2015年01月30日

ロックアップ (Lock Up)

監督 ジョン・フリン 主演 シルヴェスター・スタローン
1989年 アメリカ映画 109分 アクション 採点★★★★

こと娯楽映画に関して言えば、ここ最近は観ている側に忍耐ってのを強いる作品がめっきり少なくなりましたよねぇ。主人公が我慢に我慢を重ねて最後に爆発する様を、そのラスト数分のためにこっちも2時間近く我慢をし続けて観るってタイプの。最近では『バトルフロント』がややそれに近かった気もしますけど、あれはまぁ「いつでも殺せるし」っていうジェイソン・ステイサムの余裕綽々っぷりが隠しきれてなかったんで、やっぱりちょっと違うんですよねぇ。我慢ってのがストレスでしかない世の中になっちゃったんですかね。

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【ストーリー】
傷害事件により収監中のフランク。出所を間近に控えたある夜、彼は突如重犯罪人が集まる劣悪な刑務所へ強制的に移送される。そこで待ち受けていたのは、かつてフランクに脱獄され内情を暴露されたために将来を失った刑務所所長ドラムグールであった。復讐の鬼と化したドラムグールの非情な仕打ちを耐え続けるフランクであったのだが…。

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アウト・フォー・ジャスティス』のジョン・フリンによる監獄アクション。製作にはジョエル・シルヴァーと共に80〜90年代アクション映画を代表する顔であった、『コマンドー』のローレンス・ゴードンらが。
理不尽で非人道的な仕打ちの数々に心を折らずひたすら耐え続ける男の姿を、漢気汁たっぷりに描いた一本。「負けるな!へこたれるな!」と連呼する本作は、ジョン・フリンらしいゴツゴツとした骨太さも相まって、まさに仕事明けの労働者がビールを片手に観ながら「オレも明日っから頑張ろっ!」となる男の応援歌。今でもそうだが特にこの当時女性受けが悪かったスタローン映画ではあるが、そもそものターゲットが違うんだから「やーよねぇ、スタって」と言われる筋合いなし。
また、ひたすら筋肉ムキムキさせて我慢するだけの作品ではなく、思いのほか“刑務所もの”としてシッカリと作られてもいた本作。「私怨でそこまでやれんの?」という疑問こそあれど、ゲスな看守と極悪犯らの仕打ち、囚人同士のルール、徐々に集まる仲間たち、ちょいと上向きに見せといてからの転落と、必要な要素を網羅した基本に忠実な作りもまた、何度観てもついつい熱くなってしまう要因かと。泥んこフットボールを機に仲間が集まるなんて、最近じゃとんと観ない“良いベタ”でしたし。

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スタローンと言えば“耐える男”。『ロッキー』でも『ランボー』でもそうなんですが、とにかく耐える。ひたすら耐える。手錠なんて「フンッ!」ってやれば引きちぎれそうな筋肉してるのに、やらない。それをやるのはシュワルツェネッガー。それに加え、元チンピラだけど今では気の良いあんちゃんでイタリア系という、スタローンの持ち味全てが存分に出されていた本作。作品の手堅さ故か忘れられがちではあるのだが、この年代では一番スタローンらしさが出ていた一本なのではと。
一方、そんなスタローンをイビり倒すドラムグールに扮したのが、『ハンガー・ゲーム』『メカニック』のドナルド・サザーランド。人を人と思わぬというか、もう中身が人じゃないなんか的な風貌が生真面目を拗らせネジが外れてしまったドラムグール役にピッタリ。スタローンと対極にいる役柄がハマるだけに、“エクスペンダブルズ”シリーズに出ても似合いそうだなぁと。
その他、鉄で出来てるような看守に扮した『ミラクルマスター/七つの大冒険』のジョン・エイモスや、『パラダイス・アレイ』などスタローンとの競演作も多いフランク・マクレー、マッチョの前に立ちはだかるマッチョ役が似合うシュワルツェネッガー/プレデター』のソニー・ランダムに、“軍曹の達人”になる前だった『プライベート・ライアン』のトム・サイズモアなど、作品同様に顔ぶれも骨太。
また、舞台が舞台なだけにリアル囚人の方々も大勢出演されておりましたが、その中にまぁこの人も本物である『マチェーテ・キルズ』のダニー・トレホさんの姿も。ホームグラウンド感に溢れてましたねぇ。

