2017年04月28日

キングコング:髑髏島の巨神 (Kong: Skull Island)

監督 ジョーダン・ヴォート=ロバーツ 主演 トム・ヒドルストン
2017年 アメリカ/中国/オーストラリア/カナダ映画 118分 アドベンチャー 採点★★★

映画好き人生の幕開けをギラーミンの『キングコング』で迎えちゃっただけに、コングにはある種の思い入れを持っている私。ただまぁ、キングコングを愛してやまないっていう思い入れではないんですよねぇ。なんかこう、“思い出の人”みたいな感じ。“キングコング”と聞いて真っ先に浮かぶのが、いまだに子門真人ですし。たぶん、女好き人生の幕開けとなった最初の彼女のことを否定はしないけど、別に引きずってるわけじゃないみたいな感じ?

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【ストーリー】
アメリカがベトナム戦争からの撤退を宣言した1973年。米政府の特務機関モナークは、南太平洋上に発見された未知の島“髑髏島”を探索するための調査団を結成する。護衛の米軍のヘリで島へ到着した彼らであったが、そこへ島の守護神キングコングが現れヘリを次々と破壊する。壊滅状態に陥った調査団は島からの脱出を図るが、彼らの前に次々と恐ろしい巨大生物が現れ…。

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GODZILLA ゴジラ』と世界観を共有し、2020年にはゴジラとの直接対決も予定されているアメリカを代表する巨大モンスター“キングコング”を、迫力ある見せ場たっぷりに描き出したアクション・アドベンチャー。メガホンを握ったのは、作品にもその影響を垣間見せるほど日本のアニメとゲームが大好きという、新鋭のジョーダン・ヴォート=ロバーツ。
『地獄の黙示録』を彷彿させるロックをガンガン鳴らした編隊飛行するヘリの前に、太陽をバックに立ちはだかる巨大コングの雄姿。もう、そのビジュアル一発で心を鷲掴みにされちゃった本作。ゴジラとのバランス調整のため更に巨大化したコングがヘリを蹴散らす登場シークエンスもそうだが、廃船のスクリューを武器とし『片腕カンフー対空とぶギロチン』ばりに敵対モンスターをぶちのめしたり、襲い掛かってきた巨大タコイカを返り討ちにし、その足をモシャモシャむさぼりながらその場を後にするなど昭和的男気描写も満載。
前のコングが作り手の思い入れと愛情が強すぎて観る側としては少々荷が重かっただけに、単純に「すげー!」と驚き楽しめるシーンが矢継ぎ早に出てくるってのが嬉しかった一本でも。
ただまぁ、その見どころのほぼほぼ全てが既に予告編で確認済みで、それ以上の驚きがないってのも事実。
独立した一本の作品から対決路線へ企画中に変更されたせいか、登場人物ごとにバラバラなストーリーが交じり合って大きな物語を作り上げるわけでもなく、各々が巨大なコングを背景に平行線のまま箇条書きをなぞった様な盛り上がりのない物語を展開してたのは、少々残念だなぁと。

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主人公であるはずの『アベンジャーズ』のトム・ヒドルストン扮するコンラッドはガイド以上でも以下でもないし、『キングスマン』のサミュエル・L・ジャクソン扮するパッカードも、戦いを終えたくないってバックグラウンドと部下の敵討ちってのは分かるが、あまりに闇雲。『10 クローバーフィールド・レーン』のジョン・グッドマン扮するランダの、髑髏島に巨大生物がいるって確信に説得力はないし、『ドン・ジョン』のブリー・ラーソンはタンクトップの胸元以外はもう記憶になし。まぁ、それはそれで大変満足しましたが。
“闇の奥”の作家と同じ名前を持つコンラッドが現地人の集落に行くと、そこで待ってるのは“闇の奥”の主人公と同名のマーロウだっていう小ネタと、出てくるのがマーロン・ブランドと対極にいる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジョン・C・ライリーだってのは非常に楽しめましたけど、出オチで終わっちゃってたのも残念。怪獣映画ってのは怪獣そのものの魅力も大切だけど、現実世界に非現実が混じりこむ醍醐味を形成するためにも、現実部分を担う人間描写ってのが大切なんだよなぁと、あらためて感じさせられた一本で。怪獣がいっぱい出てくるのは嬉しいですけど、髑髏島の魔境っぷりが乏しいってのも寂しかったですし。
ただまぁ、そもそもが東西横綱対決になるゴジラとの決戦を大前提としたコングの煽りVTRのような本作なので、キングコング単品としては少々首をかしげる部分もありますが、対決に期待を持たせるって意味では成功を収めている一本でも。エンドクレジット中にゴジラやキングギドラらのコピーライト表記が現れ大いにネタバレしてましたが、エンドクレジット後のオマケ映像も今後のシリーズに期待を寄せずにはいられないものでしたし。

