2015年05月30日

“怒りのデス・ロード”ってサブタイトルはイカしてると思いますけど…

親の贔屓目ってのを差っ引いても、うちの長男は小学生にしては結構なレベルのスネアドラムを叩きやがる。アホのくせに巧い。で、かねてから長男を『デトロイト・ロック・シティ』のエドワード・ファーロングみたいな奴に育て上げようって計画を立ててたんで、そろそろ次のステップの弦楽器に進ませようかとギターを購入。どうせなら遊びながら学べるようにとPS3の“ロックスミス”も一緒に購入。まぁ、自分の方が久々のギターに夢中になり過ぎちゃって、長男は楽しそうにギター弾くお父さんをポケーっと口を開けて眺めてるだけなんですけどね。

その“音楽”ついでに思い出したんですけど、先日映画館で初めて『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の日本版予告編を観たんですが、以前からyoutubeで観ていたオリジナル版を何か印象が違う。使われてるシーンも大体の構成も一緒なのに、何かが違う。なんだろうと思ったら、使われてる曲が違う。
オリジナル版はご用達曲の代表格ヴェルディのレイクエムやら、劇中で使用されてるのかどうか不明ですがそれっぽい曲まで、ネジのぶっ飛んだ世界感を際立たせる狂宴のオペラ感がピッタリ。ところが日本版は、ロックショー的というかなんかこう安っぽい。正直、改造マシンとモヒカンが暴れまわる世紀末の荒野のイメージではなし。せっかく“怒りのデス・ロード”っていうイカしたサブタイトルがついてるのに、なんかもう台無し。
まぁ、大人の事情のタイアップかなんかで日本版オリジナルイメージ曲が使われるのは今に始まったことではないんですが、せめて作品の雰囲気に寄せて欲しいなぁと。そんなことをしないのも、今に始まったことではないんですけど。今回の吹替版も相変わらず大惨事の予感しかしないですし。
ちょいとボヤいたついでに、予告編をペタリとしておしまいー。

【Mad Max: Fury Road - Official Theatrical Teaser Trailer】


【Mad Max: Fury Road - Official Main Trailer】


【映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』日本版予告編】


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2015年05月28日

ラン・オールナイト (Run All Night)

監督 ジャウマ・コレット=セラ 主演 リーアム・ニーソン
2015年 アメリカ映画 114分 アクション 採点★★★

“不明”“直行”とハッタリ満載の内容とは裏腹に、タイトルだけは直球のジャウマ&リーアムの作品。「逆に、捻ってないのが良くネ?」って感じなんですか?
で、今回のタイトルはというと“一晩中走る”。やっぱり直球だ。この調子で行くと、次あたりは“一日中怒る”とかになるんでしょうかねぇ?ハルクをリメイクなんかしちゃったら、“怒る緑”とかにしちゃうんですかねぇ?あ、“怒りん坊の緑さん”にするとなんか韓国映画みたい。

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【ストーリー】
ブルックリンを牛耳るアイリッシュマフィアのボス、ショーンの下で数々の殺しを請け負ってきたジミーは、今では過去の罪に苛まれ酒浸りの日々を送っていた。そんなある夜、ショーンの息子ダニーが犯した殺人現場をジミーの絶縁状態にある息子マイクが目撃してしまう。状況を収めるためにマイクのもとへ向かったジミーだったが、そこで口封じにやって来たダニーをとっさに殺してしまい…。

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アンノウン』『フライト・ゲーム』に続いて三度目のタッグとなる、ジャウマ・コレット=セラ監督&リーアム・ニーソン主演によるクライムアクション。
自分のバカ息子が全ての原因とはいえ、一人息子を殺され復讐を誓うマフィアのボスのショーン。そして、存在そのものを否定され拒まれ続けながらも、命を狙われた息子を全力で守る老殺し屋のジミー。かつては互いの命を預けあうまでの関係であった二人の父親が、壮絶な殺し合いを果たさなければならなくなる様を描く重厚なドラマが見所の本作。そこに家族の再生や贖罪ってテーマも絡めた本作を、ドッシリと腰の据わった演出で描いていれば素晴らしいギャング映画になる…はずだったのに
無理のある設定をハッタリ満載の演出でウヤムヤにする手腕には長けたジャウマ・コレット=セラであるが、今回はそんなハッタリが全く必要のないドッシリと芯の通った物語。なのに、相変わらずの仰々しさで描いてしまう。結果、役立たずに見えたが実はすげぇ強いというリーアムの格好良さばかりが際立ってしまい、“血よりも重いマフィアの絆”やらホームだった場所がアウェイとなってしまう“地元感”の全くしない、ただのリーアムアクションに。終盤のパブのシーンにポーグスが流れてるのに気付くまで、すっかりとアイリッシュってのを忘れてましたし。まるでホラー映画かのようなオドロオドロシイ音楽も完全にミスマッチ。てか、老マフィアの重厚なドラマになんでジャンキー・XL?これも「逆に良くね?」ってやつなんですかい?