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要は演歌

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2015年01月27日

アポロ18 (Apollo 18)

監督 ゴンサーロ・ロペス=ガイェゴ 主演 ウォーレン・クリスティー
2011年 アメリカ/カナダ映画 86分 SF 採点★★

実家の自分の部屋から出てきた中学時代の愛読書“人類は地球人だけではなかった”を、最近になってまた読み耽っている私。如何せん元ネタがフェイクドキュメンタリーの傑作『第三の選択』なもんで読み返すとだいぶアレな内容なんですが、アポロやジェミニ計画の宇宙飛行士が目撃した怪異を管制官に伝えるやりとりの緊迫感は、この歳になってもワクワクする仕上がり。矢追純一の文才って、案外侮れないんですねぇ。

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【ストーリー】
公式には17号で終了していたはずのアポロ計画であったが、偶然見つかった映像には存在しないはずのアポロ18号によるミッションが映っており…。

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オープン・グレイヴ 感染』のゴンサーロ・ロペス=ガイェゴによるSFホラー風味のフェイクドキュメンタリー。『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』のティムール・ベクマンベトフが製作を務め、主演には『沈黙の宿命 TRUE JUSTICE PART1』のウォーレン・クリスティーが。
“極秘裏にアポロ18号がぁ!”“月になんかいる!”“国家による隠蔽!”と大好物がてんこ盛りなのにも関わらず、ビックリするほど面白くない。満腹の時でさえアンコ餅の3つや4つ軽く平らげられるのに、この作品はさっぱり喉を通らない。ファウンド・フッテージの形式は臨場感や緊迫感を高めるってよりは低予算っぷりを際立たせるのみで、ドキュメンタリー風味で陰謀の全体像を見せていないとは言っても“何かいた→死んだ”だけで終わる物語はお粗末極まりなし。そもそもドキュメンタリーにしろモキュメンタリーにしろ、映像素材を組み立ててテーマなり主張なり物語を形成しなきゃならないのに、本作はホントただただ「なんかいたねー、怖いねー」って言ってるだけ
また、計画する側がそこに何かがいることを知って送り出したのかどうかすら定かじゃない。たぶん知ってるっぽいんですけど、それにしては「感染したから戻ってこなくていいからネ」はあまりに乱暴。「一体何がしたいの?」と。細菌だか月ヤドカリだか分かりませんが、宇宙飛行士がどうのこうのよりそっちを持ち帰る方が大事なんじゃないのか?
まぁ、不満だらけの作品ではありましたけど、きっとこの後なんとかして地球に帰還した宇宙飛行士が、細菌により顔をドロドロに溶かしながら田舎町で数人殺して歩くんだろうなぁ、ってなちょっと楽しい妄想も出来たので★一つオマケで。

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月の影が蟹に見える国もありますしねぇ

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タグ:★★ SF
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2015年01月26日

闘魂先生 Mr.ネバーギブアップ (Here Comes the Boom)

監督 フランク・コラチ 主演 ケヴィン・ジェームズ
2012年 アメリカ映画 105分 コメディ 採点★★★★

“一発当てる”って夢ですよねぇ。妻もよくソファーと一体化している私に「何かやって一発当てなよ!クリスマスソングとか作ればいいんじゃない?」とか言ってきますが、「ハッピバ〜スデ〜ジ〜ザ〜ス♪」くらいしか浮かばない私に何を言ってるのやら。“一発当てる”って、目的に向かって努力して苦労して負け続けてきた状況が、ある事柄で大逆転することだと思ってるので、私自身そのスタート地点にすら立っていないと思いますし。でもまぁ、夢ではありますよねぇ。そういう夢を持つのは良い事だなぁと。ただ、お金を消費しているだけのギャンブル中毒が言うのは、ちょっと違うんじゃないのかなぁとも思いますけど。

