2015年03月27日

とりあえず優しい子には育ってるのか

先日女房が誕生日を迎えた朝、頭の中の7割がまだ夢の中の状態で起きてきた小5の長男に「今日はお母さんの誕生日だから、“大好き、お母さん!”ってハグしてあげな」と言ってた。
もういい加減大きいし流石に「エエェ!?」とか嫌がるかと思いきや、何の疑問も感じず台所にいた女房に抱きつき「ダ・イ・ス・キ・オ・カー・サ・ン」とロボ状態で。
まぁ、寝起きに「ちゃんとトイレ行って歯も磨きなよ!」と言えばトイレで歯磨きするほどのアホちゃんなので、言われたことをそのまんまやっただけなんでしょうけど、女房感激。

で、昨日。早くも春休みを持て余してそうだったんで、家にあった『サンシャイン2057』を長男と一緒に鑑賞。
時々展開に迷子になる長男に説明しながら観てたんですが、終盤、メンバーの一人を殺さないと人類救済の作戦が失敗する状況になり葛藤するシーンで長男にふと聞いてみた。
「もしお前がこの状況で、相手がお母さんだったらどうする?」と。
息子「ムリムリムリムリムリー!!!!」と即答。
まぁ、子供としては当たり前の反応なんですけど、その考えることもなく即答する様が可愛かったので仕事から帰ってきた女房にそのことを伝えると、感激して号泣。「アホなのに、なんて優しい子なの!」と。
感激してる旨を伝えるキーワードに“アホ”が入るのはどうかと思いましたが、実際アホだから仕方がないのかなと。
とりあえず、優しい子には育っているようなのでお父さんちょっと安心って話でした。

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2015年03月26日

人生、サイコー! (Delivery Man)

監督 ケン・スコット 主演 ヴィンス・ヴォーン
2013年 アメリカ映画 105分 コメディ 採点★★★★

街で見かけた元カノが、別れた時期と年代が合致するなんか目元とか口元とかに鏡で見慣れた特徴のある子供を連れ歩いてたりしない限りは、公式に3人の子持ちの父親である私。女・男・男の、上は中2で下が年長さん。こいつらがまぁ、性格から容姿までてんでバラバラ。同じ両親から生まれたとは思えないほどバラバラ。まぁ、同じ正確に同じ顔がゾロゾロ居られても怖いだけなんで、これくらいが丁度いいんでしょうけどね。

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【ストーリー】
家族経営の精肉店で働くデヴィッド。彼は多額の借金で首が回らない上に、その無責任な性格に妊娠した恋人にも見切りをつけらるダメ中年男。そんなある日、彼にはかつて行った精子提供により生まれた子供が533人もいることが判明。しかも、その内142人に身元開示の訴えを起こされていることを知る。親友の弁護士ブレットと共に裁判に挑むデヴィッドだったが、資料にあった子供たちのプロフィールに興味を持ち、父親であることを隠し次々と会いに行ってしまう…。

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2011年にケン・スコットが脚本・監督を務めたカナダ映画『人生、ブラボー!』を、ハリウッドでセルフリメイクした人情コメディ。如何せんオリジナルを観ていないので、キャストと場所が違うってのと、フランス語が英語になったって以外の違いは判らず。
唐突に「お前に子供がいるよ」と言われると驚き以上にちょっとした恐怖すら感じちゃいそうなもんですけど、「533人な」となるとそんな恐怖を通り越して「フフッ」と間の抜けた笑い声しか出なさそうな状況の中、ひとりひとりの子供と触れ合うことで、これまで避けてきた一人前の男としての成長を果たしていく様をフンワリとした笑いで包み込んで描いた本作。当然それぞれの子供たちはそれぞれ個別の人生の中で育っているので、そこには敢えて避けてきた人生を複数のパターンで追体験するって意味合いも。タイムリバースものやリピートもの、若しくは『素晴らしき哉、人生!』なんかと同系列に捉えていい物語なのかなと。
そんな追体験ものの主演としては、『エイリアン バスターズ』のヴィンス・ヴォーンほどハマる役者はそうそういない。そのデカイ図体からは程々の頼り甲斐と程々のだらしなさが醸し出され、それと同時に無責任と神経質という正反対の性格も共存。尚且つ“前世代の代表格”というイメージがあるので、大人になって然るべきなのに若者に対抗しようと足掻くキャラにビシリとハマる。オリジナル抜きで考えると、この“主演ヴィンス・ヴォーン”ってのが本作最大の成功要因なのかと。