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熱海で待ってます

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2017年04月11日

そんな時期ですねぇ

夜勤明けのオフィスビルを抜け帰路に向かうため信号待ちをしていると、出勤中の会社員が行きかう中、一人の女性が一点を見つめたまま信号の前に立っている。

スーツ姿ばかりの中で違和感のある、マスクに部屋着に上着を重ねただけのようなその女性は、別に信号を待っているわけでもなく、ただただ一点を見つめ立っている。マスク越しのその表情は険しいような悲しいような複雑な表情で、信号待ちをしていた私の脳裏に一瞬「あれ?ヤバイ人かな…?」と思わせるもの。

何とも言えない緊張感を感じながら信号が変わるのを待っていた私は、ふとその女性が見つめている目線の先を追ってみると、人混みの中に黄色いランドセルを背負った小さな小さな後ろ姿がピョコピョコと歩いてる。

あぁ、そんな季節なんですねぇ。
嬉しいのと不安なのと寂しいのと、いろんな感情がグチャグチャに入り混じったお母さんの姿に、なんか分かんないけど、「明日も頑張ろっと!」と思った私でしたとさ。

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タグ:雑記
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2017年03月21日

ザ・ギフト (The Gift)

監督 ジョエル・エドガートン 主演 ジェイソン・ベイトマン
2015年 アメリカ/オーストラリア/中国映画 108分 サスペンス 採点★★★★

転職を繰り返してるせいか、お中元やお歳暮といった贈り物を贈る習慣が身に付かないまま大人になっちゃった私。なもんで、不意に贈り物が届くと、ビックリする前に「なに?誰?」と不気味に感じたりも。ま、「誰だろうねぇ?気味悪いねぇ?」とか言いながら、その銘菓をモリモリ食べてるんですけど。そう言えば、注文した覚えのない荷物がAmazonから届くことがありますが、大抵の場合は送り主の名前が送り状なり納品書に記載されるギフト設定をしてないがために謎の荷物になってるのがほとんど。そんな時はAmazonに連絡すれば万事解決。「気味悪い!誰からだ?」と聞いても「個人情報だ!教えん!」と言われちゃいますが、ちゃんと送り主にAmazonが連絡してくれるんで、送り主から「ゴメン、ゴメン!それ、俺ちゃん!」と連絡きますよ。

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【ストーリー】
仕事の関係で、シカゴからロサンゼルス郊外へ越してきたサイモンとロビンの夫妻。新生活のための準備を進めていたある日、街でばったりサイモンの高校時代の同級生ゴードに出会う。その日を境に、ゴードから連日贈り物が届けられるようになり、次第に困惑していく夫婦。その贈り物には、サイモンとゴードの過去にまつわる意味が隠されていて…。

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もう全然ふつうにネタバレしますからね。お断りしときましたからね!
ウォーリアー』のジョエル・エドガートンが製作・脚本・出演を兼ね、監督として長編デビューも果たした、お届け物スリラー。
贈り物と同時に送り主の行動もエスカレートしていく、ストーカーのサイコスリラーかと思いきや、サイモンとゴードの過去か明らかになっていく中盤以降、“笑ゥせぇるすまん”や“魔太郎がくる!!”など藤子不二雄Ⓐ風味すら感じられる自業自得系物語へと変貌していく、そのストーリー構成と練りっぷりに感嘆させられた本作。
ゴードが贈り物に込めた真意や最後の贈り物の映像の意味を読み違えると、単なるいじめられっ子の復讐譚と捉えてしまい、なんとも後味の悪い一本になってしまうが、ゴードの意図はそんなところにあらず。他者を陥れ続けてきたサイモンに対し、自身の言動が相手にどれだけの影響を与えてしまったのかを理解し、心を入れ替える最後のチャンスそのものがゴードの贈り物。そして、そのチャンスを自ら台無しにしてしまうサイモンが受ける罰が、かつてサイモンがゴードに対して行ったのと同じ“無からのでっち上げ”による苦しみ。理不尽のように思えて、実はすべて理にかなっているこの物語には、圧迫感のある重い全体のトーンとは裏腹に一種の爽快さすら感じられた一本で。
ジョエル・エドガートンが原案を手掛けた『奪還者』同様、過去の出来事が人物に与えた影響や、本当に大切なことが物語の進行と同時にジワジワと滲み出てくる本作。演出云々以前に、ストーリーテラーとして類稀な才能の持ち主であることは確かだなぁと。

