2014年 アメリカ/カナダ映画 100分 ホラー 採点★★
ジョン・ウェイン・ゲイシーがそのイメージを定着させたとか、それにインスパイアされた『IT/イット』のペニーワイズが決定打だとかも言われてますが、そもそもそれ以前にピエロは怖いと思うんですよねぇ。素性が分からなくなったしまうメイクもさることながら、その過剰なコミカルさに漂う「仕事だから…」感に闇を感じるというか。真顔の時のコメディアンに感じる怖さってのも、これなんですかねぇ。
【ストーリー】
息子の誕生日の為に依頼していたピエロが急遽来れなくなってしまった一報を受けた父親のケントは、仕事先のリフォーム現場の住宅で見つけた古いピエロの衣装を着てパーティに参加。しかし、いざその衣装を脱ごうとすると、身体と一体化してしまい脱ぐことが出来ない。しかもその衣装には伝説的な悪魔の呪いがかけられており、ケントは徐々に悪魔に支配されていく…。
ジョン・ワッツとクリストファー・フォードによるフェイク予告編を気に入ったイーライ・ロスが、直々にプロデュースし長編化したピエロ・ホラー。TV畑のアンディ・パワーズを主演に、量産型ダイアン・クルーガーっぽいローラ・アレンや、『ヘンゼル&グレーテル』のピーター・ストーメアらが共演。
“ピエロの衣装が脱げなくてまぁ大変!→怪物へ”という、1分少々のフェイク予告編ならではの勢いオンリーのネタを、フザケに走り過ぎず意外と手堅くまとめ上げた本作。衣装の由来や、暗黒パッチ・アダムスみたいな前所有者の陰惨な過去、家族に突きつけられる選択など、長編化への肉付けも意外と真面目な方向で思いのほか楽しめた一本でも。
ただまぁ、この“意外と”っていう突飛な設定と内容との高低差に頼りすぎちゃったかなぁって印象も。“5人の子供の命で解ける呪い”、“既に4人の子供を食ってる主人公”、“幼い長男の他にもう一人身篭っている妻”といったその辺の設定をもっと活かせたら、どっちに転んでも強烈に後味の悪い結末を迎える、しばらくは記憶に残り続ける作品になったのかも。“自分の子供を救う為に必要な他人の子供の命”ってのと、“夫を救う為に必要な他人の子供の命”ってのでは突き付けられる選択の悩み具合が全く異なってくる、その辺をもっと掘り下げれればなぁと。
デザインはともかく、こんだけ引っ張っても取れないってのはヅラとして優秀
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