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精子提供を受けるってことは、夫婦及びパートナー間の概ね男性側に何かしらの問題があるか、子供は欲しいけど男はいらんってパターンになるかと思うんですけど、その“法的な親”ってのが全く出てこない本作。題材的にもそこに触れないってのはどうかと思いながらの鑑賞だったんですが、結果から言えば全く問題なし
生物学的親子関係を描く作品ならば避けられないが、本作の中心はあくまでデヴィッド。その彼が避けてきた人生を追体験することで成長する物語なので、法的な親が出てきて物事を複雑にする必要は特にない。まぁ確かに我が子が父親を求めて裁判を起こすってのは親として非常に複雑な心境ですし、悲しくもあるんですが、それはもう別の題材なので中途半端に触れるくらいなら触れないほうが潔い。
そんな重くなりげな所を華麗にスルーしさっくり楽しめる作風を保ちつつも、ぼんやりと考える余地や余韻を残した本作の満足度は高し。ハンサムになったジェマ・アータートンみたいな『アベンジャーズ』のコビー・スマルダーズのエージェント顔は非常に好みでしたし、やっぱりこれくらいポッチャリしてた方がカワイイ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラットなど、キャスティングにも満足度が高かった本作。ヴィンス・ヴォーンの部屋にさり気なくボウイのデビューアルバムが飾ってあったので、恒例のボウイ・アドバンテージを加えてこの評価に決定。

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4人に1人くらいはヴィンスと同じ顔がいそう

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2015年03月25日

【予告編】ショーン・ビーン “Any Day”

トム・クルーズのハンサムスパイシリーズ第5弾『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』の予告編が解禁されたり、“X-ファイル”が13年振りに帰ってきたりと連日嬉しいニュースが飛び込んできておりますが、そういうのはきっともっとマシな所がきっちりと書いているでしょうから、サブタレではただ一言「ヤッター!!」と。

で、その嬉しいニュースついでにショーン・ビーンの新作予告編をペタリと。わーい、嬉し。
役者あがりのラスタム・ブラナマンが脚本と監督を務め、『リーサル・ウェポン』以降80〜90年代のアクション映画を牽引してきた一人でもあるシェーン・ブラックや、アクション映画でのお笑い担当ってイメージがあるトム・アーノルドらが共演。
ちょっとした諍いから人を殺めてしまったショーンが出所後、下宿したり、いじめられっ子の少年と触れ合ったり、デートの約束に胸をときめかせたり、やっぱりオジャンになったりしながら第二の人生を模索するって、なんか見覚え聞き覚えだけで出来てる物語っぽいんですけど、ショーン主演なのに地雷の気配が見当たらないってのはちょい嬉しい。若しくは寂しい一本で。

【Any Day Trailer】


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2015年03月24日

死霊のえじき (Day of the Dead)

監督 ジョージ・A・ロメロ 主演 ロリ・カーディル
1985年 アメリカ映画 102分 ホラー 採点★★★★

2006年の1月から書き始めて、なんやかんやと9年以上も続けてしまったこのサブタレ。ま、他のものに興味が移ると平気で記事と記事の間を2年空ける性分なんで、実際の期間はもっと短いんですが、9年存在してたのだけは間違いなし。記事数もこの記事でちょうど1500本目。日記すら続けられないくせに、よくもまぁ似たようなのを1500本も書いたものだと自ら驚きを。で、前回1000本目の記事に思い入れ映画ナンバーワンである『ランボー』を選ばせてもらったので、今回はやっぱり“死霊”だろうと。なにが“やっぱり”なのかは不明ですけど、とりあえず“死霊”。“死霊の○○”とか好きですし。「好きですし」と言いつつも、これまで一本も“死霊”と付く作品レビューがないことに今気が付きましたけど。まぁ、これが1500本目になることすらさっき気が付いたんですけどね。