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まぁ、そんな演出のミスマッチさには不満があった作品ではありましたけど、キャストの持つイメージをそのまま上手に用いることにも長けたジャウマらしさを楽しめる一面も。
特に『96時間/レクイエム』のリーアム・ニーソンの、基本薄汚れていながらも展開によりスイッチを切替えながら最終的にはいつもの“絶対的に強い怒る男”になる安心感はさすが。鑑賞前に期待している“見たいリーアム”ってのを、多少の変化球を交えながらも見せてくれたって意味では★ひとつオマケ分の価値があるのかと。
また、冷酷さと揺るぎなさを誇りながらも奥深くの葛藤をも表現した『崖っぷちの男』のエド・ハリスも絶品。これもまた、“エド・ハリスにはこうあって欲しい”という事前の期待がそのままで出てくるという嬉しさが。リーアムとのラストカット、もうこれしか道はないってのを悟りきってるのがビシビシ伝わる痺れるシーンなんて、もうエド・ハリスの独壇場みたいでしたし。
その他、なんかブライアン・デネヒーみたいになってた『クロッシング』のヴィンセント・ドノフリオや、「この兄弟の入院中の母親って何歳なのよ?」と別の意味で驚かされた『Mr.ズーキーパーの婚活動物園』のニック・ノルティ、横顔がリーアムと似ていなくもない『ロボコップ』のジョエル・キナマンに、なんかカルキン家に混じってそうな雰囲気もあった『ゴーン・ガール』のボイド・ホルブルックら、なかなか見応えのあるキャスティングが光ってた一本でも。

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自分の中に似ている部分を見つけちゃうからますます嫌いになる

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2015年05月26日

チャッピー (Chappie)

監督 ニール・ブロムカンプ 主演 シャールト・コプリー
2015年 アメリカ/メキシコ/南アフリカ映画 120分 SF 採点★★★★

「こんな環境じゃ、やる気も出ねぇ!」と不平不満を漏らす方っていますよねぇ。私も“やれと言われるとやりたくない”って性質なので分からなくもないですし、子供なんかにとっては状況や環境ってのは大切なんだろうなぁと。ただ、大人はある程度自分をコントロール出来るんだから、そんなやらないで済む理由をウダウダ探してないで、まず“やれ”。“やる”と自分で決めろ。

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【ストーリー】
2016年。凶悪犯罪が多発する南アフリカのヨハネスブルグでは、軍事企業テトラバール社が開発した警官ロボットが導入され一定の成果を挙げていた。その警官ロボットの開発者の一人であるディオンは画期的なAI(人工知能)を開発し廃棄されたロボットに搭載するも、ギャングにロボットもろとも誘拐されてしまう。ギャングはそのロボットを“チャッピー”と名付け犯罪の手助けに使おうとするも、チャッピーの知能はまだ赤子程度で…。

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第9地区』のニール・ブロムカンプによる、赤子のロボコップをギャングが育てるっていう奇抜な設定が光るSFアクション。
犯罪者を生み出すのは貧困などの劣悪な環境なのか?それとも、その環境に置かれていても正しい導きがあれば正しい人間になるのか?
そんなアパルトヘイトの下で迫害されてきた黒人層のみならず、近年白人の貧困層が拡大しそれがまた犯罪の温床となっている南アフリカの社会問題を見つめた、非常にブロムカンプらしいテーマで描かれる本作。そして、その実験台となるのが赤ん坊同様まっさらな状態からスタートし、接し方や教育、環境や境遇によって性格や性質が形成されていくロボット“チャッピー”。僅か数日の寿命しかないチャッピーが周囲のエゴや思惑に振り回され、見た目の違いから迫害され、騙され、そして愛されながら急成長をしていく様を時にユーモラスに、時にエモーショナルに描く。“父”の教えに則り悪ぶってみたり、“創造主”からの絵本のプレゼントに子供のように喜んだり、その絵本の持つ本当の意味を“母”に教わる様には大いに笑わされ、知らぬうちに涙腺を緩まされ、そして“人間とは?”という大きな疑問が目の前にぶら下がってくる、めまぐるしいまでの展開に振り回され心を鷲づかみにする圧巻のストーリーテリングに驚かされる。

