2014年 アメリカ映画 101分 アドベンチャー 採点★★★
誰も知らないってのをいいことに、結構みなさん自分の過去についてついつい美化して語りがちですよねぇ。「オレも昔はそれなりにワルだったんだぞぅ」とか「オレも昔はそれなりに遊んでたんだぞぅ」とか、巷のお父さん方の話を真に受けると、皆さん揃いも揃って昔はそれなりにワルくて遊んでたってことになりますし。まぁ、私もそんな与太話を子供らによく話しているんですけど、「やったなぁ、東京ドーム2デイズ」とか「ドラフト一位を蹴っちゃったんだよねぇ」とか与太にも程がある話ばっかしてるんで、たまに本当の武勇伝を話しても誰も信じず。というか、“お父さんの話は全部テキトー”って認識なので、基本的に誰も何も聞いちゃいないし。
【ストーリー】
数々の偉業が伝説化して語られていた勇者ヘラクレス。そんな彼と仲間たちに、莫大な報奨金と引き換えに反乱軍から国を守ってほしいとの依頼がトラキア国より舞い込む。ヘラクレスらは寄せ集めの兵士たちを鍛え上げ見事反乱軍に勝利するのであったが、トラキアの国王コテュスには別の企みがあり…。
『ペントハウス』のブレット・ラトナーによる、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスの人間としての側面を描いたアクションアドベンチャー。
ヘラクレスの活躍を描いた作品は数あれど、偉業が誇張され伝説化した“虚像ヘラクレス”ってのを描いているのがちょいと新鮮な本作。ヘラクレスが戦ってきた神話上の怪物らの正体が明かされていく様も、なかなか興味深い。ただまぁ、別にその虚像を巧みに利用したチーム・ヘラクレスのしたたかさを強調するわけでもなければストーリー上重要な意味を成しているわけでもなく、結局は常人離れした筋力を誇るヘラクレスがその筋肉に物を言わせて全てを解決する、至って普通の筋肉映画に。また、物語を滞りなく展開させる術には長けてるが、絵的に個性や工夫が感じられないブレット・ラトナーらしさが、この“普通”って以外に言いようのない仕上がりに拍車を。だったらもう、ヒドラやらケルベロスやら神話上の怪物を筋肉でぶちのめす、普通の筋肉ファンタジーにしてくれればもうちょっと楽しめたのに。
とは言っても、約束通りの展開の中を筋肉が大暴れする、何か全体的に茶色っぽい筋肉映画ってのも久しぶりであったので、なにも考えたくない時にサクっと楽しむ分には文句ない一本だったかなと。
ヘラクレスに扮するのは、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』のドウェイン・ジョンソン。もう、ヘラクレス役を探している時にまず真っ先に名前が挙がりそうなロック殿下がヘラクレスを演じてるんだから、文句があるわけもなし。っていうか、なんで今までやってなかったのかが不思議なくらい当たり前な似合いっぷり。半裸で茶色っぽい筋肉をムキムキさせて大暴れする殿下の姿を久しぶりに見れるってのが、本作最大の喜びポイントかと。
ドドーンと構えるロック殿下の存在感に隠れてしまいがちではありましたけど、脇を固める役者陣もなかなかの顔ぶれが揃っていた本作。『スノーホワイト』のイアン・マクシェーンや史劇でよく見る気がする『ROCK YOU! [ロック・ユー!]』のルーファス・シーウェル、アクションのキレが見事だった『ヘンゼル&グレーテル』のイングリッド・ボルゾ・ベルダルに、こういう狂犬キャラは個人的にツボな『30アサルト 英国特殊部隊』のアクセル・ヘニーらチーム・ヘラクレスの面々を筆頭に、『インモータルズ -神々の戦い-』ではゼウスだったジョン・ハート、『DATSUGOKU -脱獄-』のジョセフ・ファインズ、『トゥモロー・ワールド』のピーター・ミュランといった、結構贅沢なキャスティング。
因みにお目当てだった『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソンは、美人ってよりはなんか可愛かったなぁと。
だいたいずっとこんな感じ
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