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【ストーリー】
蘇った死体は増え続け、今では地上を全て埋め尽くすまでとなっていた。一方、辛うじて生き残った軍人と科学者の少人数グループは地下施設内でゾンビ対策の研究を続けていたが、苛酷な環境の中で彼らの間の不協和音は日増しに大きくなっていき…。

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サバイバル・オブ・ザ・デッド』のジョージ・A・ロメロによる、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』『ゾンビ』に続くリビング・デッド三部作の最終章。この後『ランド・オブ・ザ・デッド』で再始動しますけど、そっからの三本は別物として捉えた方がいいのかなと。メイキングドキュメンタリーの中でロメロが「三部作の中でこれが一番好きだという変わり者もいる」と仰っておられましたが、ハイハイ私がその変わり者。夢と妄想がバンバン膨らむ『ゾンビ』も大好きですが、陰惨さ際立つ本作がやっぱり一番好き。
当初は700万ドルの予算で、多くの野外シーンやゾンビと軍の壮絶なバトルも描く予定で脚本を完成させるも、一気に予算を半分の350万ドルにまで減らされ、ピッツバーグに実在する山を削った地下倉庫内で、軍人と科学者が延々と丁々発止を繰り広げる作品へとスケールダウンを強いられることとなったのは有名な話。もちろん理想通りに作られていれば、それまで観たことのないスケールの大きなゾンビ映画が完成していたであろうし、それを目にした観客は大きな驚きと興奮に包まれていたかも知れないが、映画に限らず物作りは厳しい制約の下で試行錯誤と四苦八苦を積み重ねた物の方が良品であったりすることが多いのも事実。本作もまた、苦肉の策での密室劇であったからこそ、人類の置かれた状況の過酷さや全く見えない将来への展望に対する絶望感、当時の世相を表したドン詰まり感がより一層深く出せたのではないかと。

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政治的にクリーンで人権派を標榜しながらも、『アルゴ』でも描かれた“イランアメリカ大使館人質事件”では、その弱腰っぷりから解決の糸口すら見出せなかった大統領ジミー・カーター。その理想こそ高いが現実的な解決策や実行力に乏しいリベラル政治にウンザリしたアメリカ人が次に選んだのが、俳優出身でタカ派のロナルド・レーガン。しかしながら、その強硬的な姿勢から中南米政策は混沌を極め、日本製品の大躍進もあり国内経済も疲弊。右を向いても左を向いてもドン詰まりだった80年代のアメリカ。前2作もそうであったが、その世相がこれまた色濃く出た本作。
本作には3種類の人種が登場している。
ゾンビに対する根本的解決策を模索するも、時間と物資を浪費するだけで解決策が全く見つからない上に、仕舞いには「飼い馴らせばいいんじゃね?」と、物理的にも現実的にも実現不可能な理想論をぶち上げる科学者。
銃を振りかざして威圧するだけでこれまた解決策など何もなく、ヘリに乗って何処かへ逃げればいいと考えてるようだが、何処に逃げればいいのかは分かっていない、いや、逃げ場などもうないことは分かっているが、その現実を認めたくはないだけの軍人。
そして、彼らから課せられた仕事以外での接点を絶ち、自由気ままな地下ライフを満喫するパイロットと技術者。
人類存亡の危機を救う目的は虚無に覆われ、彼らはただ己の主張だけを叫んでいがみ合う。希望などほとんど残っておらず、事実彼らの前には明るい未来はない。こんな陰鬱な世界で唯一の希望の光となっているのが、生きているころの記憶と習慣が僅かばかりに残っているゾンビ“バブ”だという皮肉。こんな人間たちに任せるくらいなら、ゾンビの方がまだマシだという強烈なメッセージが突き刺さってくる。