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過去に散々なことをしておきながら、久しぶりの再会を祝い自宅に招き入れる無神経ぷりが、過去の言動を正当化し、然程重要視していないどころか、特に記憶にも留めていない苛めっ子特有の思考回路を持つサイモン。そもそも面白半分で行ってるので、罪悪感もなし。そんなサイモンに扮した、『宇宙人ポール』『ウソから始まる恋と仕事の成功術』のジェイソン・ベイトマンのハマリっぷりたるや。認められたい相手や認めてる相手に対しては人当たりの良い好人物でいるが、見下している相手にはちょっとした余興のように苛めを行う、実生活でもそんなことをしてそうな程の似合いっぷり。これを同じ苛めっ子キャラのベン・アフレックが演じると、社会的成功の伴わないその性悪さだけが前に出るんですけど、「あいつは性悪なんだ!」と訴えても周囲が信じてくれなさそうな感じが上手く出ていたのも、ジェイソン・ベイトマンが演じたからこそなんだろうなぁと。
一方のゴードに扮した、演出に専念するため自分の出演シーンは撮影開始序盤にまとめ撮りしたという、『ゼロ・ダーク・サーティ』『遊星からの物体X ファーストコンタクト』のジョエル・エドガートン。実在しているはずなのに実生活がほとんど描かれていないこともあり、まるでそれぞれの手に赦しと懲罰を携え地上に舞い降りた天使のようなフワフワした存在感を、ライティングひとつで懐の深さと怖さが入れ替わる個性的な顔立ちで好演。
また、サイモンの妻ロビンに扮したのは、『アイアンマン3』『ザ・タウン』のレベッカ・ホール。中盤まで独り慄いている様が、その短くした髪もあってか『シャイニング』の嫁を彷彿させ、存分にイライラしてしまったんですけど、その苛立たしさは物語をミスリードさせるのに非常に効果的だっただけではなく、最後ロビンが居る病室の番号が『シャイニング』の例の怖い部屋“237号室”と同じってことから、意図的かつ的確な演出だったんだなぁってのにも驚かされた作品で。やるなぁ、エドガートン

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家に居る時は不在票置いてくくせに

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2017年03月14日

ロバート・パーマー/ディシプリン・オブ・ラヴ (Robert Palmer - Discipline Of Love)

愛してやまなかった人や慣れ親しんでいたものが次々と失われていった2016年よりはマシな年になるかと思いきや、年明け早々悲しいニュースばかりな2017年。

中でも、ジョン・ハートの死は何となくシックリきたので寂しさが中心でしたけど、ビル・パクストンとミゲル・フェラーの死には大いに驚かされたもので。悲しさもさることながら、なんかこう、死んでいるのが似合わない

私にとって、そんな“死んでいるのが似合わない”代表格が、ロバート・パーマー。もう、亡くなってから14年も経つというのに、いまだにピンと来ないんですよねぇ。まだ、カリブのビーチで夕日を眺めながら美味しいお酒を飲んでいる気がしたりも。ま、きっとそんな天国にいるんでしょうけど。

そのロバート・パーマーが1985年にリリースした曲をペタリと。
オーバー・プロデュースを嫌い自身でプロデュースすることが多い彼にしては珍しく、バーナード・エドワーズを迎え、同年話題になったパワー・ステーションを継承するサウンドを披露した“リップタイド”からの1stシングルがこれ。その後大ヒットする『恋におぼれて』などの陰に隠れちゃって忘れられがちな一曲なんですけど、ズンドコズンドコした音頭的なビートがなんともツボな、好きな一曲なんですよねぇ。
あ、そう言えばエージェント・スミスの他に、ロバート・パーマーにも似てるらしいですよ、わたし。なんか、目の位置関係とか口の脇の“餌袋”的な膨らみとか。

【Robert Palmer - Discipline Of Love】


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タグ:音楽
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2017年03月07日

ペイチェック 消された記憶 (Paycheck)

監督 ジョン・ウー 主演 ベン・アフレック
2003年 アメリカ/カナダ映画 119分 SF 採点★★

フィリップ・K・ディックの小説って未来を舞台にしてるのが多いんで、映画化の際もそのまんま未来を舞台にしてたりするんですが、スピルバーグやリドリー・スコットのように現在の延長線上にある未来像をしっかり描ける監督ならまだいいんですが、大抵の場合は絵空事の未来像を作っちゃうんで、ディック特有のユーモアや不条理さが台無しになっちゃうんですよねぇ。だったら下手に未来にしないで、いっそのこと50〜60年代の風景に存在しえないテクノロジー(ポンコツの)を融合させた方がマシだと思ったりも。

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【ストーリー】
高額の報酬と引き換えに、極秘プロジェクトでの3年間の記憶を消去されたエンジニアのジェニングス。しかし、契約終了時に彼が手にした報酬は金ではなく、記憶を消される前の彼自身が望んだ19個のガラクタだった。しかも、そのプロジェクトを巡りFBIに捕らえられてしまう。手元のガラクタが役立ち命からがら逃げだせたジェニングスは、それらのガラクタが重要な意味を持つことを知り…。

