2012年 アメリカ映画 95分 ホラー 採点★★★
「ホラー映画と言えば?」って問われれば、私の世代なんかはスラッシャーとゾンビ(走らない方)なのかなぁと。前の世代だとたぶんオカルトで、後の世代になるとトーチャーポルノとか白いワンピース着たやたらと長い黒髪の女なんですかねぇ。となると、『ポルターガイスト』までリメイクされてしまう最近の世代にとっての主流って、なんなんでしょうねぇ?
【ストーリー】
山奥の古びた別荘へバカンスにやって来た男女5人組の大学生。その夜、様々の怪しげな物が置かれた地下室を発見した彼らは、その中から一冊のノートを手に取り、そこに書かれていた呪文を読んでしまう。それと同時に復活したゾンビに襲われる彼らであったが、その一挙一動を監視する人物がおり…。
ホラー映画のクリシェいじりやメタホラーってのがもう変化球じゃなくなってきた中、そこから更に一捻りを加えてきたコメディ風味のホラー。『クローバーフィールド/HAKAISHA』の脚本家ドリュー・ゴダードが脚本と初の監督を手掛け、共同脚本に『アベンジャーズ』のジョス・ウェドンが。類友コンビってところでしょうか。
もろ『死霊のはらわた』の枠組みだが、キャストの選択次第ではそれが『ヘル・レイザー』にも『IT/イット』にもなる、そんなホラーの定番ってものをいじくり倒した本作。単純に観れば“ホラー版『トゥルーマン・ショー』”とも、リメイクばかりでJホラーに押されるホラー業界に対する皮肉とも受け取れるが、そういうのも含めて「ホラー映画作るのも大変なんっすよ…」ってな嘆きにも。
何か新しい物を作ろうにも、そんな実績もない物にスタジオがいい顔するわけもなく結局過去のデータを基に定番で。それでもなんかしらの爪痕を残そうとするも、今度はスニークプリビューなりで観客の顔色を伺うことになり、これまたド定番に。じゃぁコレが受けるかと言えば、シタリ顔した連中に「観たわー、コレ100回は観たわー」とか言われる始末。
全てをぶち壊す結末に、そんな現状に対する作り手ならではの苛立ちと「なんか新しいの生まれればいいね!」って願望が見え隠れした本作。あと、「続編なんかやるもんか!」という決意も。面白いかどうかの以前に、もうちょっと真面目にホラーを愛でようって気になった一本で。「リメイクばっか!」とか言ってゴメンね。
ホラー映画の重要なお約束事のひとつである“処女は生き残る”に則り、大体処女の主人公に扮したのは『ハプニング』のクリステン・コノリー。既に三十路であるのにそうは思わせぬ清楚感が、ジョス・ウェドンみたいな人には堪らないんだろうなぁと思ったりも。アイラインを強めると一気に苦手な顔になっちゃうので、本作くらいが丁度いいかなと。
また、早い内に殺されるのが定番のジョックス役に『アベンジャーズ』のクリス・ヘムズワース、いつも惜しい所までは行く変わり者役に、ちょっとオーウェン・ウィルソンっぽかった『ヴィレッジ』のフラン・クランツが。あら?シャマラン絡みが二人も。そう言えば、中心キャストの5人が揃いも揃って大根演技だったんですが、それもホラー映画の定番を忠実に再現した結果なんでしょうねぇ。そうであって欲しい。
その他、険しい顔立ちがコメディで映えるようになってきた『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』のリチャード・ジェンキンスや、扱いが『宇宙人ポール』の時とほとんど変わらなかったシガーニー・ウィーヴァー、個人的にダニエル・ハリスを継ぐスクリームクイーンではないのかと注目している『トールマン』のジョデル・フェルランドらが。
どうせどう作っても文句は言われる
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