2015年03月26日

人生、サイコー! (Delivery Man)

監督 ケン・スコット 主演 ヴィンス・ヴォーン
2013年 アメリカ映画 105分 コメディ 採点★★★★

街で見かけた元カノが、別れた時期と年代が合致するなんか目元とか口元とかに鏡で見慣れた特徴のある子供を連れ歩いてたりしない限りは、公式に3人の子持ちの父親である私。女・男・男の、上は中2で下が年長さん。こいつらがまぁ、性格から容姿までてんでバラバラ。同じ両親から生まれたとは思えないほどバラバラ。まぁ、同じ正確に同じ顔がゾロゾロ居られても怖いだけなんで、これくらいが丁度いいんでしょうけどね。

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【ストーリー】
家族経営の精肉店で働くデヴィッド。彼は多額の借金で首が回らない上に、その無責任な性格に妊娠した恋人にも見切りをつけらるダメ中年男。そんなある日、彼にはかつて行った精子提供により生まれた子供が533人もいることが判明。しかも、その内142人に身元開示の訴えを起こされていることを知る。親友の弁護士ブレットと共に裁判に挑むデヴィッドだったが、資料にあった子供たちのプロフィールに興味を持ち、父親であることを隠し次々と会いに行ってしまう…。

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2011年にケン・スコットが脚本・監督を務めたカナダ映画『人生、ブラボー!』を、ハリウッドでセルフリメイクした人情コメディ。如何せんオリジナルを観ていないので、キャストと場所が違うってのと、フランス語が英語になったって以外の違いは判らず。
唐突に「お前に子供がいるよ」と言われると驚き以上にちょっとした恐怖すら感じちゃいそうなもんですけど、「533人な」となるとそんな恐怖を通り越して「フフッ」と間の抜けた笑い声しか出なさそうな状況の中、ひとりひとりの子供と触れ合うことで、これまで避けてきた一人前の男としての成長を果たしていく様をフンワリとした笑いで包み込んで描いた本作。当然それぞれの子供たちはそれぞれ個別の人生の中で育っているので、そこには敢えて避けてきた人生を複数のパターンで追体験するって意味合いも。タイムリバースものやリピートもの、若しくは『素晴らしき哉、人生!』なんかと同系列に捉えていい物語なのかなと。
そんな追体験ものの主演としては、『エイリアン バスターズ』のヴィンス・ヴォーンほどハマる役者はそうそういない。そのデカイ図体からは程々の頼り甲斐と程々のだらしなさが醸し出され、それと同時に無責任と神経質という正反対の性格も共存。尚且つ“前世代の代表格”というイメージがあるので、大人になって然るべきなのに若者に対抗しようと足掻くキャラにビシリとハマる。オリジナル抜きで考えると、この“主演ヴィンス・ヴォーン”ってのが本作最大の成功要因なのかと。

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精子提供を受けるってことは、夫婦及びパートナー間の概ね男性側に何かしらの問題があるか、子供は欲しいけど男はいらんってパターンになるかと思うんですけど、その“法的な親”ってのが全く出てこない本作。題材的にもそこに触れないってのはどうかと思いながらの鑑賞だったんですが、結果から言えば全く問題なし
生物学的親子関係を描く作品ならば避けられないが、本作の中心はあくまでデヴィッド。その彼が避けてきた人生を追体験することで成長する物語なので、法的な親が出てきて物事を複雑にする必要は特にない。まぁ確かに我が子が父親を求めて裁判を起こすってのは親として非常に複雑な心境ですし、悲しくもあるんですが、それはもう別の題材なので中途半端に触れるくらいなら触れないほうが潔い。
そんな重くなりげな所を華麗にスルーしさっくり楽しめる作風を保ちつつも、ぼんやりと考える余地や余韻を残した本作の満足度は高し。ハンサムになったジェマ・アータートンみたいな『アベンジャーズ』のコビー・スマルダーズのエージェント顔は非常に好みでしたし、やっぱりこれくらいポッチャリしてた方がカワイイ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラットなど、キャスティングにも満足度が高かった本作。ヴィンス・ヴォーンの部屋にさり気なくボウイのデビューアルバムが飾ってあったので、恒例のボウイ・アドバンテージを加えてこの評価に決定。

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4人に1人くらいはヴィンスと同じ顔がいそう

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posted by たお at 12:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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