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フィリップ・K・ディックの短編“報酬”を、『M:I-2』のジョン・ウーが映像化したSFアクション。
あれこれ設定が違うので原作と比べてなんやかんや言うつもりはありませんが、過去の自分も自分であることに違いがないのに、記憶がないので過去の自分を他人のように扱う、ディック特有のパラノイア風味がゴッソリと抜け落ちてしまってるために、ただただ「ガラクタが役立って良かったね!」ってだけの緊張感皆無の一本に。公開当時を振り返っても前時代的な未来デザインもアレですが、白鳩に前転銃弾避けと、無理やり詰め込まれたウー風味も全くハマってない残念な作品。ヒロインとは記憶を消される起点の前に出会ってるのに主人公はそれすら忘れているなど、設定の雑さも気になるところ。
まぁ、無駄に長いアクションシーンや、監督もキャストも合ってないなど不満も多い作品ではあるんですけど、平和だロマンだと偉そうなことを言っておきながら最後は「やっぱ金だね!」で終わる心の無さや、ケツ顎の主人公にケツ顎の悪役、ケツ顎の偽ヒロインが三分割のスプリットスクリーンで並ぶケツ顎アンサンブルの強烈さもあって、嫌いにはなれない一本で。

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ジェニングスに扮したのは、次世代スター候補として大作に起用され続けるも、作品の話題よりも交際絡みの話題の方が目立ってた、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のベン・アフレック。最近は脂も抜け良い感じの顔になってきましたが、当時はまだ見てるだけで厭な気分になるニヘラ笑いといじめっ子風貌が際立ってた時期なので、天才的なエンジニアにだけはどうやっても見えないミスキャスト。
一方、相手役の『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』のユマ・サーマンも、若干アホっぽい自然派の可愛い子にだけは見えず。そんなキャラに扮するユマは、似合う/似合わないを通り越してなんか不気味。私がユマ・サーマンを苦手にしてるってのも大きいんですが、出る度に「うわぁ…」ってなる。
その他、物凄い機械を作り上げた天才エンジニアを契約満了と同時に殺そうとする、未来が見える機械を作ってる会社の社長とは思えぬ先の見えなさが驚いた『エンド・オブ・キングダム』のアーロン・エッカートや、『カリフォルニア・ダウン』のポール・シアマッティ、『エグゼクティブ・デシジョン』のジョー・モートンに、『マイノリティ・リポート』に続いてのディック作品出演となったキャスリン・モリスらがキャスティング。

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社長とエンジニアが喧嘩するだけの映画でも

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タグ:★★ SF
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2017年03月03日

FOUND ファウンド (Found)

監督 スコット・シャーマー 主演 ギャヴィン・ブラウン
2012年 アメリカ映画 103分 ホラー 採点★★★

子供の頃は、自分の両親や兄弟はそこらの大人よりはマシな人間だと信じてたもんですよねぇ。言われることに理不尽さを感じたり腹立たしさを感じたりすること多々でしたけど、“ちゃんとした人間だ”と疑いもしなかったもので。ただ、自分も大人になり家庭を持つ身となると、自分の両親は決して“ちゃんとした人間”じゃないことに気付かされたりも。素直にそういった部分を受け入れればいいんでしょうけど、なまじ厳しい家庭だっただけに、失望感の方が大きかったりするんですよねぇ。

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【ストーリー】
不協和音響く過程で育つ11歳のマーティ。彼の楽しみは、ホラー映画を観ることと過激なコミックを描くこと、そして家族の秘密を覗き見ることだった。母はベッドの下に昔のラブレターを、父はガレージにエロ本、そして兄はクローゼットに生首を隠している。ある日、兄のクローゼットに忍び込んだマーティは、そこに彼をいじめていたクラスメートの生首が隠されているのを発見する。そして、その秘密を知っていることが兄にバレてしまい…。

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わずか8000ドルの低予算ながらも、数々のファンタ系映画祭で受賞したことで話題となったホラー。『ロストボーイ』のお兄ちゃんは吸血鬼でしたけど、こっちのお兄ちゃんは猟奇殺人鬼。どっちがいいかな?
思春期を迎えると共に周囲の大人に対する不信感が芽生えていく様を、何気に巧みにとらえていた本作。不安定なカメラワークに露出過多気味の映像は、単に素人仕事が生み出したものなんでしょうけど、思春期の揺らぎと苛立ち、受け入れがたい現実とそこからの逃避を図る子供の心理状態と見事にマッチ。災い転じてなんとやら
淡々とし過ぎてるので眠気覚ましのサービスのつもりだったのか、中盤に兄の凶行をイメージさせるアナログなスプラッターシーンが結構な尺で放り込まれてましたが、残念ながらオチのインパクトを薄める以外の効果なし。ちょいとそこが残念ではありましたが、さり気なく序盤のセリフと対をなす、凄惨ながらも諦めと独特のユーモア、ちょっとした美しさすら感じられる形だけの家庭が迎えたエンディングはやはり秀逸。親子愛とは明らかに違う、極端な愛憎混じった兄弟愛もちゃんと描けてましたし。
ヘル・レイザー』や『ミディアン』と、やたらクライヴ・バーカーを推すホラー映画愛溢れる小ネタの数々もさることながら、可愛さの中に陰があるマーティ役のギャヴィン・ブラウンや、少しばかり若い頃のヴァル・キルマーを彷彿させる兄役のイーサン・フィルベック、自然体過ぎる他の子役らと役者も印象的だった一本で。

