2014年 アメリカ映画 101分 ドキュメンタリー 採点★★
70年代周辺で生まれた私らの世代ってのは、ある意味ゲームの進化と共に育ってきた世代って言えますよねぇ。スペースインベーダー旋風から街のゲームセンターがどのように変化してきたかを間近に見続けてきたのと同時に、家庭用ゲーム機の劇的な変化ってのも見続けてきましたし。映画や音楽の変化にももちろん驚かされて育ってはきましたが、その劇的さ具合と身近さに関してはやっぱりゲームというのが私ら世代にとっての進歩の象徴なのかなぁと。
ビデオゲームの誕生からから将来の展望までを、関係者の証言で綴ったドキュメンタリー。ナレーターには『もしも昨日が選べたら』のショーン・アスティンが。
1962年の“スペースウォー”から現在までのビデオゲームそのものや周辺の変化を、数多くのゲーム映像と共に駆け足で描いた本作。「これやった!」と懐かしんだり、今では見慣れてしまったが時系列に並ぶと明確になるグラフィックの進化に驚かされながら楽しめた一本。
ただ、ドキュメンタリー映画として考えると、視点の公平性に著しく欠けている感が否めず。特に暴力的なゲームに対する社会の反応に関する部分が顕著で、グランド・セフト・オートやモータル・コンバットといった槍玉にあがる代表的なタイトルこそ取り上げられているが、「ゲームは悪くない!」という意見ばかりが取り上げられるバランスの悪さには、それらのゲームが大好きで“ゲームだけが悪い”って意見に関しても懐疑的な私でさえ違和感を覚える。そういうスタンスならば胸を張ってバンバン暴力的なシーンを入れればいいのに、そこには一切触れないなんともズルい作り。パラセイリングやゴルフといった、ゲーム本編とはあまり関係ないシーンばかりがグランド・セフト・オートから使用されているってのも卑怯だなぁと。
まぁ、結局のところは「もっとゲームをやろう!もっとゲームを買おう!」っていう業界のプロパガンダ映画でしかなかった本作。特定の作品に付いてくるメイキング映像や宣材であれば不満もないんですけど、建前かも知れませんが一応ゲーム史を取り扱うドキュメンタリー映画として作られている作品なので、ちょいと厳しめの評価を。
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