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ここから先は大いにネタバレするのでご注意を。警告しましたからね!
ただこの作品、終盤にとんでもない展開へと突き進む。
僅かしかない寿命の中で芽生える人間性や葛藤といえば『ブレードランナー』のバッティが浮かぶのだが、本作はその影響を強く受けながらも全く違う展開を見せる。生命は限りあるからこそ美しく尊いということを理解したバッティだが、チャッピーは違う。「意識をコピーすればいいじゃん!」ってなる。元々ロボットである自分だけならまだしも、瀕死の創造主や最愛の“母”に対しても同様に「コピーすれば皆ずーっと生きれる!」ってなる。これには驚いた
ネタ元のひとつであろう『ロボコップ』にも、瀕死の相棒に対しロボコップが「大丈夫!オレのように直してくれる!」って台詞があるが、あれは強烈な皮肉であった。ただ、チャッピーのそれには皮肉が全く感じられない。チャッピーの健気さや愛くるしさに多少誤魔化されているのかも知れないが、機械の身体となり生きながらえるのがハッピーエンドのような描き方なのだ。私自身“人間を人間たらしめてるのは意識”と考えてる方なので、それが結果機械であろうが否定はしないんですけど、本作の“肉体は意識を収納する器でしかない”っていうドライさにはちょっと驚いた。「なんだい?これはデヴィッド・クローネンバーグの映画なのかい?」と。ただ、クローネンバーグの場合は“不完全な肉体を別の物質と融合することで補完する”という考えを医者的な鋭利さと粘膜質な描写で描くのに対し、ブロムカンプのそれはボルト&ナットの工学的なドライさという違いはありましたけど。
虫けらにしか見ていなかった異星人と同化する『第9地区』にあった皮肉がなくなり、ごく当たり前かのように白でも黒でもないまるで別のものに変化する本作の結末に、「あぁ、この監督は今の人間の形ってのに限界を感じてるのかなぁ…」と考えさせられた一本。宗教上の理由からAIを否定するライバルがとことんゲスに描かれているところからも、そんなことを推察させられましたし。
それにしても、最近お気楽な娯楽作しか観ていなかっただけに、既存の宗教や倫理観に全く縛られない進化の形を見せてくれる、こんな考えさせられる娯楽作は久しぶりで嬉しい限りで。

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非常に人間らしい感情を持ちながらも、寿命に関しては葛藤ほどほどに人間離れした前向きさを見せたチャッピーの声と動きを担当したのは、『オープン・グレイヴ 感染』のシャールト・コプリー。彼自身の姿を思い描いちゃうとちょっとアレですが、身のこなしのみならず細かな部品の動きで感情を表現するチャッピーが捨てられた子犬みたいでなんとも可愛い。同じ性能と同じプログラムで動いてるにもかかわらず、なぜかこいつだけいっつも壊れるって時点で愛される気まんまんですし。えぇ、もうそこから愛してましたよ。
その他、『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテルや、『リアル・スティール』同様ロボットは自分で操縦しないと気が済まない『X-MEN:フューチャー&パスト』のヒュー・ジャックマン、『キャビン』のシガーニー・ウィーヴァーといった大物がキャスティングされているが、やはり一番目を奪われたのがチャッピーの“父と母”に扮したニンジャとヨ=ランディ・ヴィッサーの二人で。
この作品を観るまではその存在を知らなかったんですが、南アフリカの貧困白人層のアイコン的なラップグループ“ダイ・アントワード”のラッパーの二人だとか。役名はそのままだし劇中には彼らの楽曲ばかり流れてるんで一種のキワモノ的扱いかと思いきや、チャッピーに会うや否や瞬く間に母性を発揮し“母”となるヨーランディに対し、“父”としての自覚をとことん持たず一家の危機になってようやく“父”となる手裏剣使いのニンジャという、母性と父性、男と女の違いを長編映画初出演とは思えぬ仕事っぷりで見事に表現。演技力どうのこうのと言うよりもこれが当人たちのパブリックイメージなんでしょうが、世界的に見ても自分の子供を預けるのに最も躊躇するタイプの人種に子育てをさせてみるって狙いがあるって意味では、これは最もハマるキャスティングであるし、当人たちも存分にそれに全力で応えたって感じで。

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最後にこの問題にちょっとは触れたほうがいいんでしょうねぇ。“日本版だけ修正”って問題に。
私自身はほとんど関心がなかったのですが、一部では修正が入ったことに大きな不満の声が上がったとか。たぶんED‐209的なヤツがある人物の胴体をちょん切るシーンがそれだと思うんですけど、確かに胴体を挟んだかなぁと思ったら、よく分からないうちに地べたにモツをはみ出させた下半身が転がってるシーンは不自然。でも、そんなに騒ぐことかなぁ?
敵キャラの潜在的残虐性を表していたのだとしても、ちょっとしたサービスショットでしかなかったとしても作り手が意図していた当初の完全版じゃないものを観させられるのは個人的に不満はありますが、もうそんなこと今更始まったことではないんですよねぇ。ホラー映画が劇場でバンバンやってた頃でさえゴアシーンになるとネガが反転したりごっそりカットされてたり、エロいシーンになると巨大なマリモがスクリーン上を右往左往する国なんですよ、もともとココは。そもそも、レイティングや上映時間とのせめぎ合いで本国上映版も作り手の目指す完全版じゃないケースが多いですし。あ、「完成したものがオレのディレクターズ・カット版だ!」と常にシビれるセリフを吐いてるジョン・カーペンターは違いますけど。
まぁ、ビクビクし過ぎて自主規制ばっかしている上に、今回は事前に配給会社が直々に「修正してますよー」と公表しちゃう、全方位に気を遣い過ぎた過剰な自己防衛姿勢が問題の発端なので「清廉ぶってないでもっとヤンチャになれ!」と配給会社の方々には申したいところで。

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やっぱりパパよりママなんだよなぁ

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2015年05月24日

【予告編】アダム・サンドラー “ピクセル”予告編第二弾

地球情報満載にして宇宙の彼方へと向かった無人探査船を見つけた宇宙人が、何をトチ狂ったのかレトロゲームのドットキャラになって地球侵略にやって来るという、カール・セーガンが生きてたらきっと楽しんでくれるに違いない、『子連れじゃダメかしら?』のアダム・サンドラー主演によるSFコメディ『ピクセル』の最新予告編をペタリと。