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“お兄ちゃんが猟奇殺人鬼”って、小学男子にとっちゃちょっとしたステータスだよなぁ

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2017年02月17日

シング・ストリート 未来へのうた (Sing Street)

監督 ジョン・カーニー 主演 フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
2016年 アイルランド/イギリス/アメリカ映画 106分 ドラマ 採点★★★★

筋金入りのボンボンが多く集まる中高一貫の男子校に入学するも、田舎者の成り上がり臭が悪目立ちしてしまったせいで、決して幸せとは言えない過酷な中学三年間をようやく終え、高校進学を機に自分を変えようと決心した1985年。スポーツ刈り一択だった髪を伸ばし当時好きだったハワード・ジョーンズ風の髪形にし(「ん?チェッカーズ好きなん?」と何度聞かれ、何度全力で否定したことか)、第二次パンクブームに乗っかり楽器も弾けないのにクラスメイトらとバンドを結成。音楽繫がりでこれまで話をしたこともない、もしくは極力近づこうとしなかった同級生らとも交流が深まり、ついこの間までいたカーストの最下層からようやく脱出することに。

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【ストーリー】
1985年、アイルランドのダブリン。父親の失業によって、名門私立学校から荒れた公立学校へ転校した14歳の少年、コナー。学校にも家庭にも問題を抱えたコナーだったが、ある日出会った自称モデルの美少女ラフィーナに一目惚れ。つい「僕のバンドのプロモビデオに出演して!」と彼女の関心を引くため出まかせを言ってしまったコナーは、大慌てでバンドを結成。仲間と共に猛練習を始めるのだったが…。

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学校から直帰の生活パターンも変わり、練習スタジオでダラダラと過ごしたりライブハウスを出入りしている内に様々な人と出会ったのもこの頃。30過ぎて独身でギターショップでバイト中の夢追い人という、世間一般的には負け犬扱いだったけど、当時の自分にとっては輝いてた人々や、音楽界隈に巣食うちょっとエキセントリックな女性たち、そんな人たちが集うバーのマスターなど、これまで出会うことのなかった人々とドップリと交わったもので。音楽、映画、料理、酒、アートなどなど、今の自分の知識の発端は全てここにあるといっても過言じゃなし。
「モテんじゃね?」と邪な動機が根底にあったバンド活動でしたけど、案外そんなにモテず。ただ、妙に自信が付いたせいか、女性に対しやたらとアグレッシブになってたのもこの時期。もともと年上が好きってのもありましたが、「どうせ振られるなら」と高嶺の花ばかりに突進していたもので。付き合えたら付き合えたで、相当背伸びしないと釣り合えないので、心身共に疲労困憊しちゃうんですが。
振り返ってみると、1985年を起点としたこの数年間が今の自分の大半を作り上げてることに気付かされること多々。良し悪しは別にして、自分の決断や行動が生んだ結果なので、然程後悔はないんですよねぇ。少なくても、いまだになんだかんだ日々楽しく過ごしてるのも、あの年月を過ごしたおかげだと思ってますし。そのせいか、趣味も仕事も恋愛もなにもかもを居心地の良さを重視しちゃう若い衆と飲んだりすると、「もっと背伸びしろやぁ!」と説教モードになっちゃうこと多々なんですけど。

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そんな思い出話をダラダラとしてしまいたくなるほど“あの当時”を存分に思い出させてくれた、『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニーによる青春ドラマ。新人のフェルディア・ウォルシュ=ピーロが主演を務め、共演にルーシー・ボーイントン、『ブリッツ』のエイダン・ギレンらが。
監督の実体験を基に描かれた本作。「あの時こうしてれば…」ってのをベースに物語が進むが、年を経てから振り返った時にありがちな冷静さや美化のし過ぎなど一切なく、まるでこの間の思い出を振り返ったかのような瑞々しさが見事。登場人物の思考、言動、視野など作品の隅々が思春期そのもの。タイムマシンに乗って時間だけが“あの時”に戻るのではなく、身も心も戻っている感覚と言うか。
私自身も一番楽しい時間だと思っている、関係性が成立する直前の恋愛模様の描き方も素晴らしかった本作。また、その恋愛が「末永く幸せに暮らしたとさ」みたいな大袈裟な一生ものとして描くのではなく、今現在の自分を形成してきた、いくつかある中で忘れ難い一つの恋愛として、ある種の割り切りをもって描かれていたのも好印象。勢いだけでは乗り切れない、前途多難にも程がある『卒業』的エンディングを迎えながらも、そのおよそ3秒前のような、二人の関係性の頂点であり終わりの始まりの(彼女の方はもうちょっと前に気付いているようでしたけど)絶頂の瞬間で切り取る、爽やかさとモヤモヤが混じったエンディングのタイミングも見事。
金も車もなければ力も知恵もない少年が、自分の想いだけを武器に年上の女性にアタックし続ける様や、彼女のちょっとした言葉や仕草などに喜怒哀楽する様など、主人公の気持ちが他人事とは思えぬほどわかり過ぎちゃうと同時に、色んな記憶の蓋がパカパカと鑑賞中に開く、記憶復元映画の様相すら。きっと世界中に何万人といるんでしょうが、「なんだ?これは俺の話なのか?」と錯覚してしまう瞬間多々の、思い当たる節だらけ作品で。