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【ストーリー】
かつては最優秀教師にも選ばれるも、今ではその熱意を全て失いだらだらと日々を過ごす公立高校の生物教師スコット。そんなある日、学校の経営難により音楽活動の廃止と顧問のマーティの解雇を知ったスコットは、怒りのあまりつい自分が5万ドル近くの大金を集めると言い放ってしまう。もちろん案など何も浮かばないスコットだったが、ひょんなことで観た総合格闘技の試合で負けても大金が手に入ることを知り…。

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アダム・サンドラーのハッピー・マディソンが贈る、『Mr.ズーキーパーの婚活動物園』『もしも昨日が選べたら』のフランク・コラチ監督による闘魂コメディ。主演のケヴィン・ジェームズが製作と脚本も。
「教師が流行の総合格闘技をやる、イロモノコメディでしょ?」と思われそうだが、全くそんなことはない本作。確かにケヴィン・ジェームズがリングに立つ違和感が笑いの重要要素であるし、「負けても大金貰えんならいいんじゃね?」と志も著しく低い。しかし、その低い志ですら叶えるためにすら大きな努力と苦労が必要な様をしっかりと描いているし、主人公はそれを貫き通す。こう見えて王道のど真ん中を突き進む痛快作に仕上がっていた一本。今回も含め複数回鑑賞しているんですけど、その都度面白さに変わりがないのもこの“ど真ん中”故かと。
また、生徒たちとの交流はもちろんのこと、予算削減が教育現場にまで侵食し学びの機会すら失われつつある現状や、多民族国家であるというアメリカの基本を物語に盛り込み、それらが最後までストーリーに絡み続ける脚本の巧みさや、映画栄えを施しながらも思いのほかしっかりしていた試合描写など、テーマや題材を粗末にしない製作姿勢も好感度高し。これらがしっかりしているからこそクライマックスに興奮し、負けることから勝つことへと目標が変わる様に感動を覚える仕上がりになったのでは。

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主人公のスコットに扮したのは、『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』『アダルトボーイズ青春白書』のケヴィン・ジェームズ。太めのコメディアンというと“いい人”っぷりを全面に打ち出すことが多い気もするんですが、彼の場合は“でも実はいい人”ってな控えめ具合。程よくゲスで、程よく善人。それが役柄の幅や物語の幅に繋がるんですけど、本作でもそこが抜群。ぐうたらから熱血への変移も、低い志とその一貫性も、彼だからこそのハマり具合。アダム・サンドラー絡みの役者の中では、ずば抜けた巧さってのを持ってるよなぁと。
また、ここ最近アダム映画の常連と化してきた『フロム・ダスク・ティル・ドーン』『ダイヤモンド・イン・パラダイス』のサルマ・ハエックや、これまた常連である『リトル★ニッキー』のヘンリー・ウィンクラー、実兄でケヴィン作品にもれなく付いてくるゲイリー・バレンタインなど、安心印のキャスティングも魅力。
もちろん題材が題材なだけに、ケヴィンとの絡みも多いバス・ルッテンやクシシュトフ・ソシンスキー、ヴァンダレイ・シウバにマーク・デラグロッテ、石井慧などなど本物の方々も登場。
それにしても、数年前に予告編を見た時から日本での劇場公開は諦めてましたが、やっぱりこういった誰にでも楽しめる作品の鑑賞機会を著しく減らしてしまっている現状は納得いかないですよねぇ。洋画の場合は字幕と吹替えでスクリーンを二つ使うって問題と、メジャーな人が出てないと人が来ないってのもあるんでしょうが、少なくても後者に関しては宣伝する側の努力次第じゃないのと。まぁ、いつもの愚痴なんですけどね。