とりあえず軍では歯が立たない侵略者と対峙する為に往年のゲームチャンピオンが集まるってのと、スマーフとQバートが出てくるってのと、クライマックスっぽいステージがドンキーコングで、それがよりによってアダム・サンドラー扮するパックマンのチャンピオンが唯一苦手にしているゲームだってことが分かってきた今回の予告編。
ただ、相変わらずクレジットに名前があるショーン・ビーンの姿は見れず。ホントに出てんのかなぁ?
もしかして今回のショーンはベテラン軍人とかの役で、「ゲームのキャラなんぞ俺様の相手じゃねぇぜ!」とかやれそうな雰囲気満載で登場するもあっという間に死んじゃう、死ぬことで笑いを取る“散り際芸人”冥利に尽きる役柄なんでしょうかねぇ?出るや否や死ぬ、正味2分くらいの登場時間で、ある意味ネタバレになっちゃうから予告編には出ないのかなぁ?だったら良いなぁ。

【PIXELS - Official Trailer #2】


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2015年05月22日

96時間/レクイエム (Taken 3)

監督 オリヴィエ・メガトン 主演 リーアム・ニーソン
2014年 フランス映画 115分 アクション 採点★★★

メイキング映像ってDVDやブルーレイで映画を観る際のお楽しみのひとつなんですけど、どうも最近の物ってイマイチ面白くないんですよねぇ。だいたい背景が緑色。いっつも緑色。最初の頃こそ「へぇ〜。こうやって映像が出来上がるんだ!」って面白さがありましたけど、今じゃもう「こんなシーンまでやる必要ある?」と、別の意味での驚きしか。そういった点では、「ハリウッドみたいな映画を撮りたい!」っていうのが映画製作の原動力の一つでもあるベッソン映画の方が、そのスタイルも含めて本場以上に本場っぽくなってきたなぁとも。

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【ストーリー】
元CIA秘密工作員のブライアン・ミルズの元妻レノーアが、ブライアンの自宅で何者かによって殺害される。容疑者として追われる身となったブライアンは真犯人探しに奔走するが…。

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リーアム・ニーソンを一躍アクションスターにした、怒髪天パパアクション『96時間』の第三弾。『96時間/リベンジ』から引き続き製作/脚本にリュック・ベッソン、監督にオリヴィエ・メガトンが。
妻殺しの容疑を着せられた凄腕とそれを追う切れ者捜査官”という、前の晩に『逃亡者』と『追跡者』を観ちゃったかのようなプロットに、フランス→インドを経て三作目にしてアメリカ上陸を果たした“ジェイソン・ボーン”シリーズと同様の舞台変移を見せる、もう何がしたいのか丸分かりなベッソニズム溢れる本作。この好きなものに対し中学男子的愛情を素直に見せるベッソンの姿勢ってのは、やっぱり嫌いになれず。
逃亡者になったとはいえ力の面でも頭脳の面でも誰一人主人公に敵わない上に、数少ない弱点でもあった守るべき人物の存在も一人が早々に死んじゃってるのでサスペンスはさっぱり盛り上がらない本作。主人公が無敵なので周囲に迷惑が掛かる、ある種の災害映画のようでも。また、毎度誰かが誘拐されるのもアレだと思ったのか目先を変えたはいいが、事件の背景がスケールアップしているようで実はこじんまりとしている、ちょっと無理して作った感も強い。
しかしながら、今まで追い回していただけの部分に“逃亡”って要素を加えたり、無敵の主人公に並べるキャラクターを置いたりする工夫を施しているので、ちょいと一味違う作品として楽しめるのも確か。その一方で無駄に風呂敷を広げないストイックなアクション映画としても完成されているので、後々まで記憶に残るような作品ではないが、いつどんな状況で観ても気楽に楽しめる、テレ東映画番組の目玉作品にうってつけの一本に。

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愛娘を誘拐された場合と最愛の元妻が殺害された場合での怒り具合がほとんど変わらない、てことは常に怒りマックスのハルクのような主人公ブライアン役には、もちろん『フライト・ゲーム』のリーアム・ニーソンが。このシリーズで彼のアクション俳優像が完成されてる分、他の作品を観ても受ける印象は大体一緒なんですけど、アクションスターとしてはこの“大体一緒”ってのが案外重要。ヒーローに求めるのは“意外性”じゃなくて“安心感”だったりしますし。
その安心印のリーアムを筆頭に、なんかふっくらしてたマギー・グレイスや、早々に退場しちゃうのでお楽しみの結構な部分が失われちゃってもいたファムケ・ヤンセンなどレギュラー陣ももちろん登場。
ただ、本作に独特の個性付けをしていたのは切れ者捜査官に扮した、『ケープタウン』のフォレスト・ウィテカーなのでは。デンゼル・ワシントンあたりが演じていればあからさまな知性派捜査官になりそうなところを、見た目温厚で微妙にトロそうなフォレスト・ウィテカーが演じたからこそ、どこかコロンボにも似た、したたかで抜け目なくジワジワと真相に近づいていく、これまで好敵手らしい好敵手が存在していなかったシリーズに初めてブライアンに匹敵するキャラクターを生み出すことが出来たのでは。この二人の組み合わせが非常に良かったなぁと。
その他、元嫁の旦那が急にフッサフサになってたので「なんだい?ヨリ戻さないでまた別のと再婚したのかい?」とちょっと混乱した『ヒットマン』のダグレイ・スコットや、邪悪なスポックみたいだったサム・スプルエル、シリーズを通してゴルフかバーベキューばっかやってるイメージがあったが、今回は思いのほか出番と活躍が多かったリーランド・オーサーらがキャスティング。この“チーム・ミルズ”が結構活躍するってのも、本作で嬉しかったポイントでもありましたねぇ。

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次は孫か?