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それにしても、このバブが素晴らしい。バブを発明したことが本作を成功させた最大の要因であると同時に、この後のゾンビ映画にとっても最高の発明だったのでは。
生きてた頃はそれなりに立派な大人だったであろうに、ゾンビになったらちょいとイカレた博士に首輪を付けられ飼われるバブ。そもそも“バブ”って本名じゃないのに。この、スタート地点から既に切ないバブの、身体の自由がまだ上手く利かない赤子のような動きや表情が見事。擬似父子関係として描かれる博士の一挙一動を目で追い、博士が望んでいることを足りないにも程がある脳で必死に考え、褒美の肉のためとは言え博士の喜ぶ顔に彼自身喜びを感じる様を、微に入り細に入り表現して見せたシャーマン・ハワードは見事。彼の思いつきとアドリブから生まれたという、バブが音楽を聴き驚きの表情を見せるシーンなどは、ゾンビに人間性が生まれる瞬間を描いたまさに名シーンである。
また、序盤にもゾンビが恐怖するシーンが描かれているが、やはりバブが博士の死を知り慟哭するシーンは衝撃的。細かいことではあるが、知性も感情もないただ“食べる”という本能だけで動いている死体が、博士という個体を認識し、それが生きていないこを認知し、“悲しい”という感情が生み出される。これはウチの猫が唐突に「オイ、飯くれや」と話しかけてくる以上に衝撃的だ。リチャード・マシスンの“地球最後の男”が『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』に与えた影響を考えれば当然なのだが、本作が種の逆転の物語であることがここで決定的になる。繁殖もしないので反映も難しいし、なんといっても臭いがきつそうな世界ではあるが、まさしく“死者の日”がやってくることを高らかに宣言したのが、この慟哭のシーンと後のクールすぎるバブの敬礼姿なのだろうなぁと。

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本作を語る上で、やはり忘れてはならないのがトム・サヴィーニによる特殊メイク。
13日の金曜日・完結編』『クリープショー』などなど、これまでも様々な作品を血塗れにしてきたトム・サヴィーニだが、本作での仕事っぷりは自他とも認める彼の最高傑作。
オープニングに登場する、下顎が欠損し舌がデロリンと垂れ下がった“ドクター・タン”や、スコップで切断された頭部の目玉がギョロギョロ動くメカニカルなものから、腕切断シーンに見られるシンプルながらも観客の思い込みと目の錯覚を利用したものまで、彼のテクニックをこれでもかと堪能できる、これぞトム・サヴィーニ大百科。それも、オールカラー。
その中でも、ベッドから起き上がるゾンビの腹部から内臓がボタボタとこぼれ落ちるシーンの衝撃たるや。初めて劇場で観た時は、「え?どっからどこまで生身なの?メカなの?」と大いに驚き混乱したもので。これもまた、サヴィーニお得意の思い込みと錯覚を利用したエフェクトなのだが、このよりリアルな物やグロい物を作ろうってよりも、如何に観客を驚かせる物を作ろうとするサヴィーニのエンタメ精神が大好き。例えば『ローズマリー』での頭に短刀が突き刺さるシーン。突き刺さって血が噴出すだけで十分ゴアで「ウェッ!」となるのだが、サヴィーニはそこから犠牲者の目玉をグリンと白目に回転させて観客を驚かせる。そのもう一歩先に行こうとするスタイルに敬服止まず。
因みに、今では特殊メイク界の最大手となったKNBエフェクトグループの創設者の一人グレゴリー・ニコテロが、役者として軍人の一人、またサヴィーニのアシスタントとしても参加。最近は役者サヴィーニとしてしか見ていないのは寂しい限りなんですが、その遺伝子はしっかりと受け継がれているんだなぁと。

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死者の惑星ビギニング

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2015年03月21日

ケープタウン (Zulu)