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棚からぼた餅が落ちてくるのを待ってるくらいなら作ったほうが早い

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2015年01月24日

ヒットマンズ・レクイエム (In Bruges)

監督 マーティン・マクドナー 主演 コリン・ファレル
2008年 イギリス/アメリカ映画 107分 コメディ 採点★★★

小学校に入るか入らないかの子供の頃、母親が作ってくれた出来立ての汁粉を鍋ごと引っくり返してしまった私。別にそれでこっぴどく叱られたわけでも、それ以外にもたくさん悪いことをしてきたのにも拘らず、「申し訳ないことしたなぁ…」ともう何十年も経ってるのに未だにふと思い出すことが。“罪”とまでは言わないんですけど、そういった罪悪感ってそうそう消え去ってはくれないもんなんですねぇ。

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【ストーリー】
ボスの指令によりベルギーのブルージュで潜伏することとなった、新米殺し屋のレイとベテランのケン。次の指令が下るまで観光を満喫するケンとそれに嫌々付き合うレイであったが、下った指令は非情なもので…。

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本作が長編デビューとなる、『セブン・サイコパス』のマーティン・マクドナーが脚本と監督を務めたクライムコメディ。「面白そうだなぁ」と思いつつも、「でもコリン・ファレル濃いしなぁ…」とかウダウダしている内にビデオ屋でDVDを見かけなくなり忘れていましたが、ひょんなことから手に入ったんで観てみた一本。
“贖罪”をテーマに描いた本作。殺し屋たちの姿を滑稽に描くと同時に、死と救いのイメージを濃密に漂わせていく物語にまず唸らされる。また、罪を背負った登場人物たちが迷い込む煉獄となる、ブルージュのクリスマスの厳かさも雰囲気抜群。状況こそ違えど、やり過ぎれば『ジェイコブズ・ラダー』になってしまうところを手前で留めたのも、この舞台があったからこそかと。この厳かさと直接的な死のビジュアルとの対比も強烈。
個人的にはサブキャラクターの天使と悪魔的立ち位置をもうちょい濃い目に出しても良かったかと思ったが、アメリカ人イジりの小ネタの数々や個性的なキャラクター達など十分楽しめた一本で。

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主人公のレイに扮したのは、『トータル・リコール』のコリン・ファレル。ちょっと濃すぎて正直好みの役者ではないんですけど、本作では特にそんな苦手さは感じず。それどころか、困り果てると8時20分になる眉毛がなんか可愛い。思ったことを顔にも口にも出す、役柄的にほとんど小学男子だったってのもその要因かと。殺し屋のくせに。
そんな小学生の引率というか保護者的立場にいたケン役に、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のブレンダン・グリーソンが。個人的に『28日後...』の父親役がドハマりだっただけに、責任感も包容力も優しさもある本作のような役柄が似合うなぁと。殺し屋のくせに
その他、冷酷さと間抜けさのバランスが見事だった『007 スカイフォール』のレイフ・ファインズや、油断するとマギー・ギレンホールになりそうなところを小動物的愛らしさでカバーするクレマンス・ポエジーなど、魅力的な顔ぶれが。

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アイスを食わせておけば概ね上機嫌

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2015年01月20日

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! (The World's End)

監督 エドガー・ライト 主演 サイモン・ペッグ
2013年 イギリス/アメリカ/日本映画 109分 コメディ 採点★★★

都心部のほうはイマイチよく分からないんですけど、ここらの地方のお店ってのはほぼほぼフランチャイズで埋め尽くされてるんですよねぇ。日々の買物はイオンかヨーク、ちょっとした外食もファミレスチェーンかファストフードチェーン、喫茶店なんてものはカフェのチェーンに淘汰され、映画をレンタルしたけりゃツタヤかゲオの二択。デートコースが全てフランチャイズ店を廻って終わるなんてのもざらなんでしょうねぇ。まぁ、最近デートなんてものをしてないから分からないだけなんですけど。デートしてぇな!