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2015年05月21日

クレイジー・ドライブ (Stretch)

監督 ジョー・カーナハン 主演 パトリック・ウィルソン
2014年 アメリカ映画 94分 コメディ 採点★★★

なんか変な本を読んじゃったんでしょうけど、「習慣を変えれば人生が変わる!」と目をキラッキラさせて熱弁を振るう人っていますよねぇ。まぁそうなんでしょうし、それを達成するには結構な努力が必要なのも理解もできるんですが、そう言ってくる人全般がなんか気持ち悪くてヤダ。「絶対儲かるよ!」と言われてるのと似た気持ち悪さがヤダ。つうか、努力する/しないは自分で決めるので放っておいてくだされ。

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【ストーリー】
失恋から立ち直れない上にギャンブルの借金を抱え人生ドン詰まりにいる、リムジンドライバーのストレッチ。そんな彼に、億万長者だが度を越した変人であるカロスからの仕事依頼が入る。早急に現金が必要なストレッチはその仕事を請けるが、カロスの要求に応えてるうちにFBIに追われる羽目になり…。

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特攻野郎Aチーム THE MOVIE』のジョー・カーナハンが製作/脚本/監督を務めたコメディスリラー。500万ドルの予算と21日間の撮影期間でちゃっちゃと撮り上げた感伝わる、非常にスピーディな展開が魅力の一本。
どん底にある現状を打破しなければならないのは分かっているが、その為の一歩を踏み出せないでいる主人公がエキセントリックな人物に出会うことで人生を変えていくという、まぁ内容的には脚本家が好みそうなよくある本作。ただ、先に挙げた展開の目まぐるしさや意外なゲストスター勢、まるでトワイライトゾーンに迷い込んだかのようなハリウッドのアンダーグランドカルチャーなど見せ場がたっぷりあるので、脚本家の独りよがりな小品に収まらない、存分に楽しめるエンタメ作品に仕上がってるのが嬉しい。レイ・リオッタが映画での代表作のないデヴィッド・ハッセルホフに知名度で負けてることを嘆いたり、撮影スタッフにレイ・リオッタが微妙に嫌われてたりと、リオッタいじりも楽しかったですし。
それにしても、某大手映画データサイトにタイトルも載らず、レンタル店の片隅でプライムウェーブ作品らと一緒くたにされひっそり置かれていた本作。以前動画サイトで予告編を観て「面白そう!」と頭の片隅に入れてたんで見つけられたものの、何の情報もなければなかなか手に取られないぞんざいな扱いがあまりに惜しい。確かに日本ではメジャーじゃない(というか売るのを怠ってた)主演スターの小品を売るのは難しいんでしょうけど、それが仕事だろうと。そもそも、すでに名の売れているスターに頼りきりで、これから出てくるであろう人材の認知度を高める努力を怠ってたら、今後の映画興行が先細りする一方でしょうに。

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主人公のストレッチに扮したのは、『死霊館』『プロメテウス』のパトリック・ウィルソン。満面の笑顔であってもそれが本心に思えない、どこか冷たく性根の悪そうな役柄が似合う役者ではあるんですが、今回はそれとはちょっと違うパトリックを堪能。人生や社会に諦め切った冷たさこそあれど、あれこれだらしない上に追い詰められると必死になる、あまり見ることがなかったパトリックを見れたのが収穫だった一本で。
その他、『ハッピーニート おちこぼれ兄弟の小さな奇跡』のエド・ヘルムスや、“メガネを取ると美人”という古典的キャラに扮した『マチェーテ・キルズ』のジェシカ・アルバ、メインキャラなのにノークレジットに驚かされたが、やっぱりヒーローよりは悪役の方が似合うアンストッパブル』のクリス・パインに、最後の最後まで誰だか分からなかったエクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のランディ・クートゥアなど、なかなか贅沢なキャスティングも魅力。
また、『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』のレイ・リオッタや、『パンドラム』のノーマン・リーダス、出てくるや否や場面を全てホフ色に染めるピラニア リターンズ』のデヴィッド・ハッセルホフらが本人役で登場するのも楽しめた本作。考えてみると、ハッセルホフがゲストで出る映画って概ね面白い映画ばかりなんだなぁ。

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もう本人役専門俳優ですねぇ、ハッセルホフとチャック・ノリスは

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2015年05月20日

96時間/リベンジ (Taken 2)