監督 ジェローム・サル 主演 オーランド・ブルーム
2013年 フランス/南アフリカ映画 107分 アクション 採点★★★

南アフリカを舞台とする作品って、その多くが人種隔離政策を題材としている気が。現実問題として人種隔離政策の傷跡ってのは深く残っているんでしょうし、それを描くことが南アフリカを描くこととなっているんでしょうねぇ。如何せん向こうの映画産業について詳しくないんでアレなんですが、なんてことのない娯楽映画を楽しんだ後でクレジットを見たら、監督がズールー族だったみたいな日が来ればいいなぁと思ったりも。

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【ストーリー】
南アフリカのケープタウン。元人気ラグビー選手の娘の惨殺死体が発見され、ズールー族出身の刑事アリと私生活に問題を抱えた白人刑事ブライアンらのチームが捜査を担当することに。手掛かりとして浮上した新種の麻薬の流れを追跡すると、その麻薬に絡んで数多くの黒人の子供たちが失踪していることが判明し…。

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キャリル・フェレによる同名小説を、『ラルゴ・ウィンチ』のジェローム・サルが映像化したサスペンスアクション。
アパルトヘイト撤廃後も埋まるどころか広がり続ける格差や、当時の亡霊が蘇ったか如くの製薬会社の陰謀など南アフリカが抱える社会問題を描いた本作。とは言っても、正反対の性格を持つ刑事コンビを描くバディアクションとしての構造で作られているので、受ける印象は『ナイロビの蜂』ってよりも真面目な『リーサル・ウェポン』な感じ。確かに堅苦しく語るよりは、娯楽作としても楽しめる一面を持っていた方がメッセージは通りやすい。
同じ国とは思えない白人の生活圏と黒人の貧民街といったビジュアルインパクトのみならず、結局白人が殺されたから事件として動き出す皮肉、一つの手掛かりからとてつもない闇が焙り出されていくスピーディでスリリングな展開など、全く飽きさせずに突っ走る物語も面白い。また、急進的な差別主義者であった父親に反発し父方の姓を捨てたブライアンと、加害者である白人の下で働くことで融和を進めていこうとするアリとの対比や、その二人が迎える結末なども非常に興味深い。
ただ、それぞれのシークエンスがぶつ切れで、上っ面を駆け足で通り抜けてしまっただけの印象も拭えず。なんというか、小説の重要ポイントだけを抜き取って継ぎ接ぎしただけの、ラフ版を観させられているような感じが惜しい。

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荒くれ刑事ブライアンに扮したのは、生憎海賊アトラクションの方は観ていないので、私の中でのイメージがエルフで固まったままだった『ホビット 決戦のゆくえ』のオーランド・ブルーム。今回はヒゲにタトゥーとヤサグレ感たっぷりで慣れるのにちょいと時間が掛かりましたが、こんなオーリーも悪くなし。
一方のアリ役には、『フェイク シティ ある男のルール』のフォレスト・ウィテカー。基本インテリで温厚だが、常に何かを我慢しているって役柄が似合うだけに、その押し殺していたモヤモヤが多くの犠牲を払うことで爆発するアリ役にピッタリ。
ただ、たぶん原作にもあるんでしょうが、子供時代の迫害によって性的不能者になったって設定は本作に必要だったのかなぁと。確かにそれも押し殺しているモヤモヤポイントの重要な一つなんでしょうけど、それをウィテカーがアハンウフン喘ぐ娼婦のお尻を真顔で撫で続けるって、前後関係から見ても浮いてるヘンテコなシーンで表現しなくてもなぁと。確かに記憶にだけは強烈に残るある種の名シーンですけど、これにしろタイトルになりながらも劇中名札程度の扱いだった“ズールー”にしろ、この辺が駆け足の継ぎ接ぎ感を強めた要因なのかなぁと。

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BGMはケイメン&サンボーン&クラプトンにピーター・ガブリエルを絡めて

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2015年03月18日

【予告編】アダム・サンドラー “Pixels”

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1982年。出会うかもしれない地球外知的生命体に向け人類の歴史や文化、ゲームなんかの当時の娯楽などの情報満載に打ち上げられた無人惑星探査機。それを見た宇宙人がパックマンやドンキーコングのドットキャラを用いて侵略してくるっていう、「楽しいよ!」ってのだけは伝わってくるアクションコメディ。