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【ストーリー】
かつての悪友ゲイリーの突然の来訪により故郷の田舎町ニュートン・ヘイブンに集結させられた、アンディら4人の中年男たち。ゲイリーの目的は、学生時代に果たせなかった一晩に12軒のパブを廻る“パブ・クロール”の完遂。嫌々ながらもゴールのパブ“ワールズ・エンド”を目指す彼らであったが、町では信じがたい異変が起こっており…。

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『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』とジャンル映画に対する深い愛情のみならず、そのジャンル映画の本質を見事に捉えた作品を作り続けるエドガー・ライト&サイモン・ペッグ&ニック・フロスト組が贈るSFコメディ。今回は50年代を中心に栄えた侵略SF映画を題材に。
知人や隣人が姿かたちはそのままなのに何か異質なものに変わってるとか、空からUFOが襲ってくるってのが多く描かれていた往年の侵略型SF映画。それらが忍び寄る共産主義への恐怖や、宇宙開発で先行するソ連に対する脅威の表れだってのは言わずもがななんですが、それをそのまま現代に移行するには無理が大有り。かと言ってカルト宗教なんかを持ち出すとキナ臭くなり過ぎる。そこを全国津々浦々に進出するフランチャイズチェーンってのに置き換えたのは、流石と言わざるを得なかった一本。

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本作で描かれる侵略者を“イオン”に置き換えると多少分かりやすいのかも。経営者の高齢化や人口の減少で商店街が弱体化し始めている田舎町にイオンが進出。地元の商店は「近隣地域からの集客も望めますから、一緒に頑張りましょー」とかなんとか言いくるめられテナントとして入るも、傘下企業の同業種大型テナントも入ってきたので商売上がったり。高いテナント料も払えないので撤退して元の商店街に戻るも、もともと経営が傾いていた上に客の流れも大きく変わったのでそのまま店じまい。
「じゃぁ、イオンがなくなれば万々歳なのかい?」と言えばそんなに甘くもなく。残されたのはシャッター街と化した地元商店街のみで、住民は低価格と品揃えを求めて近隣にある別のイオンに行くだけ。かつての環境が戻ってくるわけではなく、ただただ悪化するのみ
そんなフランチャイズの功罪に、無個性化する社会に対する個性派の反発、「大人になるってなんなんだよー!」ってな中年男の叫びや熱い友情、“あの時”に留まれる誘惑と葛藤などを織り交ぜた本作。ただまぁ、相変わらずの着眼点の良さとは裏腹に、今回はその辺の要素がいまひとつ交じり合うことががなくバタバタしていた印象が強く残念。まぁ、これまでの作品完成度からくる期待値の高さもあるんでしょうが。

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主人公のゲイリーに扮するのは、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』『宇宙人ポール』のサイモン・ペッグ。楽しかった過去にすがり続ける悲哀を、“あんなにカッコ良かった兄ちゃんがペッグに!”のビジュアル一発で表現。可愛いモードを封印してワイルドモードで登場するも、やっぱり可愛げが勝ってしまういつものサイモンで安心。
そんなサイモン・ペッグを中心に、『ブリッツ』のパディ・コンシダイン、『ホビット 思いがけない冒険』のマーティン・フリーマン、『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』のエディ・マーサンらが悪友として集結してるんですけど、各々の強烈な個性がぶつかり合うってよりは違うベクトルで進んでしまってる感も。まぁ、横一列に並ぶ絵はビシリとキマってましたが。そんな中、序盤こそ大人しいものの、中盤以降エンジンが全開となる『スノーホワイト』のニック・フロストが動き始めると俄然面白みが増すってのは流石。
その他、もう一花咲きそうな色気を放っていた『ゴーストライター』のピアース・ブロスナンに、素っ気無さの権化のようだった『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイク、「常連なのに今回は出ないのかなぁ?」と思ってたら声のみで出てきた『トータル・リコール』のビル・ナイら、エドガー・ライト作品らしい顔ぶれを楽しめた一本で。