監督 オリヴィエ・メガトン 主演 リーアム・ニーソン
2012年 フランス映画 98分 アクション 採点★★★

英語が話せて楽器も弾け、時折料理を振る舞い容姿にも一応気を遣ってはいる。概ねその全てに措いて“そこそこ”ではあるんですけど、自分で言うのもアレですが、子供らにとって多少は級友に自慢できる父親の要素はあるんじゃないかと。友人に元スパイもいますし。なもんで、子供らに「お父さんのどこがスゲェ?」と直接聞いてみると、小学生の長男はろくに考えもせず「ゲームがつえぇ!」と即答。ま、この子はアホだからしょうがないと中学生の長女に聞いてみるも、やはり「ゲームがつえぇ!」と。ま、この子もアホだからと5歳の末っ子に聞くと、「いっつもふざけてる!」とのこと。どうやら子供らにとって私は、“ゲームがつえぇ変なオジサン”のようです。

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【ストーリー】
元CIA特殊工作員のブライアン・ミルズは元妻レノーアとの復縁を願い、仕事先のイスタンブールにレノーアと娘のキムを招く。束の間の一家団欒を楽しむブライアンであったが、謎の集団に襲撃されレノーアと共に拉致されてしまう。彼らは2年前にブライアンによって殺された人身売買組織のメンバーの家族で…。

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リーアム・ニーソン版セガール映画の傑作『96時間』の続編。前回同様リュック・ベッソンの走り書きをお抱えであるロバート・マーク・ケイメンが脚本化し、『コロンビアーナ』のオリヴィエ・メガトンが映像化した怒髪天パパアクション。あ、今回は娘も活躍するんで怒髪天父娘アクションか。
“アクション映画内で無造作に殺されていく悪役にも家族がいるんだ”という、当たり前のことながらも普段は全く気にしない所に着目した、その着眼点が面白い本作。ただ、そこから復讐の不毛さや負の連鎖をしっかり描くのかと思いきや、「うるせぇ!被害者にも家族がいんだよ!てか、オレの家族に手を出したな!」とこれまた当たり前の意見でお返しするので、概ねプラマイゼロの一般的なアクションに。お返しの方が何十倍も苛烈ではありますが、まぁ育て方を間違ったってことで。
観光地であっても一歩道を間違えれば街が裏の顔をむき出しにするってのがミソのシリーズではあるんですけど、今回は異国情緒あふれるイスタンブールながらもその土地柄がグイグイ前へ出てくるほどには活かされておらず、“知らない土地で怖い目に遭う”ってスリルは薄まってた印象が少々残念でも。
まぁ、その分続編ってこともあり手の内隠さず暴れまわるリーアム・ニーソンのアクションが、色っぽい元嫁が拉致されて怒り度合いが倍増してるってこともあってスケールアップしているので、十分楽しめる一本に仕上がっている。

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いつの間にやらアクション俳優の代表格の一人となった、『荒野はつらいよ 〜アリゾナより愛をこめて〜』のリーアム・ニーソン。今回も笑顔は序盤のみで、あとはずーっと怒りっぱなしのブライアンを好演。常に準備を怠らず、時間に正確で結構執念深く行動に一切の無駄がないブライアン役には、でかい図体に知性的な顔が乗っかったリーアムはまさに適役。
ただ、アクション部にばかり目が行きがちだが、案外見所はそれ以外の素のブライアンだったりも。都合良く元嫁の旦那がクズに設定変更されたので「ヨリ戻せんじゃね?」とソワソワワクワクしてみたり、娘に彼氏が出来たってんでハラハライライラしてみたりと、“父親映画”としての一面が面白い。
特に娘の彼氏絡みの部分が絶品。何気に本気レベルの身辺調査を行ったりするのはもう当然で、「パパァ。この人は撃たないでよ〜」って娘の冗談に彼氏と一緒に笑ってはいますが、あながちそれも無くはないんだろうなぁと。で、後に嘘発見器とかにかけられたりするんだろうなぁと。彼氏ご愁傷さまだなぁと、父親と彼氏双方の視点で楽しめるシークエンスが豊富で。
そんなリーアム・ニーソンを筆頭に、別に何もしていないのに出てくると妙に場面がエロくなるX-MEN:フューチャー&パスト』のファムケ・ヤンセンや、今回は出ずっぱりじゃない分イライラ度が少なかった『ロックアウト』のマギー・グレイス、東欧っぽさを出すために重宝されている感もある『ザ・シューター/極大射程』のラデ・シェルベッジア、チャーリー・シーンと一緒にいるイメージが個人的には強いD・B・スウィーニーらがキャスティング。

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特技が“追跡と殺し”ってパパのホームドラマ

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2015年05月18日

ジョン・テイラー/アイ・ドゥ・ホワット・アイ・ドゥ (John Taylor / I Do What I Do)

古いところだと『エマニエル夫人』なんかがそうだったんですけど、“女性向けポルノ”というか、性に関するセンセーショナルをウリにした作品ってのが10年に一本位のペースで出てきますよねぇ。如何せん観ていないので内容に関しては何も言えないんですけど、この間の『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』なんかもその一本なのかなと。
私の世代でそれにあたるのが、見るからにエロそうなミッキー・ロークとキム・ベイシンガーが素肌に氷を押し付けて「キャッキャッ!」とする、私だったら「冷てっ!なにしやがんだ!」と激怒しそうなプレイが印象的な『ナインハーフ』なんでしょうねぇ。まぁ、これも観ていないので内容に関してこれ以上言及出来ないんですけどね。