80年代のゲームチャンピオンっていう主人公に『ウソツキは結婚のはじまり』のアダム・サンドラー、その主人公の幼馴染である大統領役に『闘魂先生 Mr.ネバーギブアップ』のケヴィン・ジェームズ、なんかの役回りで『ミッション:8ミニッツ』のミシェル・モナハンらが共演。
つまらなくはないが、心の底から「面白い!」と唸れる作品には出会えたことがない、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のクリス・コロンバスが監督ってのが気になるところですけど、imbdで調べてみるとキャストの中にショーン・ビーンの名前が!
ただまぁ、ビリング上は結構高い位置にいるくせに予告編には姿が見当たらず、役名すら載ってないんですよねぇ。
あれですか?サプライズキャラとかですか?それとも宇宙人側ですか?
まぁ、今年の7月公開っていう先の話だから詳細が出てないだけなんでしょうけど。

【Pixels Official Trailer】


なんか見覚えあるなぁと思ったら、フランスの映像作家パトリック・ジャンの短編がベースなんですねぇ。

【Pixels by Patrick Jean】


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2015年03月16日

【加筆】ドリームキャッチャー

昨日あたりから随分と暖かくなってきましたねぇ。いよいよ春ですね。
最近どうも目が少し痒かったり、ボーっとしていると鼻水がひとすじ垂れてくるのも、私の身体が春を察知したからなんでしょうねぇ。いや、花粉症なんかじゃないですよ。身体の春感知メカニズムかなんかですよ。認めたら負けですし。

そんな陽気の良い日曜の昼間っから、スティーヴン・キング原作の映画化では間違いなく傑作の部類に入る『ドリームキャッチャー』を観ていた私。いやぁ、何度観ても面白いですねぇ。傍らで塗り絵をしながら観ていた5歳の末っ子には“ウ○コが人を襲う映画”にしか観えなかったようですけど、あながち間違ってもいませんし、「すげぇ!」と言ってたんでヨシと。
で、せっかく観直したのでついでに前のレビューに加筆を。まぁ、元々大したことを書いていないレビューなんですが、もしこれで忘れかけてた本作に新たなファンが付いてくれたらなぁと。

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2015年03月13日

【雑感】ビヨンド ブルーレイ版

ルチオ・フルチによる投げっ放しホラーの傑作ビヨンド』。
ずいぶん前にブルーレイが出てたんですけど、ようやっと観る事が出来たんで今更ながら感じたことを。
まず、発売元からの転載ですけど仕様から。

■音声 1.英語DTS-HD Master Audio 5.1chサラウンド 2.英語DTS 2.0ch モノラル 3.イタリア語DTS 2.0ch モノラル 4.英語DTS 2.0ch モノラル(オーディオコメンタリー#1) 5.英語DTS 2.0ch モノラル(オーディオコメンタリー#2)
■字幕 1.日本語字幕 2.オーディオコメンタリー#1用日本語字幕 3.オーディオコメンタリー#2用日本語字幕
■画面 16:9[1080p Hi-Def]シネマスコープサイズ

まぁ細かいことは詳しい方にお任せするとして、音声の広がりに不自然さは特になく、特徴的な青を基調とした映像もフィルムらしさを残しつつ、細部までしっかりと見ることが出来る鮮明さ。音質・画質共に文句なしかなぁと。
あんまり画質が向上すると特殊メイクの粗が目立ちそうなところですけど、流石デ・ロッシ。見え過ぎちゃってかえって不快という素晴らしい仕事っぷりで。

で、本編ディスクと特典ディスクに収録された映像特典なんですけど

【DISC-1:本編DISC(Blu-ray)収録映像特典】(約50分)
★カトリオーナ・マッコール(ライザ役)&デヴィッド・ウォーベック(ジョン役)によるオーディオコメンタリー
★アントネッラ・フルチ(ルチオ・フルチ監督の娘/元女優)オーディオコメンタリー(進行役:カラム・ワデル[脚本家・プロデューサー])
★サラ・ケラー[シンツィア・モンレアーレ]インタビュー
★カトリオーナ・マッコールQ&A セッション
★サラ・ケラー[シンツィア・モンレアーレ]イントロ・コメント
★ダレン・ウォード監督(”SUDDEN FURY”監督)インタビュー(デヴィッド・ウォーベックの思い出)