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スタバ12軒廻りってのも過酷そう

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2015年01月17日

キングスマン:ザ・シークレット・サービス 予告編 (Kingsman: The Secret Service Trailer)

X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を観た時に、監督のマシュー・ヴォーンが007やハリー・パーマーなんかが活躍するスパイ映画を撮ったらすっごく面白くなりそうだなぁなんて思ったんですけど、いやぁまさか本当に作ってくれるとは!マーク・ミラー、デイヴ・ギボンズらと共著した自身のグラフィックノベルを映像化する『キック・アス』方式のようで。
ジェームズ・ボンドの候補にも挙がっていたコリン・ファースを筆頭に、『アベンジャーズ』のサミュエル・L・ジャクソンと『ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲』のマーク・ハミルという“新旧ジェダイの騎士”コンビ、ハリー・パーマーその人である『ダークナイト ライジング』のマイケル・ケイン、ボンド映画だったら悪の首領の右腕役なんかが似合いそうな『シャーロック・ホームズ』のマーク・ストロングなど、非常に“わかってる”キャスティングも私の“観たいスイッチ”を押してくれるんですが、予告編でちらちら映る義足の美人暗殺者がそのボタンを更に連打
予告編のみの使用かもしれませんが、ドアーズの“ファイヴ・トゥ・ワン”、ザ・ナックの“マイ・シャローナ”、そして私の“観たいスイッチ”を高橋名人並みに連射してくるデヴィッド・ボウイの“サフラゲット・シティ”といった選曲も堪らない。

【Kingsman: The Secret Service Official Trailer】


【Kingsman: The Secret Service Official Trailer #2】


【Kingsman: The Secret Service Official Trailer #3】


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タグ:予告編
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2015年01月16日

ゴーン・ガール (Gone Girl)

監督 デヴィッド・フィンチャー 主演 ベン・アフレック
2014年 アメリカ映画 149分 サスペンス 採点★★★★

知人に「ワタシ媚びれないんだよねぇ」と言いながらアッチの男性にクネクネー、コッチの男性にクネクネーと媚びまくり、“悪い子”をアピールしつつも実際は病的に“良い子ちゃん”と思われるために腐心し、彼氏が出来れば趣味からタバコの銘柄まで彼氏に合わせるだけではなく、自分の子の父親でもある前の旦那の連絡先全てを消去してしまう人が。まぁ別段珍しいタイプではないのかもしれませんが、「本当のこの人ってなんなんだろうなぁ?」と疑問に思いながら、自分の中の“極力関わらない人箱”にしまい込む私。

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【ストーリー】
ニューヨークからミズーリ州の田舎町に越してきたニックとエイミーの夫妻。誰もが羨む理想の夫婦に思われていた彼らであったが、5回目の結婚記念日を迎えた日の朝、突如エイミーが失踪。残されていた争った形跡や血痕から警察が動き出し、全米のメディアもその事件に注目する。やがて理想の夫と思われていたニックの裏の顔が判明し、彼に疑いの目が向けられるのであったが…。