そのテーマ曲となったのが、別ユニットでの活動やらメンバーの脱退騒動やらで空中分解の危機にあった、デュラン・デュランのジョン・テイラー初のソロ曲ってんで話題を集めたコレ。見るからに女好きそうなジョンが、エロいサウンドをバックに念仏を唱えてるかのような珍妙な一曲ではあるんですけど、写真集を買ってしまうほどのジョン好きだった私は、ジョンの顔がアップになった12インチシングルをもちろん購入。「ジョンみたいになれたらなぁ…」と日々聴きこんでいましたが、当然ジョンには1ミリとも近づけず。まぁ、確実にエロくはなれましたけどね。

【John Taylor / I Do What I Do】


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2015年05月15日

俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク (Anchorman 2: The Legend Continues)

監督 アダム・マッケイ 主演 ウィル・フェレル
2013年 アメリカ映画 113分 コメディ 採点★★★

近頃じゃ地上波であっても何かしらの番組がほぼ24時間放送されてるんですけど、全放送が終わった後の試験電波の時間帯が案外好きな私。カラーバーかどっかの定点カメラの映像をバックに音楽が流れてるアレ。特にここらは田舎なもんでそんな時間帯は物音ひとつしない、まるで全世界の人が寝静まった若しくは居なくなってしまい自分が一人ぼっちになったかの感覚に浸る中、テレビから流れる音楽がどこか遠くにある放送局の暗いブースの中に、少なくても自分のほかにもう一人は起きているのかもと想像させてくれる、そんな時間が好きなんですよねぇ。

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【ストーリー】
サンディエゴの放送局で看板キャスターとして活躍していたロンと妻のヴェロニカ。しかし、妻がゴールデンタイムのアンカーウーマンに出世した一方で、ロンはクビを宣告されてしまう。自暴自棄となり家族も捨てたロンであったが、史上初の24時間ニュース専門チャンネルの放送局に誘われ、かつての仲間たちと共に再起を賭けニューヨークへと向かったが…。

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フェレル一人でも疲れるっていうのに、ポール・ラッドにスティーヴ・カレル、デヴィッド・ケックナーに豊富すぎるゲスト陣が笑かせにくるので、笑い疲れて最終的に無表情となってしまう俺たちニュースキャスター』の続編。製作にジャド・アパトー、監督/脚本に『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』のアダム・マッケイと前作と同じ布陣が再集結。
今回も疲れる。フェレルが話術に動きにあれこれ全力で襲ってくる片隅で常にカレルが反則ギリギリの笑いを生み出し、ポール・ラッドで一息ついたかと油断してるとケックナーにしてやられる。中盤過ぎる頃にはすっかり脱力感に浸ってるのに、リーアム・ニーソンにウィル・スミス、ジム・キャリーやらジョン・C・ライリーやらヴィンス・ヴォーンといった豪華ゲスト勢登場しお馴染みの大乱闘。「あれは誰なんだろう?」と画面の片隅に映った人を調べてみればキルステン・ダンストだったりする、もうギブアップの許されないわんこそばを食べてるかのようなお腹一杯っぷりを堪能。
キャンピングカー横転のシーンで見せるここ数年で最高のスローモーションシーンのように、全て笑わせる為だけのデタラメな作品のようでいて、シッカリとメディア凋落の様を端的に捉えてたりもするので侮れない一本に仕上がってるのは流石だなぁと。でも、やっぱり疲れる。

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主要キャストがそれぞれ好き勝手やっているようで実は絶妙なバランスを取っていたり、先に挙げたゲスト陣の他『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』のハリソン・フォードや『オー!マイ・ゴースト』のグレッグ・キニア、『宇宙人ポール』のクリステン・ウィグに『運命のボタン』のジェームズ・マースデン、『ゾンビーノ』のディラン・ベイカーといった顔ぶれが持ち味やイメージを活かした(若しくは巧みに崩した)役柄を演じる、キャスティングの業ってのが非常に利いていた本作。
キャスティング同様にその時代のカルチャーってのがもう一つの顔になってるシリーズではあるんですが、今回は多チャンネル時代の台頭って以外は、70年代から80年代へと移る瞬間ってのをあまり切り取っていなかった印象も。前時代の遺物が新時代を切り開くって趣もあっただけに、もうちょい時代臭ってのを強めても良かったのかなぁとも。
ところで、本国で公開されたバージョンやソフトのランニングタイム表記は119分。エクステンデッド版に至っては143分もあるようなんですが、私が観た日本版のソフトのランニングタイムは113分。劇場版と比べても6分も短い。「なんだい!ムキー!」と怒ろうと思ったんですけど、よく調べてみたらアメリカ・イギリス・カナダ以外で発売されてるのがこの113分バージョンのようですねぇ。じゃぁしょうがないのかと思いつつも、どうせ劇場公開なんて端からするつもりがないんだから、せめてソフトだけでも完全版で出して欲しかったなぁとも。