【DISC-2:特典DISC(DVD)収録映像特典】(約170分)
★テリー・リヴェイン(米国公開版配給&編集担当)インタビュー
★カトリオーナ・マッコールインタビュー
★ジャンネット・デ・ロッシ(特殊メイクアップ担当)インタビュー
★フルチ・フラッシュバック(ダリオ・アルジェントらによるフルチ監督ドキュメンタリー)
●フルカラー版オープニング(英語音声版/独語音声版)
●カトリオーナ・マッコールのイントロ・コメント
●Voices From The Beyond ルチオ・フルチの思い出〜関係者インタビュー
●Images From The Beyond
・ポスター&スチール集
・スナップ写真集
・C・マッコール&D・ウォーベックのインタビュー
・D・ウォーベックのコメント
・ルチオ・フルチのインタビュー
・L・フルチ&D・ウォーベックのインタビュー
●ジム・ヴァン・ベッバーによるミュージックビデオ
●別バージョン・オープニング
●オリジナル劇場予告編(3種類)
・アメリカ・リバイバル公開版
・インターナショナル版
・ドイツ公開版
※★がついているものは、新規映像特典になります。

なんともまぁ豊富。内容に関しては豊富すぎてまだ観れてないんで、何とも言えないんですけど。
作品内容・クォリティ・特典・価格とトータルで考えると、日本国内で発売されるものとしてはかなり上位に入る部類なのかなぁと。ハピネットさんには随分とお世話になってるので、これからも頑張って欲しいですねぇ。少しは見習え、東宝と角川は

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2015年03月12日

沈黙の処刑軍団 (Force of Execution)

監督 キオニ・ワックスマン 主演 スティーヴン・セガール
2013年 アメリカ映画 99分 アクション 採点★★

しばらくサブタレから遠ざかっていたんで、セガールに収める年貢が随分と溜まってしまいましたねぇ。例のTVシリーズを含めると結構な量が。セガールが美女に挟まれニンマリする姿を観る為だけに、コツコツと消化していきましょうかねぇ。

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【ストーリー】
政府の汚れ仕事を請け負ってきたセガールは、今では暗黒街の大物に。やがてその地位を狙う新興黒人ギャングが台頭してくるが、ご立腹のセガールにコテンパンにされる。

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沈黙の逆襲』以降セガールの第一舎弟みたいになったキオニ・ワックスマンによる、泥棒ヒゲのセガールが悪人ってのが新味のアクション。じゃぁヒゲなしのセガールは善人かって言えばそうでもないので、やっぱりいつものセガール映画。
“ギャングの抗争”ってシンプルな物語のはずなのにストーリーがサッパリ頭に入ってこないってのもいつものことであれば、入ったら入ったでスルスルすぐに抜け出てしまうのも相変わらずの本作。ストーリー展開の殆どと大変なアクションは若手に任せ、頭に海苔を貼り付けて基本座ってるセガールが時々立ち上がってオイシイ所だけをかっさらう様に、「やった!セガールが立った!」と喜ぶいつものアレ。「立った!」って喜ぶのはクララとチ○ポに対してだけでもなく
まぁ、実質主人公であるブレン・フォスターの格闘アクションには目を見張るものがありましたし、『マチェーテ』で共演済みのダニー・トレホや、60代のセガールと70代のトレホさんに挟まれ若造扱いだった『ピラニア3D』のヴィング・レイムスなど、いっぱしな顔ぶれも揃っていて面構えだけは映画っぽかった本作。唐突に呪術シーンが始まったり、要所要所にセクシー美女を配置したりとセガールを接待する気配りだけは十分だったので、まぁいいかと。もうここまで来たら、“セガールが楽しそう”ってのが最重要項目ですし。

