2013年 アメリカ映画 107分 コメディ 採点★★★
極限状態に陥ったり異常な状況下に置かれると、人間はその本性を現すそうで。私自身はそこまで追いやられた自覚がないんですけど、飲み水や食べ物の確保が非常に困難だった震災後の数週間がそれに近いのかなと。その当時を振り返ってみれば、一家全員で日長一日本を読み耽り、停電中なので日が暮れれば何の疑問も感じず寝て、日が昇れば起き出して朝食代わりの煎餅をかじり、また本を読み耽るだけの繰り返しでしたねぇ。「それがお前ら一家の本性だ!」と言われちゃうと、なんかのんき過ぎて恥ずかしい。
【ストーリー】
カナダ時代からの友人セス・ローゲンに会うためロサンゼルスにやって来たジェイ・バルシェル。大のロス嫌いで他のスターとの交流も苦手なジェイはセスの家でゆっくり過ごしたいのだが、セスに誘われ嫌々ジェイムズ・フランコの家で行われるパーティに参加することに。大嫌いなジョナ・ヒルも居て気が滅入るジェイはパーティを抜け出すが、突如黙示録に描かれる世の終わりが訪れ…。
2007年に出演した短編“Jay and Seth Versus the Apocalypse”をベースに、セス・ローゲンが『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』からの盟友エヴァン・ゴールドバーグと共に初監督に挑戦した黙示録コメディ。
『バトルフロント』のジェームズ・フランコを筆頭に、『ピンチ・シッター』のジョナ・ヒル、『50/50 フィフティ・フィフティ』のセス・ローゲン、『魔法使いの弟子』のジェイ・バルシェル、『ピザボーイ 史上最凶のご注文』のダニー・マクブライド、『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』のクレイグ・ロビンソンらが本人役で出演する本作。一応“極限状態でのスターの素顔”やら、“仲間内の本音と建前”、“善人が一番!”“セス・ローゲンの取り合い”ってなテーマは描かれているが、基本的には“仲良しが集まっての悪ふざけ”ってのが中心の一本。その他人が楽しんでる様を楽しめるかどうかが鍵になる作品ではあるが、私自身はカメオ出演するジェイソン・シーゲルの様にちょっと離れた所で微笑んで見ているって感じだったので問題なし。シモ関係にネタが集中しているが、男子が集まればそうなるのも当然なので不満もなし。ない方が気持ち悪いですし。
悪ふざけとは言っても、表向き清廉なジョナ・ヒルや下品なマイケル・セラ、他の作品イメージのまま下衆なダニー・マクブライドなど、本人役と言いつつもしっかりとしたキャラ作りがされていたり、アドリブの応酬の中で人間関係の本質を曝け出していったりと、セス・ローゲンの優れた観察眼と人物描写が巧みに出ていた作品でもあった本作。「コメディアンの観察眼ってすげぇんだな!」と再確認できた一本でも。
先に挙げた名前以外にも、『40男のバージンロード』のポール・ラッドに『リベンジ・マッチ』のケヴィン・ハート、衝撃的にも程がある役柄で登場する『フォックスキャッチャー』チャニング・テイタムに、恥ずかしながら動いてるのを初めて見たエマ・ワトソン、インド映画的大団円を飾るバックストリート・ボーイズと、いちいち書いてたら名前だけでいつものレビュー以上の長さになるだけの顔ぶれが登場。一部を除いては基本的にセス・ローゲンと仕事をした仲間が集まっているんですけど、“フリークス学園”から僅か数年でこれだけの人脈を作り上げたってのは凄いなぁと。もちろん誇張もあるんでしょうが、やっぱり劇中で描かれてるようにセスは愛されキャラなんだろうなぁと。
なんだかんだ言っても、「あら、こんな所にリアーナが!」「ポール・ラッドが来たー!え?もう死ぬの?」とお馴染みの顔ぶれを含め大勢のスターが出てきては消えるのを楽しむ本作。コメディに縁遠い方にはちょいと楽しめないかと思いますが、マイケル・セラ&ジョナ・ヒル&クリストファー・ミンツ=プラッセの『スーパーバッド 童貞ウォーズ』トリオ再集結に大喜びできる私のような人間には楽しめる作品ではないかと。
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