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小休止すらさせてもらえず

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2015年05月13日

ムカデ人間2 (The Human Centipede II (Full Sequence))

監督 トム・シックス 主演 ローレンス・R・ハーヴィー
2011年 アメリカ映画 91分 ホラー 採点★★

一時ほどの集中砲火はなくなりましたけど、いまだ青少年による凶悪犯罪が起きると「ゲームがぁ!ホラーがぁ!」と喚き立てる方々がおられますよねぇ。概ねそう言う方々ってのは、それらをチラ見した時に感じた嫌悪感のみを頼りに喚いてるだけなので、耳を傾ける価値がある意見とは思えないんですけど。ただまぁ、ホラーとゲームをこよなく愛する身としては全否定したい気もやまやまですが、そうとも言い切れない一面も。そりゃぁ、一日一歩も外に出ず誰とも接せず何十時間もゲームやホラーに興じてればおかしくもなるし、臨界点に達した精神状態であればそれらは切っ掛けにもなり得るだろうなぁと。ただ一番の問題は、そんな状況や精神状態を許し続けたり放置し続けたていた環境や社会にあるんじゃないのかと。このスイッチやツールの問題点にばかり目を向けてる状況ってのは、極端な話、殺人事件が起きるたびに包丁反対運動が起きるかのような馬鹿馬鹿しさとも言えるのでは。

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【ストーリー】
ロンドンの地下駐車場で働くちょいとアレなマーティンは、DVDを繰り返し観て関連記事を集めたスクラップブックを自作するほど映画『ムカデ人間』の大ファン。「医学的にも可能なんだから自分にも出来る!」と妙な自信が芽生えた彼は、駐車場利用者を次々と拉致。ムカデ人間の主演女優もまんまと呼び寄せ、総勢12人による大ムカデ人間を作ろうとするのだったが…。

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要は強制的にウ○コを食わせるシステムの話だった『ムカデ人間』の続編。監督/脚本はもちろんトム・シックス。
題材の割には遠慮がちだった前作から比べれば、断然好き放題やった感の強かった本作。前作の大ファンが凶行を繰り返すだけという前作に辛うじてあった物語ってのは消えうせ、ムカデ係は二桁超え。一言も台詞のないチビデブハゲの三冠王を主人公に据え、その汗と脂とあらゆる汁を画面一杯に映し出し、赤子を踏み潰し、下痢が飛ぶ。もう、生理的嫌悪感のみを叩きつけてきた野心作。
ただまぁ、相変わらず本物の変態の香りはせず。本物過ぎても確かに困りますが、なんと言うか「どうだ?オレのアンチモラルっぷりはどうだ?」とイキってるような印象。また、“前編モノクロ(パートカラー)”の“パートカラー”の部分がウ○コってのから察せられるように全力で笑かせに懸かっているようなんですけど、デヴィッド・リンチや悪趣味をこよなく愛する本物の方々が笑かせに懸かった時のような、追い詰められた末の引きつった笑いが出てくるような感覚はなく、やはり芸としてのアンチモラルが前に出ちゃってるためか、観ているこっちに浮かぶのはただただ苦笑い。なんかこう、アンチモラル芸人の先輩マリリン・マンソンのPVを観ているというか、器用な人が真似た丸尾末広風の漫画を読んでいるような感じがした一本で。

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そんな小奇麗にまとまった悪趣味って感じの作品ではありましたが、主演のローレンス・R・ハーヴィーが発するホンモノ臭さは絶品。「あ、コレ見ちゃいけない人だ…」と本能的に感じてしまう、圧倒的な存在感。
チビデブハゲという見た目逆三冠王者の風貌の中に子供の純粋さと残酷さを詰め込み、尚且つ見たまんまの悪意までも兼ね備えた、まさに本作の主人公としては最高のキャラクター。これを生み出せたって事に関しては、素直にアッパレと。
ただただ気持ちが悪いだけではなく、慣れてくると愛らしく見えてくるって一面も。
夢の大ムカデ人間作りの為にせっせと材料を集め、繋げる順番やらを「むふーむふー」と楽しそうに思案するマーティン。ただ如何せんDVDで観ただけなので頭の中での予定図とは異なり、力加減なり工具での無茶な手術の影響で材料が死んじゃうと「むふー!」と怒るマーティン。怒りたいのはオマエじゃないと思いますが。結局ホチキスとダクトテープという万能道具で無理やりムカデ化に成功させるも、別に消化器官云々といった学術的な興味があるわけじゃなく、ただただウ○コチェーンを実践したいだけなので下剤投入。それで満足したのか、「むふー」とムラムラするマーティン。
そんな様を(電気棒かなんかで)仕込まれた芸を実践する動物のようにたどたどしく演じるローレンス・R・ハーヴィーに、なにか新しいホラーアイコンが生まれた瞬間を見させられた感じもしたので、★ひとつオマケで。

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マーイムマーイム

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タグ:ホラー ★★
posted by たお at 12:16 | Comment(2) | TrackBack(4) | 前にも観たアレ■ま行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする