンチ・ハリウッドってのが前に出過ぎた嫌味な作品になるんでしょうが、才能がなくてもやる気だけはある人々が作り上げたビックリするほどダメな映画って地点に着地するので、夢を叶える物語としてホッコリとさせてくれるのも嬉しい。
笑いも豊富で顔ぶれも豪華ながらも日本未公開で、最近ではビデオ屋でも見かけなくなってきた作品ではあるんですけど、映画を取り扱った映画の中でもなかなか忘れ難い名作の一本なんじゃないのかなぁと。

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本作で最も強烈な印象を放ってるのは、やっぱり正反対のキャラクターを一人二役で演じ分けた『ペントハウス』のエディ・マーフィかと。当時のパブリックイメージを自虐的に演じたかのようなキットのパートもさることながら、往年の名キャラクター“バックウィート”を彷彿させる素直でいい子だが思いっきりオツムの足りていないジフのパートが強烈。出てるシーンの全てが抱腹絶倒。“白人の隣で面白いことをやってる黒人”って所まで下がってること自体にはちょっと考えさせられる部分もありましたが、かつての勢いが全くなくなり、どちらかと言えばネガティブなイメージしかなかった当時のエディが、これを機に完全復活するんじゃないのかと思わせただけの面白さに溢れている。まぁ、そう思わせられたまま今日に至っちゃってるんですけど。
その他、人形のような愛くるしさとは裏腹に劇中一番のしたたか者を演じた『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のヘザー・グレアムや、『アジャストメント』のテレンス・スタンプ、落ち目のどん底にいたアベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のロバート・ダウニー・Jrらといった豪華な顔触れも楽しめる一本で。

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みんなで作ってるからこそ楽しい

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2015年09月02日

スガラムルディの魔女 (Las brujas de Zugarramurdi)

監督 アレックス・デ・ラ・イグレシア 主演 ウーゴ・シルバ
2013年 スペイン/フランス映画 116分 コメディ 採点★★★

そう考えること自体が端から間違っているってのをとりあえず置いておいて、敢えて“女性よりも自分の方が優れている事”ってのを考えてみると、さっぱり思いつかない私。体力なんてもう初老の域ですし。強いて挙げるなら“後先考えない決断力と実行力”なんでしょうけど、そこに至るまで異常に時間が掛かりますし、そもそもその決断が正解とも限らず。こんなんだから、「男ってバカよねぇ」「幼稚よねぇ」とピンポイントで詰られるわけだ。いざこっちが言い返そうにも、「女は分かってないんだよ!」っていう非常にアバウトで掴み所のない反論しかできないし。

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【ストーリー】
離婚によりヤケをおこしたホセは、幼い息子を連れ仲間と共に宝石強盗を決行。逃亡劇に巻き込まれたタクシー運転手マヌエルらと共にフランスとへ向かうホセらだったが、人喰い魔女が潜むスガラムルディという小さな村に迷い込んでしまい…。

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マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾』のアレックス・デ・ラ・イグレシアによる、自由気ままな展開がワンパクなホラー・コメディ。
スペインと言うと宗教裁判と魔女狩り(バスク地方)と天本英世しか浮かばない私が言うのもアレですが、その名産品の一つである“魔女”と、男神が君臨するキリスト教に淘汰されるまでは各地に点在していた豊潤と繁栄の象徴でもある女神信仰モチーフにしつつ、ドタバタした笑いにアクションにホラーと様々な娯楽要素をぶち込んで仕上げた本作。逃亡中の犯罪者がモンスターの集落に迷い込むプロット自体は『フロム・ダスク・ティル・ドーン』だが、著名な魔女・悪女に混じってサッチャーやメルケルも登場するオープニングタイトルからも察せられるように、本作で描かれているのは力強い女性に対する男の愚痴。徹頭徹尾ひたすら愚痴。それがなんとも情けないも可愛らしい。男女の間にある溝に、とりあえずの妥協点を見出すわけでもない姿勢も潔し。
クライマックスからちょいとダラけてしまう印象もなきにしろあらずでしたが、古代の女神像を漫☆画太郎が描いたかのような“母”の強烈過ぎるインパクトや、面倒くさい女性に振り回されたいっていう隠しがちな願望を具象化したようなカロリーナ・バングの、非常にそそられるが深入りしたくはない魅力がその辺を十分相殺した楽しい一本で。

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羨ましいのと関わりたくないってのが半々

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2015年09月01日

【ブルーレイ】マッドマックス 怒りのデス・ロード 発売日決定!

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個人的には間違いなく、今年の“これ一本あればもうなんにもいらない”作品となる『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。あれ以降、未だに何を観ても頭の中からイモータン・ジョーの雄姿が消えないですし。
そんな怒りのデス・ロードのブルーレイ発売日が決定!
2015年10月21日とは、思いのほか早くてちょっと動揺してるぞ!
私自身はそっちの方に関心ないが、デジタル配信は9月23日だ!もっと早いぞ!

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発売されるのは以下の5種。表示価格はアマゾン値段で。
■【Amazon.co.jp限定】マッドマックス 怒りのデス・ロード ブルーレイ インターセプター付BOX(1枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray] ¥19,429
■マッドマックス 怒りのデス・ロード ブルーレイ スチールブック仕様(数量限定生産/1枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray] ¥5,389
■マッドマックス 怒りのデス・ロード ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray] ¥4,309
■マッドマックス 怒りのデス・ロード 3D&2Dブルーレイセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray] ¥6,469
■マッドマックス アンソロジー ブルーレイセット(初回限定生産/5枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray] ¥7,549

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発売元で確認した仕様に関しては、だいたい以下の感じのようで。
【 DISC1 】
本編:約 120 分
映像特典:約 95 分
映像特典内容:撮影の舞台裏(28:38) 狂気のマシンデザイン(22:37) マックスとフュリオサ(11:18) 荒廃した世界の創造(14:26) 5人の妻たち(11:11) 怒涛のカーアクション(4:02)
未公開シーン集 母親(0:32) スプレンディドの最期(1:49) 決断 (0:59)
ディスク仕様:ブルーレイ(2D) (片面2層)
本編:High Definition 1080p Mpeg 4 AVC
本編サイズ:スクイーズシネマスコープサイズ/16×9LB
音声:1. ドルビーTrueHD ドルビーアトモス:英語 2. ドルビーデジタル 5.1ch:日本語 
字幕:1. 日本語 2. 英語(for the Hearing Impaired) 3. 吹替用 
字幕翻訳:アンゼたかし 
吹替翻訳:アンゼたかし 

【 DISC2 】
本編:約 120 分
映像特典:約 3 分
映像特典内容:未公開シーン集 母親(0:32) スプレンディドの最期(1:49) 決断 (0:59)
ディスク仕様:DVD (片面1層)
本編サイズ:スクイーズシネマスコープサイズ/16×9LB
音声:1. ドルビーデジタル 5.1ch:英語 2. ドルビーデジタル 5.1ch:日本語 
字幕:1. 日本語 2. 英語(for the Hearing Impaired) 3. 吹替用 
字幕翻訳:アンゼたかし 
吹替翻訳:アンゼたかし


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付いてくるフィギュアが劇中大活躍するウォーマシンじゃないってのや、収録されてる映像特典が公開前に出されてたPR素材と大して変っていないってのが気になるところではありますが、中身に関しては間違いはない代物なので、秋からは家で怒りのデス・ロードだ!
What a lovely day!!

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タグ:雑記
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