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ギリアン・フリンによる同名小説を、『ドラゴン・タトゥーの女』『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャーが映像化したミステリー。これでフィンチャー作品三作連続登板となるトレント・レズナーとアッティカス・ロスによる音楽も秀逸。
“妻が失踪、どうにも旦那が怪しいぞ”っていうよく耳にする事件から始まりながらも、あれよあれよと怒涛の展開を繰り広げ、翻弄されながらの150分をあっという間に駆け抜ける本作。後半に控える予想の斜め上を行くサイコな展開など、単純にミステリーとして楽しめた一本でも。ただ、その“サイコパス”の部分に目が行きがちな作品ではあるが、実のところ本作にとってそこは然程重要ではない。ある意味なくても十分成立する。サイコパスという極端な表現方法を用いた夫婦関係の物語だから。なんと言うか、シンプルな秋刀魚の塩焼きに、なんとなくバタークリームを添えてみたような。ちょっと違いますね。

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特異な幼少期を過ごした影響か、男性にとって理想的な“クールな女性”であろうとするエイミー。それが“都合のいい女”として相手を甘やかせることを意味していても理想の女で居続けることに執着し、やがて崩壊する。頑張るベクトルを誤った、ある種よくいる女性でもある。
一方のニックはそんなエイミーと釣り合うために背伸びをし、名声も行動力も経済力もある彼女の両親に強い引け目と劣等感を感じながらも、楽は出来ているぬるま湯から出られないでいる。地元のミズーリに移り住んだのも、母親の看病という理由以外に、妻の両親の影響力から物理的に離れた更なるぬるま湯を求めたからにも思えてくる。そして、その弱さと甘えと慢心から若い女性との浮気に走ってしまう。これまた、よくいる男性のようでも。そんな夫婦カウンセリングみたいな物語を、およそそんな題材に関心があるとは思えないフィンチャーが客観的を通り越して人間的な体温を全く感じさせない突き放しっぷりで描いたからこそ、人間関係がはらむ危うさや問題点がより深く明確に描けたのではと。

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夫のニックに扮するのは、『アルゴ』『ザ・タウン』のベン・アフレック。嫌な奴か心のこもっていない奴を演じることで輝くベン・アフレックだけに、妻が失踪中だというのに言われるがままカメラに愛想を振りまき、理想の夫から瞬時に全米から疑いの目を向けられる第一容疑者に転落するニック役はまさに適役。心がない。故に信頼感もない。役者としてキャラクターに心を感じさせないってのもどうかとは思いますが、こういう役をやらせたら右に出る者なし。褒めてるつもり
一方のエイミー役には、『サロゲート』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』のロザムンド・パイクが。これまた心ってのが全く感じられない見事な適役。限りなく虚無。後半に入ってからの豹変というか、当人にとっては衣一枚脱いだだけの変化が、ニックを含む男性にとって知ってるはずのパートナーがボディスナッチされて全く知らない不気味な存在になる恐怖をまざまざと見せ付けた熱演。もしくは冷演。彼女なくして本作は成立しない圧巻の存在感が見事。鑑賞当初は“ゴーン”もしなければ“ガール”でもないタイトルにシックリ来なかったんですが、彼女の冷演に「あぁ、少女時代に中身がゴーンしちゃったのねぇ…」と妙に納得。

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妻の両親と密室に閉じ込められるプレッシャーたるや

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2015年01月05日

新年のご挨拶

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正月気分を強制終了させなきゃなんない頃ではございますが、あけましておめでとうございます。昨年度はこんな気まぐれの塊みたいなサブタレのお相手をしていただき、誠にありがとうございました。本年度も是非その方向で。

で、ここんとこのアレコレ。
とは言っても、先月中頃にパソコンが壊れたのを良いことにサブタレをサボりまくりゲームばっかしてたので特にネタもなし。三が日も餅食って寝て、餅食って寝て、餅食って餅食って寝て寝ての繰り返しだったので「ちょっと太りましたよ♪」って位のご報告のみ。
まぁ、ぼちぼち更新はしていきますので、気長にお付き合いいただけたらと。
あ、今年の抱負を忘れてた。えーっと、とりあえず“よく寝てよく遊ぶ”でいいや。
では!

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タグ:雑記
posted by たお at 07:52 | Comment(6) | TrackBack(0) | 日々のあれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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