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1985年を表す楽曲の数々と音楽ネタに溢れているのも本作の魅力。そもそも、デュラン・デュランの“リオ”賛美から始まる映画を嫌いになれるわけもなし。それらの楽曲が「あー、懐かしい!」で終わらず、主人公の思春期特有の揺らぎと成長を表現しているのも巧かった本作。バンドの楽曲や主人公の扮装ががニュー・ロマンティックで始まり、兄お薦めのホール&オーツやジョー・ジャクソンで背伸びし、最終的にザ・キュアに着地する、まさに思春期絵図。季節ごとに髪形もファッションも大きく異なってた当時の写真を見てるかのような、この辺も思い当たる節あり過ぎで、思い出したくないことも一緒に思い出しちゃって大声出したくなる瞬間多し
強いて言えば、デマカセから始まった急造バンドにしては作曲レベルも演奏レベルも高過ぎで、ちょいとその辺に現実味と言うか身近さが感じられない部分が。まぁ、卓越した音楽センスを持ち、尚且つ主人公の要望に文句ひとつ言わず「いいね!やってみようか!」と応え続ける、U2におけるジ・エッジのようなエイモンという存在が居たからこそのバンドレベルなんでしょうけど。だったら、エイモンも一緒にロンドンに連れてくべきだよなぁとも。
そう言えば、前年の『焔』のリリース、バンドエイドへの参加に続き、この年はライブエイドへの出演でいよいよ人気が世界レベルになってきたアイルランドご当地の星U2が劇中全く触れられていないってのが不思議だったんですけど、スケジュールの都合で頓挫しちゃったそうですけど、当初はボノとジ・エッジが作品にコラボレーションする予定だったようですねぇ。まぁ、頓挫したおかげで楽曲のバラエティが豊かになったかも知れませんけど。

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自分のバンドのデモテープに、他のライブアルバムの歓声を多重録音しちゃったりしてたなぁ…

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2017年01月23日

2016年度 年間ベスト&ワースト

1月も終盤ではございますが、とりあえずあけましておめでとーございます!
毎年恒例、年明け早々去年のことを振り返る年間ベスト&ワーストを。いかんせん、三歩歩けば全てを忘れる鳥の頭脳を持つ私なもんで、この順位に厳密な意味や価値があるわけではありませんが、とりあえず印象に残っている作品をズラズラと。あ、ちなみに例年通り年度内に私が初めて見た作品から選んでますんで、製作・公開年度は相変わらずバラバラですよ。サブタレ10周年だった2016年ですが、その辺のスタンスはいつも通りで。

ベスト
@デッドプール
Aシビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
Bマーシュランド
C裏切りのサーカス
D死霊館 エンフィールド事件
Eオデッセイ
FSPY/スパイ
Gピエロがお前を嘲笑う
Hブリッジ・オブ・スパイ
Iパラドクス

引っ越しやら転職やらでバタバタしてしまい、映画鑑賞本数が激減してしまった2016年。その少ない時間を掘り出し物探しに当てず無難な作品に当ててしまった感じが如実に出てしまったランキングに。
そんな中でも、昨今巨大化しすぎて若干手に負えなくなってきたアメコミ映画本来の面白さを思い出させてくれた@が、昨年度最も楽しめた一本に。その巨大化しすぎたアメコミ映画の代表格のAですが、大なり小なり争いは双方が自身こそ正義と信じているから生まれてしまうってテーマ性と、ヒーロー総出演のお祭り感を見事に両立させた、さすがマーベルって感じの一本。骨太の刑事ドラマに国家が持つ陰惨な過去をジワリと滲み込ませたB、本格的なスパイミステリーを“読む映画”として楽しませてくれたC、充分傑作だった前作を正統進化させたDなんかも非常に楽しめた作品で。
また、勇気や努力といったことよりも、“もしマット・デイモンを火星で独りぼっちにさせたら”というリアリティTV的な面白さがあったE、『コードネーム U.N.C.L.E.』とどっちにしようか迷ったんですが、本家スパイシリーズに対する欲求不満を解消してくれつつ、コメディとしてもスパイ活劇としてもシッカリ完成されてたF、トリックの種類は好みとはちょっと外れますが、裏通りの青春物語でもあるストーリーとサイバー空間の演出法に目を瞠ったG、相変わらず要領の良いスピルバーグ演出に驚かされたH、複雑怪奇な状況を映像として描いて見せたIなんかも印象に残った作品で。
その他、期待通りのヒュー・グラントとマリサ・トメイを存分に見れた『Re:LIFE〜リライフ〜』や、生きてようが死んでようが元カノってのは面倒くさいってのがヒシヒシと伝わった『死の恋人ニーナ』なんかも忘れ難し。