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剥がし易そうだけど剥がしたらスゲェ怒られるんでしょうねぇ

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2015年03月10日

キャビン (The Cabin in the Woods)

監督 ドリュー・ゴダード 主演 クリステン・コノリー
2012年 アメリカ映画 95分 ホラー 採点★★★

「ホラー映画と言えば?」って問われれば、私の世代なんかはスラッシャーとゾンビ(走らない方)なのかなぁと。前の世代だとたぶんオカルトで、後の世代になるとトーチャーポルノとか白いワンピース着たやたらと長い黒髪の女なんですかねぇ。となると、『ポルターガイスト』までリメイクされてしまう最近の世代にとっての主流って、なんなんでしょうねぇ?

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【ストーリー】
山奥の古びた別荘へバカンスにやって来た男女5人組の大学生。その夜、様々の怪しげな物が置かれた地下室を発見した彼らは、その中から一冊のノートを手に取り、そこに書かれていた呪文を読んでしまう。それと同時に復活したゾンビに襲われる彼らであったが、その一挙一動を監視する人物がおり…。

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ホラー映画のクリシェいじりやメタホラーってのがもう変化球じゃなくなってきた中、そこから更に一捻りを加えてきたコメディ風味のホラー。『クローバーフィールド/HAKAISHA』の脚本家ドリュー・ゴダードが脚本と初の監督を手掛け、共同脚本に『アベンジャーズ』のジョス・ウェドンが。類友コンビってところでしょうか。
もろ『死霊のはらわた』の枠組みだが、キャストの選択次第ではそれが『ヘル・レイザー』にも『IT/イット』にもなる、そんなホラーの定番ってものをいじくり倒した本作。単純に観れば“ホラー版『トゥルーマン・ショー』”とも、リメイクばかりでJホラーに押されるホラー業界に対する皮肉とも受け取れるが、そういうのも含めて「ホラー映画作るのも大変なんっすよ…」ってな嘆きにも。
何か新しい物を作ろうにも、そんな実績もない物にスタジオがいい顔するわけもなく結局過去のデータを基に定番で。それでもなんかしらの爪痕を残そうとするも、今度はスニークプリビューなりで観客の顔色を伺うことになり、これまたド定番に。じゃぁコレが受けるかと言えば、シタリ顔した連中に「観たわー、コレ100回は観たわー」とか言われる始末。
全てをぶち壊す結末に、そんな現状に対する作り手ならではの苛立ちと「なんか新しいの生まれればいいね!」って願望が見え隠れした本作。あと、「続編なんかやるもんか!」という決意も。面白いかどうかの以前に、もうちょっと真面目にホラーを愛でようって気になった一本で。「リメイクばっか!」とか言ってゴメンね

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ホラー映画の重要なお約束事のひとつである“処女は生き残る”に則り、大体処女の主人公に扮したのは『ハプニング』のクリステン・コノリー。既に三十路であるのにそうは思わせぬ清楚感が、ジョス・ウェドンみたいな人には堪らないんだろうなぁと思ったりも。アイラインを強めると一気に苦手な顔になっちゃうので、本作くらいが丁度いいかなと。
また、早い内に殺されるのが定番のジョックス役に『アベンジャーズ』のクリス・ヘムズワース、いつも惜しい所までは行く変わり者役に、ちょっとオーウェン・ウィルソンっぽかった『ヴィレッジ』のフラン・クランツが。あら?シャマラン絡みが二人も。そう言えば、中心キャストの5人が揃いも揃って大根演技だったんですが、それもホラー映画の定番を忠実に再現した結果なんでしょうねぇ。そうであって欲しい
その他、険しい顔立ちがコメディで映えるようになってきた『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』のリチャード・ジェンキンスや、扱いが『宇宙人ポール』の時とほとんど変わらなかったシガーニー・ウィーヴァー、個人的にダニエル・ハリスを継ぐスクリームクイーンではないのかと注目している『トールマン』のジョデル・フェルランドらが。

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どうせどう作っても文句は言われる

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posted by たお at 12:05 | Comment(2) | TrackBack(21) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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