ワースト
@スーサイド・スクワッド
Aムカデ人間3
Bポルターガイスト
Cスター・ウォーズ/フォースの覚醒
Dクリード チャンプを継ぐ男
ESEXテープ
Fファンキーランド
G10 クローバーフィールド・レーン
HパパVS新しいパパ
Iメカニック:ワールドミッション

出来の悪さだけを基準にするとセガールがズラリと並んじゃうんですが、基本的には期待値とガッカリさとの落差の大きさを基準に。セガールに期待してるのは「今日も元気だね♪」ってことであって、映画としての出来の良さじゃないですし。
その落差の大きさで言えば、予告編こそ映像的快感に溢れてましたが、蓋を開ければダラダラとした一本道の物語に、見た目と設定頼みのキャラがワラワラと出てくるだけの@がダントツ。マーベルに早く追いつかなければって焦りは分かるんですが、であればまず財産であるキャラクターを大切にしなきゃと。
また、面白くも怖くも不快でもない、単なる運動会の出し物だったA、オリジナル愛の欠片もないB、看板におんぶにだっこで、新しいことをするわけでも深く掘り下げるわけでもない、昨今のリブートビジネスの悪い部分ばかり目についたCとDなんかが、悪い意味で印象深し。
その他は、ほぼほぼ順不同で。
製作陣、キャストも含め何故この顔ぶれでここまで笑えないコメディを作れるのか逆に驚かされたEH、正統コメディとしてもスカシのコメディとしても成立していないF、JJが商売っ気を出したおかげで脚本にあったサスペンスが台無しとなったG、ステイサムの扱いを誤ったIなんかも残念だったなぁと。

こんな感じだった2016年。相変わらずバタバタしてるんで週刊サブタレになりそうではありますが、可能な限り掘り出し物を探す時間を作りたいなぁと思っておりますんで、今年も細々とお付き合い頂ければと。では!

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2017年01月17日

13時間 ベンガジの秘密の兵士 (13 Hours)

監督 マイケル・ベイ 主演 ジョン・クラシンスキー
2016年 アメリカ映画 144分 アクション 採点★★★★

私は“ずんだ”をこよなく愛しているんですが、同じ宮城県民でもずんだが大嫌いな人ってのは当然いるわけで。そういう人に対し、「あんな美味しいものを嫌いだなんて、人間として信じられない!」と断罪するのは大間違いですよねぇ。ましてや、「ずんだの素晴らしさを教えてやる!」とばかりに、口に無理やりずんだを詰め込むなんてもってのほかで。分かり合えない人ってのは必ず居るわけなんですが、そういう人には善意を押し付けず、敢えて“分かり合わない”ってのが互いの平穏にとって大切だと思うんですよねぇ。極論ではありますけど、今の世の混乱って、結局のところ善意の押し付け合いなんですよねぇ。

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【ストーリー】
2012年。アメリカで製作された、イスラム教の預言者ムハマンドを揶揄した一本のアマチュア映画に激怒したイスラム教徒によって、イスラム諸国でデモが多発。最も危険な地域と化していたリビアの米領事館にも、武装集団が押し寄せ、米大使らが孤立してしまう。近くにあるCIAの秘密基地で職員を守る任務に就いていた民間軍事請負会社の兵士6人は、待機命令を無視し大使らを救出に向かうのだったが…。

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2012年に発生した“2012年アメリカ在外公館襲撃事件”を基に映画化した、軍事アクション。メガホンを握ったのは、トランスフォーマー以外はことごとく日本未公開になってる気がする、『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』のマイケル・ベイ。
この事件の直接の発端や、そこに至るまでの経緯や背景など思うことは多いんですが、それを書き始めると長くなる上に、そんなことに考えを馳せさせるタイプの作品じゃないので割愛。そういうのが観たければ、ポール・グリーングラスの作品を観ますし。
で、本作。オバマ政権の及び腰っぷりや、欧米の傲り、その後の混沌を匂わす描写もあるが、全編を通し描かれているのは戦う男たちの絆と美しさ。もうそこ徹底的に。ザックリと言えば、『ザ・ロック』で最もカッコ良かったシールズのシーンだけで一本の作品にしたって感じ。アドレナリンとエモーションをコッテリと盛り込み、戦う男たちの美をネットリと映し出す、マイケル・ベイのフェチズム満載の一本。

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非公式な存在故に援軍もない孤立無援の状況下、たった6人の民間兵士が熾烈な戦いを繰り広げるシチュエーションや、高学歴のCIA職員に見下されていた彼らが戦いの開始と共に立場が逆転する、鉛玉がインテリジェンスを凌駕する瞬間など、ベイの好きなものだけで構成されていた本作。
シーン毎に外の明るさが異なっていたり、人と出来事の位置関係が分かりづらいベイ演出の悪い部分は相変わらずだが、題材が題材なだけにベイ映画の良い部分が凝縮されているので、粗はほとんど気にならず。CGに頼らず実際にモノを破壊する、破壊王マイケル・ベイの本領もたっぷり発揮。
ザ・マペッツ』のジョン・クラシンスキーや『THE GREY 凍える太陽』のジェームズ・バッジ・デールなど、所謂スターではなく“戦う男”の顔をした役者を集めていたのも好印象だった本作。みんな髭面なので、途中誰が誰だか分からなくなることも多々ではありましたが、誰かが突出するのではなく、チームを描く映画なので、然程文句のないキャスティング。家族を置いてでも戦地に向かう、戦うことでしか生きがいを感じられない男たちって感じが良く出てましたし。

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こっちも我が家

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posted by たお at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ★★★★(満足!) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月09日

トマホーク ガンマンvs食人族 (Bone Tomahawk)

監督 S・クレイグ・ザラー 主演 カート・ラッセル
2015年 アメリカ/イギリス映画 132分 西部劇 採点★★★

日付的には先日の『スーサイド・スクワッド』が2017年一発目のレビューってことになってますけど、昨年末からの年跨ぎで書いてたやつなんで、実際の本年度一発目の映画レビューはコレ。新年早々“食人”。なんかこう、良い一年になりそうだなぁ。

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【ストーリー】
西部開拓時代のアメリカ。荒野に佇む町の保安官ハートは、町に現れた不審な男を勾留する。しかし、その翌朝。町には八つ裂きにされた死体が残され、勾留していた男と保安官助手、男の治療のために残っていた女医らが忽然と姿を消していた。保安官事務所に残されていた矢から、荒野に潜む未開の部族の仕業であることが判明する。保安官と老保安官助手のチコリー、女医の夫のアーサー、そして原住民討伐に執念を燃やすブルーダーら4人は、部族の集落へ救出に向かうのだったが…。

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荒野での過酷な旅路と、食人部族との凄惨極まりない戦いを描いた異色の食人ウエスタン。S・クレイグ・ザラーが自身の脚本を、初メガホンを握り映像化。僅か180万ドルの予算と4週間の撮影期間で作り上げられたことも話題となった本作。
“西部劇”と“食人”。ゲテモノ感と地雷臭ハンパない組合せながらも、その双方が思いのほかシッカリと作り上げられていたことに驚かされた本作。境界線の向こう側は未開の地である開拓地の生活や、その町に流れる空気感が見事に表現されていた西部劇パートと、プレデターチックな食人部族による、アナログな特殊メイク特有の汚らしい不快感が堪能できる、切断に股裂きなど豊富なゴア描写満載な食人パートの双方楽しめたお得な一本。自然や未知なものに対して無力となってしまう文明人や彼らのエゴなど、テーマもぶれずにきちんと描けていたのも立派。
少々抑揚に欠ける冗長さも感じられた本作。しかしながら、セリフとセリフの間に意味合いを持たせる脚本家らしいドラマ作りをしているのでその冗長さも味となっており、低予算・短期間であっても撮りたいものがハッキリしていて、無駄を省いてその目標にまっすぐ進めば面白い作品になるというお手本のような一本で。「四人の男が困難に遭うぅ〜♪」って歌い上げる、監督も作曲に携わったエンディング曲も素敵でしたし。

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西部男が案外ハマる『ワイルド・スピード SKY MISSION』のカート・ラッセルを筆頭に、カウボーイっぽさはちょっと感じられなかったものの、愛妻のために全てを投げうつ真っすぐさがピッタリだった『死霊館 エンフィールド事件』のパトリック・ウィルソン、悲惨な過去故の冷徹な男となった複雑な役柄を見事に演じきった『バンテージ・ポイント』のマシュー・フォックスに、コミックリリーフながらも亡き妻と保安官に対する絶対的な愛情を巧みに表現した『アウトロー』のリチャード・ジェンキンスといった、初監督で脚本家としての実績も過去一本のみしかない監督の、表面上はゲテモノ映画である作品とは思えぬ顔触れが集結しているのにも驚かされた本作。しかも、それぞれが求められているキャラクター像をしっかりと表現してましたし。
そんなメインどころのみならず、久々に見れて嬉しかった『スパイダー パニック!』のデヴィッド・アークエットや、『デビルズ・リジェクト〜マーダー・ライド・ショー2〜』のシド・ヘイグ、『マインドハンター』のキャスリン・モリス、相変わらずの棒読みっぷり際立つ『リンカーン弁護士』のマイケル・パレに、『ブレードランナー』のショーン・ヤングまで出てきちゃう、物語同様に王道とゲテの融合が果たされているキャスティングも魅力だった一本で。

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「殺すぞ!」ってのもヤダけど、「食べるぞ!」ってのはもっとヤダ

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posted by たお at 14:35 | Comment(0) | TrackBack(1) | ★★★(まぁまぁ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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